CEA検査でわかる癌の種類は?大腸がんや肺がんの基準値と数値の見方

CEA検査でわかる癌の種類は?大腸がんや肺がんの基準値と数値の見方

CEA検査は血液中のがん胎児性抗原を測定し、大腸がんや肺がんといった主要な癌の有無や、治療の進捗を推測する有力な指標です。基準値を超えても直ちに癌とは限りませんが、慎重な判断が求められます。

この記事では、検査結果を正しく解釈するための基準値の詳細や、数値が上昇した際の適切な行動方針を専門的な視点で解説します。読者の皆様の不安を解消し、次へのステップを明確に提示いたします。

CEA検査で判明する癌の種類と腫瘍マーカーが果たす役割

CEAは特定の癌細胞から産生されるタンパク質であり、その血中濃度を測ることで、体内の悪性腫瘍の活動性を間接的に把握できます。主に消化器や呼吸器の粘膜から発生する「腺癌」において高い反応性を示します。

消化器系を中心に広範囲な癌を検知する特性

CEA検査がカバーする範囲は非常に広く、大腸がんや胃がん、膵がんといった消化器系から、乳がん等の多岐にわたる部位を捉えます。本来は胎児の腸粘膜で作られる物質ですが、癌化すると成人の体内でも再生産されます。

特に大腸がんとの相関は極めて高く、健康診断や精密検査の項目として頻繁に採用されます。ただし一つの臓器に特化したマーカーではないため、数値の上昇時にはどの臓器に問題があるのか特定する追加検査が必要です。

医師はCEAの数値を単独で見るのではなく、自覚症状や家族歴、他の血液検査の結果と照らし合わせ、総合的な判断を下します。早期発見の入り口や、全身のバロメーターとしてこの広範な反応性は大きな利点です。

CEA検査が主な対象とする代表的な癌の種類

分類代表的な癌種検査の優先度
消化器系大腸がん、胃がん、膵がん非常に高い
呼吸器系肺腺がん高い
その他乳がん、卵巣がん、子宮がん中程度

治療の効果を確認し再発を監視する実用性

CEA検査の真骨頂は、癌と診断された後の治療経過をモニタリングする場面にあります。手術で腫瘍を摘出できた場合、血中濃度は速やかに低下して正常範囲へ落ち着くため、手術の成功度を客観的に評価できます。

抗がん剤や放射線治療の際も数値を継続的に測定することで、その治療が癌細胞に有効か判断できます。数値が順調に下がれば治療継続の自信に繋がり、上昇が見られれば治療法の変更を検討するきっかけになります。

完治後の定期検診においても、CEAは再発を早期に察知するための番人として機能します。症状が現れる数ヶ月前から数値が先行して動くこともあり、この時間的猶予を活用することで迅速な再介入が可能になります。

複数のマーカーと組み合わせることで精度を高める工夫

CEA単独では癌の特定に至らない場合でも、他の腫瘍マーカーと組み合わせることで診断の確度は向上します。例えば大腸がんが疑われる場合はCA19-9を併用し、膵がんの際はDupan-2等をセットで測定します。

肺がんの診療では、腺がんならCEA、扁平上皮がんならCYFRAやSCCというように、癌の型に合わせた使い分けを行います。多角的なデータ解析により、特定の数値の揺らぎに惑わされるリスクを低減可能です。

最新の医療現場では血液データのAI解析も進んでおり、複数の項目の相関からリスクを算出する手法も広まっています。患者様の体質に合わせたオーダーメイドな検査体制を整える上で、CEAは依然として中核です。

大腸がんの早期発見に向けたCEA検査の基準値と異常値の境界線

大腸がん診療におけるCEA基準値は5.0ng/mL以下ですが、この数値は絶対的なものではありません。健康な身体でも微量のCEAは産生されており、数値が1.0から4.0程度なら一般的な正常範囲として扱われます。

ステージ進行に伴う数値の変動と早期発見の難しさ

大腸がんはステージが進むにつれてCEAの陽性率が高くなる傾向があり、StageIVでは8割以上の患者様で数値が上昇します。一方、StageIのような早期段階では陽性率は3割程度であり数値のみでの過信は危険です。

腫瘍がある程度の大きさに成長し、成分を血液中へ漏らし始めて初めて数値として現れます。そのため数値が低い場合でも、便潜血陽性や便通の異常などの症状がある際は、迷わず内視鏡検査を受ける決断が求められます。

