胃カメラが苦手な方に!バリウム検査(胃部エックス線)のメリットを解説

胃カメラが苦手な方に!バリウム検査(胃部エックス線)のメリットを解説

胃の不調を感じていても、胃カメラ特有の喉を通る異物感や「オエッ」となる恐怖から、検査を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。しかし、胃がんは早期発見さえできれば、治癒が十分に期待できる病気です。

バリウム検査は、カメラを飲み込む苦痛を一切伴わず、胃全体の形状や動きを詳細に観察できる優れた検査方法です。胃カメラが苦手な方に向けて、バリウム検査独自のメリットや発見に強い病気の種類について解説します。

安心して検査を受けるための前日準備から、検査終了後の体調管理まで、知っておくべき全知識を網羅しました。苦痛の少ない選択肢を正しく理解し、あなたの大切な胃を守る第一歩を踏み出してください。

バリウム検査の基本の仕組みと検査当日の流れ

バリウム検査は、造影剤であるバリウムと発泡剤を飲み、胃を膨らませた状態でX線撮影を行うことで、胃の内部情報を詳細に得る検査方法です。カメラを体内に入れないため身体的苦痛が少なく、短時間で胃全体の健康状態をチェックできます。

X線と造影剤を使った撮影原理と画像の仕組み

X線は身体を透過する性質を持っていますが、骨や特定の物質は通り抜けにくいという特徴があります。バリウムはこのX線を遮断する性質を持つ白い液体です。

検査では、まず発泡剤を飲んで胃の中に炭酸ガスを発生させ、しぼんでいる胃をパンパンに膨らませます。胃がしぼんだままだと、粘膜のひだ同士が重なり合ってしまい、その間に隠れた小さながんや病変を見逃す原因になります。そのため、発泡剤で胃を風船のように膨らませて、ひだをきれいに伸ばす工程が非常に重要です。

その後、バリウムを飲み込み、撮影台の上で体を回転させて胃壁全体に薄く付着させます。X線を照射すると、バリウムが付いた部分は白く、空気が溜まった部分は黒く写ります。

この白黒のコントラストにより、がんによる隆起や潰瘍による凹みを影絵のように浮かび上がらせて診断します。

検査当日の具体的な手順と所要時間の目安

検査当日は、受付から終了までスムーズに進めば20分程度、撮影自体は5分から10分程度であっという間に完了します。まず検査着に着替え、ネックレスや金具のついた下着などを外して、X線写真への余計な映り込みを防ぎます。

検査工程と所要時間・ポイント

工程時間実施内容とポイント
準備・前処置約5分検査着へ着替え、貴金属を除去します。胃の動きを止める注射を打つこともあります。
発泡剤服用約1分少量の水で発泡剤を飲みます。直後からゲップを我慢し、空気を胃に留めます。
撮影約5〜10分台の上で回転や体位変換を行います。指示に素早く反応することが重要です。

検査室に入ると、技師の指示に従って発泡剤を飲みます。直後に胃が張ってゲップが出そうになりますが、ここが一番の頑張りどころです。ゲップをしてしまうと胃がしぼんでしまい、追加の発泡剤を飲むことになるため、唾液を飲み込むなどして必死に堪える必要があります。

続いてバリウムを飲み、撮影台が動きます。立った状態から水平、さらには頭が下がる逆立ちに近い状態まで動き、胃の入り口から十二指腸までくまなく撮影します。

「右を向いて」「息を止めて」という指示に合わせ、リズミカルに動くことが鮮明な画像を撮るコツです。

発泡剤とバリウムを上手に飲むためのコツ

発泡剤は口に入れた瞬間からシュワシュワと発泡が始まるため、舌の上で味わわず、水と一緒に喉の奥へ一気に流し込むのがポイントです。

口をしっかり閉じて飲み込むことで、炭酸ガスが口から漏れるのを防ぎ、効率よく胃を膨らませることができます。

バリウムは以前に比べて格段に飲みやすくなっていますが、依然として独特の重さと粘度があります。味わおうとすると飲み込みづらくなるため、コップの縁を口につけたまま離さず、一定のリズムでゴクゴクと勢いよく飲み干すことが推奨されます。

胃カメラと比較した際のバリウム検査ならではのメリット

バリウム検査はスコープを挿入する際の嘔吐反射や喉の痛みがなく、麻酔を使わずに受けられる安全性の高さが大きな魅力です。また、胃全体のバランスや動きを客観的に把握できる点も、胃カメラにはない独自の強みと言えます。

