マンモグラフィを受ける時期はいつがよい?生理前後の痛みの違いと注意点を解説

マンモグラフィを受ける時期はいつがよい?生理前後の痛みの違いと注意点を解説

乳がん検診におけるマンモグラフィ検査は、生理開始から1週間から10日後、乳腺の張りが落ち着いた時期に受診するのが最も理想的です。

生理前はホルモンバランスの変化で胸が非常にデリケートな状態になり、検査時の圧迫による痛みが増すだけでなく、画像診断の精度にも影響を及ぼす場合があります。

この記事では、痛みを最小限に抑えるためのスケジュールの立て方や、当日の具体的な注意点、さらに年代別の検診の考え方を詳しく丁寧にお伝えします。安心して検査に臨める知識を身につけましょう。

乳がん検診をスムーズに進めるための最適な受診タイミングを把握してください

マンモグラフィを受ける際に最も配慮すべきなのは、生理周期に伴う乳腺の変化です。最も痛みが少なく、かつ鮮明な画像が撮影できる時期は、生理が始まってから1週間から10日ほど経過したタイミングだと考えてください。

この時期は女性ホルモンの分泌が安定に向かい、乳房の浮腫(むくみ)が解消されるため、受診者にとっての不快感が大幅に軽減されます。反対に、生理の直前などは乳腺が活動的すぎて痛みを強く感じやすいため、特別な事情がない限りは避けるのが賢明です。

ホルモンの影響で変化する乳腺の状態を把握して不快感を回避しましょう

女性の体は、排卵後に分泌が増えるプロゲステロンというホルモンによって、生理前にかけて乳腺が大きく発達します。この期間は乳腺組織に血液や水分が溜まり、胸全体がズキズキと痛んだり、重たく感じたりする時期です。

乳腺がパンパンに張った状態でマンモグラフィの強力な圧迫を受けると、普段は何ともないような刺激でも耐えがたい激痛に変わってしまうことがあります。そのため、自分の周期をしっかり管理し、胸の不快感がピークに達する時期を外して予約を入れる工夫が大切です。

月経周期に応じた乳房の変化と検査のしやすさ

時期乳房の状態検査の適性
生理前1週間最も張りが強く敏感適していない
生理中(前半)徐々に張りが引く可能
生理後1週間最も柔らかく安定非常に適している

生理開始から10日後までの期間を狙って予約を確保してください

生理が始まって数日が経つと、役目を終えた乳腺組織は急速にしぼんでいき、乳房全体が柔らかくなります。マンモグラフィは乳房をできるだけ薄く引き伸ばして撮影する検査ですので、この「柔らかさ」が非常に重要です。

乳房が柔らかい時期なら、弱い力でも十分に組織を広げることができ、撮影の効率が格段に高まります。その結果として、無駄な撮り直しを防ぐことができ、放射線への被ばく量も最小限に抑えられます。スケジュール帳を確認し、生理が終わる直後の週を狙って検診日を調整してください。

コンディションが整った時期に受けることで診断の精度がより確実になります

乳腺がむくんでいる時期に撮影を行うと、画像全体が白っぽく写ってしまい、小さな病変を見逃す原因になる恐れがあります。白く濃い乳腺の中に同じく白く写る癌の兆候が隠れてしまうと、医師も正確な判断を下しにくくなってしまいます。

一方で、生理後のすっきりとした状態で撮影を行えば、乳腺と脂肪のコントラストがはっきりし、異常を早期に発見できる確率が高まります。

痛みの軽減だけでなく、自分自身の命を守る検査の質を高めるためにも、受診する時期選びにはこだわってほしいと考えています。

生理前後の乳房の状態によってマンモグラフィの痛みが変わる理由を解説します

生理前の乳房は、わずかな刺激に対しても過敏に反応する仕組みになっています。一方で生理後の乳房は、組織がリラックスしており、圧迫による不快感はあっても「鋭い痛み」にはなりにくいという明確な違いがあります。

こうした身体の変化を理解しておくことで、検査当日の心の準備を整えやすくなります。自分の今の状態が「痛みを感じやすい時期なのか」を客観的に判断し、必要であれば検査技師にその旨を伝えて配慮を求めることも可能です。