数値だけを盲信して精密検査を遅らせることは、早期発見の好機を逃すことに繋がります。CEAは癌の存在を確認する道具である一方、癌がないことを証明するものではないという性質を正しく理解する姿勢が大切です。

術後の数値低下が示す根治への期待と安心感

大腸がんの手術を終えた患者様にとって、術後の採血でCEAが基準値以下に留まることは精神的な安定に寄与します。産生源がなくなれば術後1から3ヶ月で数値は最小値まで低下し、その維持が根治への確信となります。

定期的な検査結果が安定している間は、画像診断で大きな異常が出るリスクも低いと予測でき、過度な不安に怯えず生活できます。数値は嘘をつかない客観データとして、医師との信頼関係を支える架け橋となります。

経過観察中に数値が上がり始めても、早期に気づけば小さな再発巣の段階で再切除や局所治療を検討できます。常に数値をコントロール下に置いているという感覚が、癌という難病に対峙する上での強力な武器となります。

高値が持続する際に疑われる肝転移の可能性

大腸がんは肝臓へ転移しやすい性質があり、転移が定着するとCEAの値は100ng/mLを超える高値を示すことがあります。肝臓が血液のフィルター役を担うため、癌細胞からのCEAが濃縮されやすい状況にあるからです。

急激な上昇や数百単位での高値継続が見られる場合は、原発巣の周囲だけでなく、肝臓や肺への広がりを第一に疑います。この変化にいち早く対応し、CTやMRIによる全身検索を行うことで迅速な方針転換が可能です。

肝転移は現代では数値の推移を監視しつつ、手術や抗がん剤を組み合わせることで長期生存を目指せる時代です。CEAの変動を一つの警報として前向きに捉え、迅速な精密検査へ繋げることが最善の結果を導く鍵です。

大腸がんのステージ別CEA陽性率の推移

病期(ステージ)CEA陽性率の目安数値上昇の意味合い
StageI約20〜30%微量な分泌による早期の予兆
StageII-III約40〜60%腫瘍の成長と浸潤の進行
StageIV80%以上遠隔転移や全身への広がり

肺がん治療の効果判定に役立つCEA検査数値の正しい読み解き方

肺がん治療において、CEA検査は成否を精緻に判断するために不可欠です。特に肺腺がんにおいては数値の動きが非常にダイレクトであり、画像診断を補完する強力なデータとして多くの医療現場で重宝されています。

肺腺がんとCEA値の密接な相関関係

肺がんの組織型の中で、CEAが最も顕著に反応するのは肺腺がんです。このタイプは肺の奥の方に発生しやすく、癌細胞がCEAを大量に生成する性質を持つため、血液検査での陽性率が非常に高いのが特徴と言えます。

最近では喫煙しない方にも肺腺がんが増加していますが、自覚症状が少ない早期段階でもCEA上昇がきっかけで見つかるケースがあります。数値の変動を注意深く追うことは、気付きにくい肺の異変を可視化する手段です。

肺腺がんの診断後は、CEA基準値との乖離によって癌の勢いや広がりを予測します。数値が高いほど癌細胞の増殖エネルギーが強いと推測されるため、より積極的な治療介入を検討する際の医学的な根拠となります。

分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の効果予測

特定の遺伝子変異を狙う分子標的薬などの治療効果を追跡する際、CEA検査は鋭敏なセンサーとして機能します。新しい薬を使い始めて数週間でCEAが劇的に下がれば、それは薬が有効に働いている確かな証拠です。

画像上の腫瘍縮小には時間がかかることが多い中、血液データの変化は先行して現れます。治療が正しい方向に進んでいるという安心感を早期に提供してくれる点は、闘病を続ける上で大きなモチベーションとなります。

逆に下がっていた数値が再び上昇傾向に転じた場合は、癌細胞が薬への耐性を獲得した可能性を疑うサインです。この予兆を早期に掴むことで、耐性が定着する前に次の薬へ切り替える先手の治療戦略を組み立てられます。

胸水の貯留や転移のサインとしての数値変化

肺がんが進行して胸膜まで及ぶと、胸水が溜まり息苦しさを感じるようになります。この際、抜いた胸水自体のCEA濃度を測ることで、その水が癌によるものか、単なる炎症によるものかを正確に判別することが可能です。

