
CT検査は、体の内部を断層画像として映し出すことで、がんをはじめとするさまざまな病変を発見できる画像診断です。頭部から腹部、骨盤まで、検査する部位によって見つけられる病気は異なります。
この記事では、CT検査で具体的に何がわかるのか、部位ごとの診断能力や造影剤の使い分け、検査を受けるタイミングまで、がん診療の現場で得られる情報を幅広くお伝えします。
CT検査とは何か|X線を使った断層撮影でわかること
CT検査は、X線を体のまわりから照射し、コンピュータで断層画像を作成する検査法です。体の内部構造を数ミリ単位のスライス画像で観察でき、臓器の形や大きさ、腫瘍の有無などを一度に確認できます。
CT検査の基本的なしくみと撮影の流れ
CT装置はドーナツ型のガントリーと呼ばれる筒の中に寝台が通過する構造になっています。撮影中はX線管が体のまわりを回転しながらデータを収集し、得られた情報をコンピュータが計算して断面画像を生成します。
撮影時間は部位にもよりますが、おおむね5分から15分程度です。息を止める指示が出ることがあるものの、痛みを伴う検査ではありません。検査着に着替えてから寝台に横になるだけなので、体への負担は比較的軽いといえます。
単純CTと造影CTの違いを押さえておこう
CT検査には、造影剤を使わない「単純CT」と、ヨード系造影剤を静脈注射してから撮影する「造影CT」の2種類があります。単純CTは出血や石灰化、骨折などの確認に向いており、造影CTは腫瘍や血管の状態をより鮮明に描出できるのが特徴です。
がんの疑いがある場合は、造影CTを実施するケースが多くなります。造影剤によって腫瘍の血流パターンが浮き彫りになり、良性と悪性の鑑別に役立つためです。
ただし、腎機能が低下している方やアレルギー歴のある方は事前に医師へ申告してください。
単純CTと造影CTの比較
| 項目 | 単純CT | 造影CT |
|---|---|---|
| 造影剤 | 使用しない | ヨード系造影剤を使用 |
| 得意な描出 | 出血・石灰化・骨折 | 腫瘍・血管・リンパ節 |
| 所要時間 | 約5~10分 | 約10~20分 |
| 注意点 | 特になし | アレルギー・腎機能の確認 |
CT検査とMRI検査は何が違うのか
CT検査がX線を利用するのに対し、MRI検査は磁気と電波を使って画像を作ります。CTは骨や肺など空気を含む組織の描出に優れ、撮影時間も短い点がメリットです。
一方でMRIは軟部組織のコントラスト分解能が高く、脳や脊髄、関節の評価に適しています。
がんの診断では、CTで全体像を把握してからMRIで詳細を確認するという流れが一般的です。どちらか一方で完結するわけではなく、病変の部位や性質に応じて使い分けることが大切です。
頭部CT検査でわかる病気|脳出血や脳腫瘍を見逃さないために
頭部CT検査は、脳出血やくも膜下出血といった緊急性の高い疾患の発見にもっとも力を発揮します。また脳腫瘍の有無やその位置を短時間で確認できるため、初期診断の入口として広く活用されています。
突然の頭痛で救急搬送されたら、まずCTを撮る理由
激しい頭痛や意識障害で救急外来を受診した場合、真っ先に行われるのが頭部CTです。理由は明確で、脳出血やくも膜下出血は一刻を争う病態であり、CTなら数分で出血の有無を判定できるからです。
出血があれば白く光る高吸収域として画像に映ります。出血量や部位によって緊急手術の要否が判断されるため、頭部CTは救急医療の生命線ともいえる検査です。
脳腫瘍が疑われるときのCT検査の特徴
脳腫瘍が疑われるケースでは、造影CTを用いるのが一般的です。腫瘍は周囲の正常な脳組織と異なる造影パターンを示すことが多く、その境界や大きさをある程度把握できます。
ただし、脳腫瘍の詳しい性質や周辺組織への浸潤を評価するにはMRIのほうが情報量が豊富です。そのため、CTで異常が見つかった場合はMRIによる精密検査へ進むのが通常の流れになります。
頭部CTで発見しにくい病変も存在する
頭部CTは万能ではありません。たとえば発症直後の脳梗塞は、CT上で変化が現れるまで数時間かかるときがあります。小さな転移性脳腫瘍や、後頭蓋窩(こうとうかいか)と呼ばれる脳の下部にある病変も見落としやすい領域です。
こうした限界があるからこそ、CTの結果が正常であっても症状が続く場合はMRIや他の検査を追加することが大切です。一つの検査結果だけで安心せず、担当医と相談しながら総合的に判断しましょう。
| 疾患名 | CT検査の検出力 | 補足 |