排卵期以降に乳腺が敏感になる身体の仕組みを理解しておきましょう

排卵を終えた身体は、受精卵を迎え入れる準備として乳腺を急速に発達させます。これは将来の授乳に備える本能的な反応ですが、乳腺が密集することで神経が圧迫され、胸を触るだけでも痛いと感じる「乳腺痛」を引き起こします。

この状態でマンモグラフィの圧迫板に挟まれると、痛みは通常の数倍にも膨れ上がります。痛みが激しいと、どうしても体が逃げてしまい、正しい姿勢で撮影ができなくなることもあります。こうしたトラブルを避けるためにも、排卵期を過ぎた後の受診はできるだけ控えましょう。

痛みを感じやすい部位と軽減するためのヒント

  • 乳房の外側上部は乳腺が多いため、特に優しく圧迫してもらう
  • 脇の下からしっかり乳腺を引き出す際に深呼吸を心がける
  • 痛みへの恐怖心で体が硬直しないよう、肩の力を抜く

生理の終了とともに乳房がリラックスして圧迫が楽に感じられます

出血が始まるとホルモンの波が引き、乳腺の活動は一気に沈静化します。生理が始まって3日から5日ほど経てば、多くの人が「胸の張りが消えた」と実感できるはずです。この安堵感が、検査のしやすさに直結します。

乳房の緊張が解けていれば、圧迫板で挟まれても「ぎゅーっと押されているな」という圧迫感程度で済む場合がほとんどです。

痛みへの過剰な不安を感じることなく、穏やかな気持ちで検査室に入ることができるでしょう。こうした安心感を持つことが、毎年の検診を苦痛なく継続していく秘訣といえます。

更年期や閉経後の女性が意識すべき受診日の選び方をお伝えします

閉経を迎えた後は生理周期による大きな変化がなくなるため、いつ受診しても安定した結果が得られやすくなります。

しかし、更年期障害の治療でホルモン補充療法を受けている方は、閉経後であっても乳腺が張りやすくなることがあります。そうした特別な状況にある方は、主治医と相談して乳腺の状態を把握しておきましょう。

特に治療を行っていない場合は、誕生月などの決まった時期に予約を入れるのがおすすめです。定期的な受診を習慣にすることで、自分でも気づかないような微細な変化を専門医にチェックしてもらえます。

マンモグラフィの痛みや不快感を最小限に抑えるための事前準備を始めましょう

当日の痛みを軽減するためには、検査室に入る前のちょっとした工夫が大きな効果を発揮します。服装の選び方から肌の手入れまで、受診者が自分で行える準備を丁寧に行うことで、検査のストレスは確実に少なくなります。

検査当日は何かと緊張しがちですが、スムーズな着替えや身支度ができるだけで、心に余裕が生まれます。その余裕が上半身の脱力を助け、結果的に痛みの緩和につながります。

ここでは、ベテランの検査技師も推奨する「スマートな受診準備」について詳しく解説します。

上半身をすぐに脱げる機能的な服装を選んでリラックスしてください

マンモグラフィは上半身をすべて露出して行う検査ですので、脱ぎ着が簡単な「上下セパレート」の服装で行くのが正解です。ワンピースのように全身を脱がなければならない服は、着替えに時間がかかり、焦りが緊張を生んでしまいます。

また、検査前後にガウンを羽織ることが多いですが、フロントボタンのシャツや、ゆったりとしたTシャツであれば、すぐに着脱できて負担がありません。

また、検査室の室温設定によっては冷えを感じることもあるため、すぐに羽織れるストールなどを準備しておくと、寒さによる体のこわばりを防ぐことが可能です。

正確な画像診断を妨げないために当日の制汗剤やラメは控えてください

マンモグラフィの画像は非常に精細なため、肌に塗った制汗剤やボディーパウダーの成分が「石灰化」のように写ってしまうことがあります。これが原因で「異常あり」と判定され、不必要な精密検査を受けなければならなくなるのは避けたい事態です。

当日の朝は、脇の下や乳房周りにデオドラントスプレー、クリーム、ラメ入りのローションなどは絶対に使用しないでください。

もし使ってしまった場合は、検査室に入る前にパウダールームなどで念入りに拭き取っておきましょう。清潔で何もない肌の状態で検査を受けることが、最も正確な結果を得るための最短ルートです。

受診当日に避けるべき肌のケア用品

種類注意すべき理由対処法
スプレー式制汗剤微粒子のアルミニウムが写り込む当日は使用しない
パウダー・ラメ石灰化との区別がつかなくなるよく拭き取る
日焼け止め成分により画像に影が出る乳房周辺は避ける