身体への侵襲性が低く嘔吐反射がない

バリウム検査の最大の利点は、異物を体内に挿入しないことです。胃カメラでは、スコープが喉の奥を通過する際に「オエッ」という強い嘔吐反射が起こることがあり、これがトラウマになって検査を敬遠する人が多くいます。

一方、バリウム検査は液体を飲むだけで済みます。発泡剤によるお腹の張りやバリウムの飲みづらさはありますが、喉や食道を物理的に刺激される苦痛はありません。精神的な負担が圧倒的に軽く、毎年気軽に受けられる検査として定着しています。

鎮静剤(麻酔)を使用する必要がないため、薬剤アレルギーの心配がある方や、注射が苦手な方にとっても安心です。体への負担が最小限に抑えられているため、検査終了後の回復も早く、すぐに仕事や家事に戻れる点も大きなメリットです。

胃全体の形状や動きを客観的に把握できる

胃カメラは粘膜の表面を拡大して見ることに優れていますが、視野が狭いため、胃全体の形や位置関係を一目で把握するのは苦手です。対してバリウム検査は、胃全体を一度に映し出し、そのシルエットを観察することができます。

胃カメラとバリウム検査の比較

比較項目バリウム検査胃カメラ(内視鏡)
苦痛の種類お腹の張り、下剤による排便管理。嘔吐反射、喉の違和感。鎮静剤なしだと苦痛が強い。
得意な発見全体の変形、スキルス胃がん、大きな病変。早期がん、色の変化、組織採取が可能。
検査後の制限特になし。運転も可能。鎮静剤使用時は1時間の休憩と運転禁止。

この特徴のおかげで、胃下垂などの位置異常や、胃全体の大きさ、外側からの圧迫による変形などを客観的に評価できます。

また、バリウムが流れる様子を動画のように観察することで、食道の蠕動(ぜんどう)運動や、胃から十二指腸への排出機能もチェック可能です。さらに、撮影されたX線写真は客観的な記録として保存されます。

内視鏡医の技術や主観に左右されやすい胃カメラと異なり、バリウム画像は複数の医師によるダブルチェックが容易に行えるため、見落としを防ぐチェック体制が整いやすいという利点もあります。

費用負担が比較的軽く受診しやすい

経済的なメリットも見逃せません。一般的に、バリウム検査は胃カメラに比べて安価です。

自治体の住民健診や企業の定期健康診断では、バリウム検査が標準コースに含まれていることが多く、追加料金なしで受けられるケースが大半です。

検査時間が短く拘束時間が少ない

忙しい方にとって、検査時間の短さは重要です。バリウム検査は着替えを含めても短時間で終了し、鎮静剤を使わないため、検査後の休憩時間も不要です。

検査終了直後から自動車の運転が可能なので、車で来院したい方にとっても利便性の高い検査方法です。

どのような病変の発見に強みがあるのか

バリウム検査は、胃の「形」や「硬さ」の変化を捉えることに長けており、特にスキルス胃がんのような粘膜の下を這う病変や、大きな潰瘍による胃の変形を発見するのに適しています。

スキルス胃がんなど変形を伴う病変

胃がんの中でも特に恐れられる「スキルス胃がん」は、胃の壁の中を染み込むように広がるため、粘膜表面には目立った変化が現れないことがあります。そのため、内視鏡で表面だけを見ていても、正常な組織と見分けがつかず発見が遅れるケースがあります。

しかし、スキルス胃がんは胃壁を硬くし、ゴムのような伸縮性を奪うという特徴を持っています。バリウム検査では胃を膨らませて撮影するため、がんのある部分だけが膨らまずに硬化している様子や、胃全体の形がいびつに変形している様子がシルエットとして明瞭に描出されます。

このように、胃壁の「硬さ」や「伸びの悪さ」を捉えることに関しては、バリウム検査の方が優れている場合があります。粘膜の色を見るのが得意な胃カメラと、形と硬さを見るのが得意なバリウム検査は、互いに補完し合う関係にあると言えます。

バリウム検査が得意とする主な疾患

  • スキルス性胃がん:胃壁の硬化や進展不良を捉えやすい
  • 進行胃がん:大きな隆起や深い潰瘍を伴うがんの全体像
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:深い潰瘍(ニッシェ)や治癒後の変形
  • 食道裂孔ヘルニア:胃の入り口付近の形状異常
  • 胃粘膜下腫瘍:表面は正常だが盛り上がっている病変