また、肺がんが脳や骨に転移を起こし始めた際も、CEAの数値が急激に跳ね上がることがあります。咳などの呼吸器症状だけでなく、腰痛や頭痛といった部位の異変に対しても、CEAのデータが原因推測のヒントになります。

全身を巡る血液を対象とするCEAは、肺に留まらない全身病としての癌を捉える羅針盤です。定期的な数値の把握が合併症の予防や転移への迅速な対処を可能にし、生活の質(QOL)を高く保つことに大きく寄与します。

肺がん治療におけるCEA活用のタイミング

  • 診断時:がんの悪性度や全身への広がりの程度を予測する
  • 治療開始後:薬の有効性を早期に確認し、継続の是非を判断する
  • 経過観察中:画像では捉えきれない微小な再発をいち早く察知する

胃がんや乳がんなど多岐にわたる疾患でのCEA検査の活用方法

CEAの適用範囲は広く、消化器や呼吸器を超えて胃がんや乳がんの診療においても欠かせません。一つの検査で多様な情報を得られる利便性は、多忙な現代人の健康を守る上で大きな優位性を持っていると言えます。

胃がんにおける切除可能性と術後管理の指標

胃がんにおいてCEAの数値は、手術で取り切れるかどうかの切除可能性を判断する一助となります。術前に極めて高い値を示す場合、リンパ節への深い浸潤が懸念されるため、より慎重な手術計画が検討されます。

手術後の管理においても、胃カメラでは見えないお腹全体の異変を監視するためにCEAが利用されます。胃がんは再発時の症状が出にくいため、採血でのチェックが再発を小さな段階で食い止める重要な関門となります。

最近はピロリ菌除菌後の胃がんも注目されていますが、こうしたケースでもCEAは有効です。定期的な血液検査で身体の内部環境を確認し続けることが、長期的な安全を担保するための賢明な選択肢であると言えます。

乳がんの再発検知と骨転移への警戒

乳がんの経過観察におけるCEAは、肺や肝臓への遠隔転移を早期に捉える指標です。乳房自体の再発は視診や画像診断が主役ですが、全身のコンディションを把握するためには血液検査によるCEA監視が非常に有効です。

特に乳がんが骨へ転移した場合、数値がじわじわと上昇し始めることがあります。骨の痛みは加齢によるものと混同されやすいため、数値の変化が原因特定に役立ち、早期発見により骨折予防の治療を並行して行えます。

乳がんは手術後10年という長期の経過観察が必要な疾患です。その中で数値が異常なしを示し続けることは、患者様が社会復帰を果たし、自分らしい生活を送り続けるための精神的なバックボーンとなります。

膵がんや胆道がんにおける難治性疾患への対応

早期発見が困難な膵がんや胆道がんでも、CEAは補助的な診断ツールとして機能します。これらの癌は周囲を巻き込み進行するため、他のマーカーと組み合わせることで微かな予兆を捉えることが発見率向上に繋がります。

糖尿病の急激な悪化とともにCEAが上昇している場合は、膵臓の異変を疑い精密な超音波内視鏡検査へ繋げる判断材料となります。難治性の癌だからこそ一つの手がかりも見逃さない姿勢が、厳しい局面の打開に必要です。

胆道がんにおいても、黄疸などの症状が出る前に異変に気づけるかが予後を左右します。定期的な採血の習慣を身につけることが、沈黙の臓器と呼ばれる膵臓や胆道の声を聴くための数少ない有効な手段となっています。

胃がん・乳がん診療での併用マーカー例

対象疾患CEAと併用されるマーカー期待される相乗効果
胃がんCA125/CA19-9腹膜播種や肝転移の早期検知
乳がんCA15-3/NCC-ST-439遠隔転移や治療効果の精緻な評価
膵・胆道がんCA19-9/Dupan-2診断困難な病変の発見率向上

CEA検査数値が上昇する癌以外の原因と生活習慣の影響

CEAの数値が基準値を超えても、必ずしも癌が存在するわけではありません。私たちの身体は日々、外部刺激や生理的な変化にさらされており、そうした癌ではない要因によって数値が一時的に変動することがよくあります。

習慣的な喫煙が引き起こす数値の底上げ現象

タバコの影響はCEAを語る上で無視できない要素です。喫煙者は非喫煙者に比べて数値が高く出る傾向があり、タバコの煙に含まれる化学物質が呼吸器の粘膜を刺激してCEAに似た物質を産生させるためと考えられます。