検査技師に自分の状態を伝えて安心できるサポートを受けましょう

検査を担当する技師は、受診者の表情や反応を見ながら慎重に作業を進めてくれますが、言葉で伝えることが最も確実な対策になります。「今日は少し張りが強い」「以前とても痛かった」と一言添えるだけで、技師の対応はより丁寧なものに変わります。

マンモグラフィは共同作業です。あなたが痛みを我慢しすぎて身をよじってしまうと、かえって時間がかかり、苦痛が長引いてしまいます。限界を感じる前に「ここまでにしてください」と声をかけ、お互いに納得した状態で撮影を行うようにしましょう。こうした双方向のやり取りが、安心できる検査環境を作り上げます。

乳がん検診を確実に進めるために知っておきたい身体の条件と注意点

すべての方がすぐにマンモグラフィを受けられるわけではなく、中には時期を遅らせたり、別の検査方法を選択したりすべきケースも存在します。自分の今の身体の状態を正しく把握しておくことは、事故やトラブルを未然に防ぐために必要です。

当日になって「今日は受けられません」と言われてしまうと、せっかく調整したスケジュールが無駄になってしまいます。

妊娠の可能性や持病、過去の手術歴など、事前に確認しておくべき項目を整理しました。これらを念頭に置いて、自分にとって最も安全な検診方法を選び抜いてください。

妊娠中や授乳中の方は放射線や乳腺の状態を考慮して時期をずらしましょう

お腹に新しい命が宿っている可能性がある場合、マンモグラフィのような放射線検査は原則として行いません。胎児への影響を最小限にするため、たとえ微量であってもリスクは避けるのが医療の基本です。

もし妊娠の可能性がある場合は、迷わず受付や技師に申し出てください。また、授乳中の方も、マンモグラフィの画像が真っ白に写ってしまうため、正しい診断が難しくなります。さらに、授乳中の乳腺は非常にデリケートで、圧迫によって乳管を傷める危険もあります。

こうした時期にしこりなどの不安がある場合は、マンモグラフィではなく超音波(エコー)検査を優先し、断乳してから一定期間をおいて再開するのが一般的です。

ペースメーカーの装着や豊胸手術を受けている場合の対応を案内します

心臓ペースメーカーや除細動器を入れている方は、マンモグラフィの強力な圧迫によって機械が故障したり、リード線がずれたりする恐れがあります。そのため、多くの施設では安全を優先して検査を断るか、細心の注意を払った特別な方法での撮影となります。

豊胸手術を受けた方も、シリコンバッグの破損を防ぐために通常の圧迫は行えません。こうした事情がある方は、予約の時点で必ずその旨を伝え、対応可能な施設であるかを確認してください。

自分の健康を守るための検査で、別の健康被害を出してしまっては本末転倒ですので、正しい自己申告を怠らないようにしましょう。

マンモグラフィ以外の選択肢を検討すべき人

  • 妊娠中またはその可能性がある方
  • 現在、授乳を行っている期間中の方
  • ペースメーカーやICDを装着している方
  • シリコンバックによる豊胸手術を受けた方

過去の検査画像がある場合は必ず持参して比較診断に役立ててください

乳がん検診の精度を劇的に向上させる方法の一つに「比較読影」があります。以前に受けたマンモグラフィの画像と今の画像を並べて比べることで、医師は「新しくできた変化」を逃さず捉えることができます。

どんなに腕の良い医師でも、一回の画像だけでは判断に迷うことがあるため、過去のデータは大きな助けになります。もし以前に別の病院で検査を受けたことがあるなら、その時のデータを借りられないか確認してみましょう。

特に異常なしと言われていたとしても、その「正常な状態」が記録されていることに価値があります。過去の自分と比較することで、異常の兆候をより早い段階で見つけ出し、早期治療につなげられる可能性が格段に高まります。

自分の乳腺のタイプに合わせて適切な検査方法を組み合わせてください

マンモグラフィは万能な検査ではありません。特に日本人に多い「高濃度乳腺(デンスブレスト)」の方は、マンモグラフィだけでは病変が見つかりにくいという特性があります。そのため、自分の乳腺の性質を理解し、他の検査方法とうまく組み合わせることが重要です。