胃潰瘍や胃の変形の全体像

胃潰瘍により粘膜が深くえぐれると、そこにバリウムが溜まり、写真上に「ニッシェ」と呼ばれる突き出し像として映ります。

また、潰瘍が治ってひきつれが起きている場合も、胃全体の変形として容易に確認することができます。

食道から十二指腸までの通過障害

バリウム検査は、飲んだ造影剤が食道を通り、胃を経て十二指腸へ流れる一連の過程を観察します。

そのため、食道がんによる狭窄や、胃の一部が横隔膜の上に飛び出す「食道裂孔ヘルニア」といった通過障害や位置異常の発見に非常に役立ちます。

検査を受ける前に知っておくべき注意点とリスク

バリウム検査には、便秘の悪化や誤嚥といった特有のリスクが存在します。特に高齢の方や持病のある方は、これらのリスクを正しく理解し、場合によっては胃カメラを選択するなど、自分に合った検査方法を選ぶことが大切です。

便秘傾向の人に対する下剤の重要性

バリウムは体内で消化吸収されず、時間が経つと水分が吸収されて石膏のように硬くなります。もし長時間腸内に留まると、強固な便秘を引き起こし、最悪の場合は腸閉塞や消化管穿孔といった命に関わる合併症を招く恐れがあります。

そのため、普段から便秘気味の方は特に警戒が必要です。検査終了後に渡される下剤は、医師の指示通りに必ず服用してください。もし重度の便秘症がある場合は、問診時に申告し、通常より強力な下剤をもらうか、バリウム検査自体を避ける判断も必要です。

放射線被曝の影響と安全性

X線を使用するため、わずかながら放射線被曝を伴います。しかし、健診で使用される線量は数ミリシーベルト程度とごく微量で、健康に悪影響を及ぼすレベルではありません。

自然界で浴びる放射線量と同程度であり、発がんリスクを過度に心配する必要はないとされています。

リスク回避と安全対策

懸念事項対策と判断基準
バリウムの排泄困難下剤を即座に服用し、水を大量に飲む。重度の便秘症の人は事前に相談する。
誤嚥(ごえん)むせやすい人や高齢者は要注意。無理せず胃カメラを選択する。
転倒・怪我撮影台の手すりをしっかり握る。俊敏な動きが難しい場合は相談する。

誤嚥のリスクと高齢者の受診判断

検査では、発泡剤や粘度のあるバリウムを素早く飲み込むことが求められます。加齢により飲み込む力が低下している方や、脳梗塞の後遺症がある方の場合、バリウムが誤って気管や肺に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」のリスクが高まります。

一度肺に入ったバリウムは取り除くことが難しく、重篤な誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。また、撮影台の上で激しく動く必要があるため、足腰が不自由な方も転倒の危険があります。

不安がある場合は無理をせず、鎮静下での胃カメラなど、安全な代替手段を医師と相談してください。

検査精度を高めるための前日からの準備

正確な診断のためには、胃の中を完全に空っぽにしておくことが何よりも重要です。前日の食事内容や水分摂取のルールを厳守することで、見落としや再検査のリスクを減らし、スムーズな検査につなげることができます。

食事制限の理由と具体的な時間

胃の中に食べ物が少しでも残っていると、それがX線画像上で影となり、がんやポリープと見分けがつかなくなってしまいます。これを防ぐため、前日の夕食は午後8時〜9時頃までに済ませることが求められます。

メニューは消化の良いものを選びましょう。素うどん、おかゆ、具のないスープ、白身魚などが理想的です。逆に、脂肪分の多いステーキや揚げ物、キノコや海藻といった繊維質の多い食品は胃に長く残るため、前日の食事としては避けるべきです。

準備のチェックリスト

  • 前日夕食:21時までに消化の良い食事を。脂っこいもの、繊維質は避ける。
  • 当日朝食:絶食。飴、ガム、タバコも胃液が出るため不可。
  • 水分補給:水またはお茶のみ可。検査2時間前からは一切摂取しない。
  • 常用薬:血圧・心臓の薬は早めに少量の水で服用。糖尿病薬は中止が基本。

水分摂取のルールと脱水対策

当日の朝は絶食ですが、脱水を防ぐため、検査の2時間前まではコップ1杯程度の水であれば飲んでも構いません。

しかし、それ以降は原則として絶飲食となります。胃に水が溜まっているとバリウムが薄まり、粘膜にきれいに付着しなくなるためです。

常用薬の服用に関する医師との相談

高血圧や心臓病の薬を服用している方は、当日の朝も少量の水で服用するのが一般的です。その結果、検査中に血圧が安定し、安全に検査を進められます。

一方で、糖尿病の薬は食事を抜いた状態で使用すると低血糖になる危険があるため、当日の朝は中止するケースがほとんどです。

検査後の体調管理とバリウムの排出

検査が終わった後、体内に残ったバリウムを出し切るまでが検査の一環です。下剤を適切なタイミングで服用し、十分な水分を摂ることで、バリウムが固まるのを防ぎ、スムーズな排出を促すことが大切です。