実際にヘビースモーカーの方は、癌がなくても5.0から10.0ng/mL程度の数値を示すことがあります。医師は検査結果の判断に喫煙歴を考慮するため、数値の上昇を健康習慣の見直しのサインとして捉えることが大切です。

喫煙者の癌リスク自体が高い事実は変わりませんので、タバコのせいと決めつけるのは危険です。まずは精密検査で癌の有無を確認し、原因が喫煙にあると判明したならば、それを機に本格的な禁煙に取り組みましょう。

加齢に伴う自然な数値の上昇と個人差

人間の身体は年齢とともに、細胞の再生プロセスに変化が生じます。生理的な変化として高齢になるほどCEA値が基準値の境界付近まで上昇しやすくなる個人差が存在し、若い頃より数値が高めで安定する場合もあります。

これは病気というよりも身体の経年変化に近い現象です。一回の絶対値に一喜一憂せず、自分自身のこれまでの経緯と比較しましょう。昨年の自分の数値と比較して大きな変動がないなら、過度に心配する必要は低いです。

健康診断で軽度上昇と出ても、それが年齢相応の変化であれば冷静に見守る余裕を持ちましょう。医師との対話を通じて、自分の年齢や体質における自分専用の基準値を知ることが、賢明な健康管理の第一歩となります。

炎症性疾患や良性の腫瘍による一時的な変動

癌以外の良性疾患でもCEAは反応します。代表的なものには肝炎、糖尿病、慢性気管支炎などが挙げられます。これらの疾患は粘膜や組織の炎症を伴うため、その修復過程でCEAが血液中に漏れ出しやすくなるのです。

特に糖尿病の方は、血糖コントロールが不安定な時期に数値が微増することがあります。また胆石症などの病気でも数値が上がりますが、原因となる炎症が治まれば正常化します。一時的な上昇に驚かず持病を確認しましょう。

CEAは身体の火事を知らせる報知器のようなものです。火元が癌という大きな火事のこともあれば、良性疾患というボヤのこともあります。報知器が鳴ったときは慌てず、専門医とともに火元を丁寧に探る姿勢が求められます。

CEA値の上昇に関与する非癌性の原因一覧

  • 喫煙習慣(長期間の喫煙による粘膜刺激)
  • 肝機能障害(肝炎、肝硬変、脂肪肝などの慢性的影響)
  • 呼吸器疾患(慢性気管支炎や肺気腫、肺線維症など)
  • 消化管疾患(潰瘍性大腸炎や胃潰瘍、胆石症など)
  • 内分泌疾患(糖尿病における代謝の乱れと細胞変化)

再発や転移を早期に察知するためのCEA検査の継続的な重要ポイント

癌治療後の生活において、CEA検査は見えない不安を数字で管理するための強力なサポーターとなります。定期的な採血は単なるルーチンではなく、自由な生活を守るセーフティネットとして機能する生命線です。

微増を繰り返す「トレンド」に注目する観察眼

再発の予兆を捉える上で最も注意すべきは、基準値内であっても数値が右肩上がりになっていないかという点です。例えば2.0から3.0へと連続して上昇している場合、癌細胞が活動を再開しているサインかもしれません。

この推移(トレンド)を読み解くことが、画像検査で写るよりも早い段階で再発を見つける鍵となります。早期に気づければ治療の選択肢は格段に広がり、再治療の成功率も高まるため、経時的な比較が何より大切です。

検査結果が戻った際は、前回の数値と並べて比較する習慣を持ちましょう。もし微増が続いている場合は、自分から医師に気になる旨を伝えることが、精密な画像診断を適切なタイミングで受けるきっかけになります。

全身に散らばる「見えない癌細胞」の気配を察知する

手術後の身体には、目に見えないレベルの癌細胞が血流に乗って漂っている可能性があります。これらがどこかの臓器に根を下ろし増殖を始めると、CEAが先行して反応します。これは画像診断前の気配を知らせる情報です。

肺がんが骨に転移したり、大腸がんが肝臓に忍び寄る際、まだ痛みなどの症状は出ていません。しかし血液はその変化を正直に映し出します。CEAの継続は、体内の微細な変化をリアルタイムで受信する体制そのものです。

見えない敵の動きを可視化できる安心感こそ、癌を経験した方が前向きに社会復帰する上での心の支えになります。検査を怖いものと避けるのではなく、自分の味方として積極的に活用する意識が健康維持には欠かせません。