現在は技術の進歩により、従来の撮影よりもさらに詳しい情報が得られる新しい検査機器も登場しています。自分の年齢や乳腺の密度、さらに家族歴などを総合的に判断して、最も安心できる「オーダーメイドの検診プラン」を立てていく姿勢を大切にしましょう。

高精度な3Dマンモグラフィと従来の2D検査の違いを理解しましょう

一般的な2Dマンモグラフィは乳房を上下から平面で写しますが、3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)は、角度を変えて何枚もの断面を撮影します。これにより、乳腺が密集して重なり合っている部分でも、薄くスライスした画像で中身を確認できるようになります。

その結果として、これまでは乳腺の影に隠れて見えなかった小さなしこりを見つけやすくなるメリットがあります。検査に伴う圧迫の痛みは従来の2Dとほぼ変わりませんが、得られる情報量は格段に増えます。

より高い精度を求めるのであれば、3Dマンモグラフィを導入している施設を選んで受診することをおすすめします。

超音波検査を併用することでしこりの発見率が飛躍的に高まります

マンモグラフィは「石灰化」の発見に強い一方で、超音波(エコー)検査は「しこり」を見つけ出すのが非常に得意です。マンモグラフィでは白く写る乳腺の中に、同じく白く写るしこりがあると判別がつきにくいことがありますが、エコーならしこりを黒い影として鮮明に捉えることができます。

特に乳腺が発達している40代までの女性や、デンスブレストと診断された方は、マンモグラフィとエコーを両方受ける「併用」が理想的です。

一方の検査だけでは見逃されてしまう可能性を、もう一方の検査で補完し合うことで、検診の質を最大限に引き上げることができます。自分の乳腺のタイプを医師に尋ね、最適な組み合わせを提案してもらいましょう。

主な乳房検査の得意分野と注意点

検査名得意なこと注意点
マンモグラフィ微細な石灰化の発見高濃度乳腺ではしこりが隠れる
超音波(エコー)しこりの性質の判別石灰化の発見は苦手
乳房MRI癌の広がりを詳細に把握費用が高く時間がかかる

自分の年齢やリスクに応じて検診頻度を柔軟に調整してください

自治体が行う乳がん検診は通常2年に一度とされていますが、これはあくまで最低限の基準です。家族に乳がんを患った方がいる場合や、前回の検査で良性の所見があった場合は、1年に一度のペースで受診するのがより安全です。

自分のリスクがどの程度なのかを正しく認識し、受け身ではなく主体的にスケジュールを管理しましょう。

また、検診の間隔が空いている間にしこりを見つける「中間期乳がん」への対策として、月に一度の自己検診(セルフチェック)を組み合わせることも大切です。

医師による高度な検査と、自分自身による日常のチェック。この両輪が揃うことで、万が一の事態にも迅速に対応できる盤石な体制が整います。

検査の結果が届いた後に取るべき正しい行動と心の持ち方を伝えます

検診の結果通知を受け取るときは、誰でも緊張するものです。しかし、書いてある内容の意味を正しく理解し、冷静に対応すれば、決して怖いことはありません。たとえ精密検査が必要と判定されたとしても、それは「直ちに癌である」という診断ではなく、「念のためもっと詳しく調べよう」という段階に過ぎません。

結果を受け取ってからの行動が、その後の未来を大きく左右します。不安を一人で抱え込まず、信頼できる医療機関と連携して次のステップへ進むことが大切です。

ここでは、結果の見方や、再検査と言われた際のアドバイス、そしてかかりつけ医を持つことのメリットについて詳しくお話しします。

カテゴリー判定の意味を理解して適切なフォローアップを受けてください

マンモグラフィの結果は、通常カテゴリー1から5の数字でランク付けされます。カテゴリー1は「異常なし」、カテゴリー2は「良性の所見」で、これらは定期的な検診を続ければ問題ありません。

一方で、カテゴリー3以上になると精密検査が必要になります。数字が大きくなるほど注意が必要ですが、3の時点では良性の可能性も十分にあります。

判定書には「経過観察」や「要精密検査」といった言葉が躍りますが、これらに惑わされず、まずは専門医に詳しい説明を求めてください。

どんな小さな所見であっても、それを放置せずに医師の指示通りに対応することが、自分の身を守る唯一の方法です。結果をポジティブに受け止め、自分の身体をより深く知る機会だと捉えることが心の平穏につながります。