下剤の正しい服用タイミング

検査終了後、すぐに飲むための下剤が渡されます。これをコップ2杯以上の多めの水で、その場ですぐに服用してください。「帰ってから飲もう」と後回しにすると、その間に腸内で水分が吸収され、バリウムが固まり始めてしまうリスクがあります。

普段から便秘がちな方は、通常量の下剤では効かない可能性があります。検査担当者に相談し、予備の下剤をもらっておくことをお勧めします。最初の服用から数時間経っても便意がない場合は、我慢せずに予備の下剤を追加で服用してください。

水分を大量に摂取することの重要性

下剤の効果を高め、バリウムを固まらせないためには、水分の摂取が必要不可欠です。検査当日は、普段より意識して多く、目安として1リットル以上の水をこまめに飲んでください。

検査後のアクションプラン

タイミング実施すべき行動
検査直後渡された下剤をコップ2杯以上の水で即座に服用する。
帰宅後水をこまめに飲み、合計1リットル以上を目指す。アルコールは控える。
排便時便の色を確認する。白から茶色に戻れば完了。しっかり流す。
翌日以降排便がない場合は追加の下剤を飲むか、医療機関へ相談する。

このとき、カフェインを含むコーヒーやアルコールは利尿作用があり、せっかく摂った水分を尿として出してしまうため不向きです。水、麦茶、スポーツドリンクなどを選んで飲むようにしましょう。

便の色と体調変化のチェックポイント

バリウムが混ざった便は白っぽくなります。まずはこの「白い便」が出ることが第一目標です。その後、徐々に灰色になり、最終的に通常の茶色の便に戻れば排出完了です。

もし翌日になっても排便がない、あるいはお腹が張って痛いという場合は、バリウムが詰まっている可能性があります。決して放置せず、速やかに医療機関を受診するか、検査を受けた施設に連絡して指示を仰いでください。

バリウム検査で異常が見つかった場合の対応

「要精密検査」という結果通知は驚くものですが、必ずしも「がん」を意味するわけではありません。冷静に結果を受け止め、確定診断のための胃カメラを受けることで、健康を守るための確実な一歩を踏み出すことができます。

要精密検査という結果の意味

バリウム検査における「要精密検査」は、「画像上で気になる影や形の変化があるため、念のため詳しく調べる必要がある」という状態を指します。

実際には、バリウムの付着ムラや空気の泡、あるいは良性のポリープや軽い胃炎であることも少なくありません。もちろん、がんなどの病変が隠れている可能性もあるため、楽観視して放置することは危険です。

しかし、「要精検=がん」と直結させて過度に恐れる必要はありません。あくまで「白黒はっきりさせるための次のステップ」と捉えてください。

胃カメラによる二次検査の必要性

精密検査が必要となった場合、行うべき検査は「胃カメラ」です。バリウム検査で指摘された異常箇所の正体を突き止めるには、カメラで直接観察し、必要に応じて組織を採取して顕微鏡で調べる(生検)必要があります。

判定区分と対応の目安

判定意味必要な対応
A(異常なし)所見なし心配ありません。翌年も検診を受けましょう。
B・C(経過観察)軽度変化あり直ちに治療は不要ですが、生活習慣に注意し、次回も必ず受診を。
D・E(要精検)要確認病変の疑いあり。必ず消化器内科で胃カメラを受けてください。

この段階での胃カメラは、健康診断ではなく保険診療として扱われます。「胃カメラが嫌でバリウムにしたのに」と思われるかもしれませんが、異常の有無を確定させるためには避けて通れません。

最近は鎮静剤を使った苦痛の少ない検査も普及しています。

早期発見が生存率に与える影響

最も重要なことは、結果を放置せずに精密検査を受けることです。胃がんは早期発見できれば、お腹を切らずに内視鏡で切除でき、完治する確率が非常に高い病気です。

バリウム検査を受け、要精検の結果を受け取り、そして胃カメラを受ける。この一連の流れを完結させることが、あなたの命を守ることにつながります。症状がなくても、結果通知が届いたら早めに消化器内科を受診してください。

よくある質問

バリウムは味が変わったと聞きますが飲みやすいですか?