精神的な不安を和らげる客観的な指標としての役割

癌治療後の生活では、少しの体調不良でも再発への不安が頭をよぎるものです。そんな漠然とした恐怖に対し、CEAが基準値内で安定しているという客観事実は、何物にも代えがたい安心の特効薬となってくれます。

主観的な不安は数字というデータによって打ち消すことができます。検査で身体の良好な状態を確認し医師から太鼓判を押されることで、自信を持って趣味や仕事を楽しむことができます。血液検査は平穏を取り戻す儀式です。

万が一数値に変化があっても、それは早期に対応できるチャンスを得たということでもあります。どのような結果でもデータに基づき迅速に行動できる体制があること自体が安心材料です。自分らしく生きるために活用しましょう。

術後経過観察における検査スケジュールの最適化

経過期間検査頻度モニタリングの主眼
術後1年以内1〜2ヶ月ごと局所再発の完全な芽摘み
2年目〜3年目3ヶ月ごと遠隔転移の早期発見と対処
4年目以降6ヶ月ごと長期寛解の確認と健康維持

精密検査へ進むべきCEA検査結果の具体的な判断基準

検査の結果を受け取った際、どのような状況であれば精密検査に進むべきか、その具体的なガイドラインを知ることは重要です。医師の勧めに従いつつ自分でも根拠を理解することが、納得感のある医療体験に繋がります。

数値が10.0ng/mLを超えた際の緊急性の考え方

もし結果が10.0ng/mLを超えていた場合は、医学的に癌の存在が強く疑われるレベルと見なされます。この段階では喫煙などの影響だけでは説明がつかないことが多いため、全身の状態をくまなく調べる必要があります。

自覚症状がなくても、この数値は身体からの深刻なメッセージである可能性が高いと判断します。大腸内視鏡やCT、PET-CTなど、癌の産生源を特定するための精密検査を最優先でスケジュールすることになるでしょう。

ただし10.0を超えたからといって手遅れを意味するわけではありません。あくまで見つけるべきものが判明する可能性が高まった段階です。論理的な手順で原因を特定し早期の治療介入に繋げることが最善の道となります。

1ヶ月後の再検査による「一時的な変動」の除外

数値が6.0のように基準値をわずかに超えた程度なら、医師は1ヶ月後の再検査を提案することがあります。これは体内の炎症や測定上の誤差、あるいは一時的な上昇の可能性を考慮しているためで、合理的なプロセスです。

再検査で数値が下がっていれば一時的な反応と判断でき、不必要な身体的負担を伴う精密検査を避けることができます。逆に再検査でも数値が維持、あるいは上昇している場合は精密検査へ進むべき強固な根拠となります。

この待機期間中は不安でしょうが、栄養を摂り規則正しい生活を送ることでコンディションを整えることに注力しましょう。それが結果として、その後のどのような展開にも柔軟に対応できる心身の準備に繋がるはずです。

画像診断と組み合わせた確定診断への道筋

腫瘍マーカーはあくまで報知器であり、実際にどこで火事が起きているか特定するのは画像診断の役割です。CEAで異常が検知された後のメインは内視鏡による確認やCTによるスキャンとなり、これらで確定診断が下されます。

最新医療では複数の画像データを重ね合わせる技術も進化しており、CEAが指し示す気配を逃さず捉えることが可能です。血液検査の結果を起点として高度な診断技術を駆使する流れががん検診のスタンダードと言えます。

最終的に癌が見つかったとしても、それはCEAという優れたツールが警告を発してくれたからこそ得られたチャンスです。結果を真摯に受け止め、専門医とともに科学的根拠に基づいた一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。

精密検査へ移行すべき具体的なサイン

  • 絶対値の異常:基準値の2倍である10.0ng/mLを上回ったとき
  • 推移の異常:基準値内でも3回連続で上昇傾向が見られたとき
  • 複合的な異常:CEAと他の腫瘍マーカーが同時に基準値を超えたとき
  • 身体症状の伴走:数値上昇とともに、急な体重減少などがあるとき

よくある質問

CEA検査でわかる癌の種類は?大腸がんや肺がんの基準値と数値の見方の意義は何ですか?