精密検査の通知が来ても落ち着いて専門外来を予約してください

「要精密検査」の封筒が届くと、頭が真っ白になってしまう方も多いでしょう。しかし、実際に精密検査を受けた人のうち、癌が見つかるのはほんの一部であるという事実を知っておいてください。多くは「やはり良性のしこりでした」という結果に落ち着きます。

精密検査は、その安心を確かなものにするためのプロセスです。精密検査では、さらに拡大して撮影するマンモグラフィや、専門医による詳細なエコー検査が行われます。もし必要があれば、針を刺して組織を採る細胞診や組織診といった一歩踏み込んだ調査も行われます。

これらの検査を早めに受けることで、もし問題があったとしても早期治療を開始でき、完治の可能性を最大化することができます。

精密検査が必要な場合のステップ

  • 判定通知書と健康保険証を準備する
  • 乳腺専門医(乳腺外科)のあるクリニックや病院を予約する
  • 前回のマンモグラフィ画像があれば貸し出しを依頼する
  • 医師の説明をよく聞き、疑問点はその場で質問する

身近な場所に信頼できる乳腺のかかりつけ医を見つけておきましょう

大きな総合病院も安心感がありますが、乳がん検診においては地域の専門クリニックにかかりつけ医を持つのも賢い選択です。こうしたクリニックは、検診から精密検査、その後の定期的なフォローまで、一貫して同じ医師が担当してくれることが多いため、あなたの些細な変化にも気づきやすくなります。

また、乳腺の状態は年齢とともに変化します。長年診てくれている医師がいれば、「去年の画像と比較してここが少し気になるね」といった個別の事情を考慮した判断が受けられます。

こうした厚い信頼関係を築いておくことが、病気の早期発見だけでなく、精神的な支えにもなり、生涯を通じた安心感を生み出します。

よくある質問

マンモグラフィ検査を受ける時期が生理の直前になってしまった場合、痛みを和らげるために自分でできる工夫はありますか?

生理直前は乳腺が非常にデリケートなため、まずは検査技師に「現在生理前で胸が張っている」と正直に伝えることが大切です。それによって技師は圧迫の速度を調整したり、無理な力を加えないよう慎重に作業を進めてくれます。

また、検査直前に上半身のストレッチを行って肩周りの筋肉をほぐし、撮影中は深くゆっくりとした呼吸を繰り返すことで、全身の緊張が緩和され、痛みを感じにくくする効果が得られます。

マンモグラフィによる痛みは年齢が上がるにつれて感じ方に変化がありますか?

一般的に、年齢を重ねて閉経を迎えた後のマンモグラフィは、若い頃に比べて痛みが軽減される傾向にあります。

これは加齢とともに乳腺組織が退縮し、脂肪組織へと置き換わっていくため、乳房全体が柔らかくなることが理由です。乳房が柔らかいと、少ない力で効率よく組織を広げて撮影できるため、鋭い痛みを感じにくくなります。

ただし、痛みの感度には個人差があるため、どの年代であってもリラックスして検査に臨む姿勢は変わりなく重要です。

マンモグラフィを受ける際のスケジュール管理として、生理不順な人はいつ予約をすればよいでしょうか?

生理不順で予測が難しい場合は、特定の日にちにこだわらず、自分の胸の状態を観察して「今なら張りがなくて調子が良い」と感じる時期を目安に予約を入れてください。

もし予約した当日に急に胸の張りが始まってしまった場合は、無理をせず検査施設に連絡し、数日程度日程を調整してもらうことも一つの賢い方法です。

マンモグラフィにおいて最も大切なのは、コンディションの良い状態で鮮明な画像を撮ることですので、自分の体調を最優先に考えてスケジュールを立てましょう。

マンモグラフィの検診当日に避けるべき身だしなみや肌のお手入れについて教えてください。

当日の朝は、脇の下や乳房周りに制汗剤、ボディーパウダー、ラメ入りのクリームなどは絶対に使用しないでください。

こうした製品に含まれる金属成分などは、画像上で異常な「石灰化」のように写り込んでしまい、正確な診断を妨げる大きな原因となります。

また、撮影時は上半身を脱ぐ必要があるため、ネックレスなどのアクセサリーもあらかじめ外しておき、スムーズに検査着に着替えられるシンプルな装いで受診することが、心身のリラックスにもつながります。

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この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医