|---|---|---|
| 脳出血 | 高い | 発症直後から検出可能 |
| くも膜下出血 | 高い | 発症24時間以内は感度90%以上 |
| 脳腫瘍 | 中程度 | 造影CTで描出力が向上 |
| 脳梗塞(急性期) | 低い | 発症数時間は変化が乏しい |
胸部CT検査で肺がんを早期発見|レントゲンでは見えない小さな影を捉える
胸部CT検査は、通常の胸部レントゲンでは発見が難しい数ミリ単位の肺結節(はいけっせつ)まで描出できる検査です。肺がんの早期発見においては、胸部CTの果たす役割はきわめて大きいといえます。
レントゲンとCTで検出力はどれほど違うのか
胸部レントゲン検査は手軽で被ばく量も少ないため、健康診断で広く用いられています。しかし、心臓や横隔膜の裏に隠れた腫瘍や1cm未満の小さな結節は見逃されることがあるのが現実です。
胸部CTでは、肺を細かい断面で撮影するため、レントゲンでは重なり合って見えなかった領域も明確に観察できます。
特に低線量CT(LDCT)は、通常のCTよりも被ばく線量を抑えながら、肺がんの死亡率低減に寄与することが大規模研究で示されています。
胸部CTで見つかる肺がん以外の病変
胸部CTは肺がんだけでなく、肺炎、肺気腫、間質性肺疾患、胸水、大動脈瘤、縦隔(じゅうかく)リンパ節の腫大など、胸部に生じる多種多様な疾患を検出します。思いがけず甲状腺や上腹部の異常が見つかる場合もあります。
がん検診の文脈では、肺門部(はいもんぶ)に発生する扁平上皮がんや小細胞がんは喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)との組み合わせが有効です。CTと他の検査法を組み合わせると、検出の精度を高められます。
胸部CT検査で検出できる代表的な疾患
| 疾患カテゴリ | 具体例 | 備考 |
|---|---|---|
| 悪性腫瘍 | 肺がん・転移性肺腫瘍 | 数mm単位で検出可能 |
| 感染症 | 肺炎・肺結核 | 炎症の範囲や程度を評価 |
| 血管疾患 | 肺塞栓症・大動脈瘤 | 造影CTで診断精度向上 |
| その他 | 胸水・気胸・間質性肺疾患 | 病態に応じた撮影条件を選択 |
肺に影があると言われたら、次にとるべき行動
健診や人間ドックで「肺に影がある」と指摘された場合、まずは呼吸器科や呼吸器外科を受診してください。多くの影は良性の炎症痕や古い感染の痕跡ですが、精密検査をしなければ良性・悪性の判別はできません。
精密検査では造影CTやPET-CTが行われるのが一般的で、必要に応じて気管支鏡検査やCTガイド下生検で組織を採取します。「影がある=がん」ではないので過度に恐れず、しかし放置もせず、早めに専門医の判断を仰ぐことが大切です。
腹部CT検査でわかること|肝臓・膵臓・腎臓のがんを見つけ出す
腹部CT検査は、肝臓がん・膵臓がん・腎臓がんをはじめとする腹部臓器の病変を広範囲にわたって評価できます。特に膵臓がんのように自覚症状が出にくいがんの発見には、腹部造影CTが重要な手がかりになります。
肝臓がんのCT診断は造影剤の「時間差撮影」がカギ
肝臓がんの診断では、造影剤を注入してから時間をずらして複数回撮影する「ダイナミックCT」という手法を用います。
肝細胞がんは動脈から血液を多く受け取る性質があるため、動脈相(どうみゃくそう)で周囲より濃く染まり、後期相で周囲より薄く抜けるパターンを示します。
この独特な造影パターンは肝細胞がんに特徴的で、生検を行わなくても画像だけで診断がつくことがあります。慢性肝炎や肝硬変を抱えている方は、定期的な腹部造影CTまたは腹部超音波(エコー)検査で肝臓を監視することが勧められています。
膵臓がんは「沈黙の臓器」だからこそCTでの発見が大切
膵臓は胃の裏側に位置し、がんが発生しても初期にはほとんど症状が現れません。「沈黙の臓器」と呼ばれる所以です。腹部造影CTは、膵臓の腫瘤(しゅりゅう)だけでなく、膵管の拡張や周囲血管への浸潤も評価できます。
膵臓がんは進行が速く、発見時にはすでに手術が難しい段階に達していることが少なくありません。糖尿病の急な悪化や原因不明の背部痛がある場合には、一度腹部CT検査を検討してみてください。
腎臓がんと大腸がん|腹部CTが力を発揮する場面
腎臓がんは、健診の腹部エコーやCTで偶然見つかることが多いがんです。造影CTで腫瘍の大きさ、位置、静脈への進展度を評価し、手術の方針を決定します。腎臓がんの多くは造影CTの所見だけで診断が可能です。