この検査の意義は、大腸がんや肺がん等の癌の活動性を血液から数値で捉え、治療の道標とすることにあります。基準値超えで医師は異変を察知し、精密検査や治療計画を立てるための客観적根拠として活用します。

手術後の経過観察でも数値の変化を追うことで、画像には写らない微小な再発予兆を捉えられます。自分の病状を数字で把握できる安心材料としての役割も大きく、長期的な健康管理に欠かせない有力なツールです。

CEA検査でわかる癌の種類は?大腸がんや肺がんの基準値と数値の見方において、良性疾患でも数値が上がるのはなぜですか?

CEAは本来、細胞の再生や炎症に関わる部位でも生成されるため、肝炎や糖尿病などの良性疾患でも数値が上昇します。癌特有の物質ではないため、修復過程で血液に漏れ出し偽陽性が起こる場合があるのです。

このようなケースでは、基礎疾患の治療や炎症の鎮静化とともに数値が改善していくのが特徴的です。医師は持病や体調を考慮し数値を評価するため、一過性の上昇なら過度に心配せず状態を整えることが優先です。

CEA検査でわかる癌の種類は?大腸がんや肺がんの基準値と数値の見方の結果が、喫煙習慣で変わることはありますか?

喫煙習慣は数値に顕著に影響し、非喫煙者より高値が出る傾向があります。タバコの煙が呼吸器の粘膜を刺激しCEA産生を促すため、癌がなくても基準値の5.0を超えることが頻繁にあり解釈に注意が必要です。

検査結果を正しく解釈するためには、日頃の喫煙本数等の情報を医師と共有することが大切です。タバコが原因なら禁煙継続で数値が下がることもあるため、健康的な生活へ舵を切るきっかけにしてください。

CEA検査でわかる癌の種類は?大腸がんや肺がんの基準値と数値の見方の数値が上がった場合、最初に行うべきことは何ですか?

まずは数値を冷静に受け止め、専門医による解説を受けることが何より重要です。数値上昇には多様な理由があるため、自己判断で不安を募らせず、医師が提案する再検査や精密検査のスケジュールに従いましょう。

具体的には再採血で推移を確認したり、内視鏡やCTを組み合わせて火元を特定する作業を丁寧に進めます。迅速かつ論理的な行動が、万が一の際にも最良の治療を早期に受けるための唯一確実なステップとなります。

Reference

GRUNNET, M.; SORENSEN, J. B. Carcinoembryonic antigen (CEA) as tumor marker in lung cancer. Lung cancer, 2012, 76.2: 138-143.

OKAMURA, Kyoko, et al. Diagnostic value of CEA and CYFRA 21-1 tumor markers in primary lung cancer. Lung cancer, 2013, 80.1: 45-49.

CHEN, Zhong-qing; HUANG, Ling-sha; ZHU, Bo. Assessment of seven clinical tumor markers in diagnosis of non‐small‐cell lung cancer. Disease Markers, 2018, 2018.1: 9845123.

LI, Yang, et al. Clinical significance of circulating tumor cells and tumor markers in the diagnosis of lung cancer. Cancer medicine, 2019, 8.8: 3782-3792.

GHOSH, Indranath, et al. Diagnostic role of tumour markers CEA, CA15-3, CA19-9 and CA125 in lung cancer. Indian Journal of Clinical Biochemistry, 2013, 28.1: 24-29.

YAMASHITA, Keishi; WATANABE, Masahiko. Clinical significance of tumor markers and an emerging perspective on colorectal cancer. Cancer science, 2009, 100.2: 195-199.

LUO, Hai, et al. Clinical significance and diagnostic value of serum NSE, CEA, CA19-9, CA125 and CA242 levels in colorectal cancer. Oncology letters, 2020, 20.1: 742-750.

MOLINA, R., et al. Tumor markers (CEA, CA 125, CYFRA 21-1, SCC and NSE) in patients with non-small cell lung cancer as an aid in histological diagnosis and prognosis: comparison with the main clinical and pathological prognostic factors. Tumor biology, 2003, 24.4: 209-218.

WU, Heming, et al. The Serum Tumor Markers in Combination for Clinical Diagnosis of Lung Cancer. Clinical laboratory, 2020, 66.3.

CEDRÉS, Susana, et al. Serum tumor markers CEA, CYFRA21-1, and CA-125 are associated with worse prognosis in advanced non–small-cell lung cancer (NSCLC). Clinical lung cancer, 2011, 12.3: 172-179.

この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医