昔のバリウムは泥のような味がして非常に飲みにくいものでしたが、近年は改良が進んでいます。現在はヨーグルト風味やフルーツ風味など、口当たりを良くした製品が主流で、粘度も下がりサラッとしています。

美味しいと言えるほどではありませんが、以前に比べて格段に飲みやすくなっています。量も少なくなっており、一昔前の「苦行」のようなイメージとは大きく異なっています。

検査中にゲップを我慢するコツはありますか?

ゲップが出そうになったら、あごを引いて唾液をゴクンと飲み込むのが効果的です。また、深呼吸をすると誘発されてしまうため、浅く速い呼吸を意識することも有効です。

どうしても我慢できない時は技師に合図を送ってください。再度発泡剤を追加して飲み直すことで検査を継続できます。我慢しすぎて苦しくなる前に伝えることも大切です。

妊娠中やその可能性がある場合も受けられますか?

受けられません。X線を使用するため、胎児への被曝リスクを避ける必要があります。妊娠中の方、あるいは生理が遅れているなど妊娠の可能性がある方は、必ず事前に申し出てください。

検診自体を見送るか、X線を使わない他の検査方法について医師に相談してください。安全を最優先にするため、このルールは厳格に運用されています。

毎年バリウム検査を受ける必要がありますか?

胃がんは進行が早いタイプもあるため、原則として年1回の受診が推奨されています。特に40歳以上の方はリスクが高まるため、毎年の定期的なチェックが大切です。

自治体の指針によっては2年に1回となっている場合もありますが、ご自身のリスク要因(ピロリ菌感染の有無など)に合わせて医師と相談してください。早期発見のためには継続が鍵となります。

授乳中にバリウム検査を受けても平気ですか?

検査自体は可能ですが、検査後に服用する下剤の成分が母乳に移行する可能性があります。多くの場合は赤ちゃんへの影響は軽微とされていますが、念のため注意が必要です。

下剤服用後24時間程度は授乳を控えてミルクに置き換えるか、事前に医師に授乳中であることを伝え、影響の少ない下剤を処方してもらうなどの対応を検討してください。

Reference

YAMAMICHI, Nobutake, et al. Comparative analysis of upper gastrointestinal endoscopy, double-contrast upper gastrointestinal barium X-ray radiography, and the titer of serum anti-Helicobacter pylori IgG focusing on the diagnosis of atrophic gastritis. Gastric cancer, 2016, 19.2: 670-675.

TAKEUCHI, Chihiro, et al. Gastric polyps diagnosed by double-contrast upper gastrointestinal barium X-ray radiography mostly arise from the Helicobacter pylori-negative stomach with low risk of gastric cancer in Japan. Gastric Cancer, 2017, 20.2: 314-321.

KAWASAKI, Keisuke, et al. Is barium enema examination negligible for the management of colorectal cancer? Comparison with conventional colonoscopy and magnifying colonoscopy. Japanese Journal of Radiology, 2021, 39.12: 1159-1167.

MUKOUBAYASHI, Chizu, et al. Serum pepsinogen and gastric cancer screening. Internal medicine, 2007, 46.6: 261-266.

GOTODA, Takuji, et al. Randomized controlled trial comparing the costs of gastric cancer screening systems between serological risk-based upper gastrointestinal endoscopy and the existing barium photofluorography: gastric cancer screening labeled by serum examination in place of aged gastric cancer organized screening systems (GALAPAGOS study). Gastric Cancer, 2024, 27.1: 36-48.

LEE, Hoo-Yeon, et al. Comparing upper gastrointestinal X-ray and endoscopy for gastric cancer diagnosis in Korea. World journal of gastroenterology: WJG, 2010, 16.2: 245.

OHATA, Hiroshi, et al. Gastric cancer screening of a high‐risk population in Japan using serum pepsinogen and barium digital radiography. Cancer science, 2005, 96.10: 713-720.

DOOLEY, CORNELIUS P., et al. Double-contrast barium meal and upper gastrointestinal endoscopy: a comparative study. Annals of internal medicine, 1984, 101.4: 538-545.

TOGO, Ren, et al. Detection of gastritis by a deep convolutional neural network from double-contrast upper gastrointestinal barium X-ray radiography. Journal of gastroenterology, 2019, 54.4: 321-329.

ICHINOSE, Masao, et al. Screening for gastric cancer in Japan. In: Cancer Screening: A Practical Guide for Physicians. Totowa, NJ: Humana Press, 2001. p. 255-268.

この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医