大腸がんに関しては、CT検査単独でのスクリーニングは推奨されていませんが、進行した大腸がんの転移検索(特に肝転移や肺転移の有無)にはCTが欠かせません。
大腸がんが疑われるときは、大腸内視鏡検査と腹部造影CTを併用すると、病変の広がりを正確に把握できます。
| 臓器 | CTでの検出しやすさ | 補足情報 |
|---|---|---|
| 肝臓 | 高い(ダイナミックCT) | 特有の造影パターンで診断 |
| 膵臓 | 中~高い | 小さな腫瘍は見逃す場合あり |
| 腎臓 | 高い | 偶発的に発見されるケースが多い |
| 大腸 | 低~中程度 | スクリーニングには内視鏡を優先 |
骨盤部・その他の部位のCT検査で得られる情報
CT検査は、骨盤内臓器や骨・関節など全身のあらゆる部位に応用できます。婦人科領域や泌尿器科領域、さらには外傷時の全身評価まで、CTは幅広い臨床場面で活躍しています。
子宮がん・卵巣がんの広がりをCTで確認する
子宮がんや卵巣がんの評価では、腫瘍そのものの検出に加え、リンパ節転移や腹膜播種(ふくまくはしゅ)の有無を確認するために骨盤部造影CTを実施します。
腫瘍の局所評価にはMRIのほうが優れている場合もありますが、遠隔転移を含む全身の検索にはCTが向いています。
卵巣がんでは、腹水の量や大網(たいもう)への転移もCTで把握できるため、治療前の病期決定に大きく貢献します。婦人科がんの診断は、CTとMRIを相互補完的に用いると精度が高まります。
前立腺がんや膀胱がんにCTは有効か
- 前立腺がんの早期診断にはCTよりもMRIとPSA検査が優先される
- 膀胱がんの描出には造影CTの排泄相(はいせつそう)が有用
- 骨盤内リンパ節の腫大は造影CTで評価可能
- 遠隔転移の検索には胸腹骨盤CTを一度に撮影することが多い
前立腺がんの局所評価ではMRIの診断力がCTを大きく上回ります。一方で、前立腺がんが進行して骨転移やリンパ節転移を疑う段階では、CTが全身の評価ツールとして活用されます。
外傷や骨折の評価でCTが頼りになる理由
交通事故や高所からの転落など、重度の外傷が疑われる場面では「全身CT(パンスキャン)」と呼ばれる検査が行われます。頭部から骨盤まで一気に撮影すると、臓器損傷や骨折、出血の有無を数分で評価できるからです。
骨折の診断精度はレントゲンよりも圧倒的に高く、特に骨盤骨折や脊椎骨折など複雑な部位ではCTが欠かせません。救急の現場で「まずCT」と言われるのは、短時間で全身の情報を網羅できるCTならではの強みがあるためです。
| 対象部位 | CTの有用性 | 優先される他の検査 |
|---|---|---|
| 子宮・卵巣 | 転移検索に有用 | 局所評価はMRI |
| 前立腺 | 転移検索に限定的に有用 | 局所評価はMRI+PSA |
| 膀胱 | 中程度 | 膀胱鏡が基本 |
| 骨・関節 | 高い | 軟部組織はMRI |
CT検査の被ばくとリスク|安全性について知っておきたいこと
CT検査は放射線(X線)を使用するため、被ばくに対する不安を感じる方は少なくありません。結論から言えば、医師が必要と判断したCT検査による被ばくが健康に深刻な影響を及ぼす可能性は極めて低いとされています。
CT検査1回あたりの被ばく線量はどのくらいか
被ばく線量は検査部位や撮影条件によって異なりますが、一般的な胸部CTで約5~7mSv(ミリシーベルト)、腹部CTで約8~10mSv程度です。
日本人が自然界から1年間に受ける放射線量は約2.1mSvですので、CT1回の被ばく量は自然放射線の数年分に相当します。
数字だけを見ると不安に思うかもしれませんが、低線量域の放射線が人体に与えるリスクは非常に小さいことがわかっています。検査によって得られる診断上の利益と比較すれば、必要なCT検査を控える方がかえって危険な場合がほとんどです。
造影剤による副作用への備え
ヨード系造影剤を使用した場合、軽い吐き気や発疹、体の熱感が出るときがあります。これらは一時的な症状で、多くは数分以内に治まります。
ごくまれにアナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応が生じるケースがあるため、検査室には緊急対応の体制が整っています。
過去に造影剤で気分が悪くなった経験や、喘息・甲状腺疾患・腎機能障害のある方は、必ず検査前に担当医へ伝えてください。腎機能が著しく低下している方には、造影剤の使用を控えるか代替検査に切り替える対応がとられます。
妊娠中や授乳中のCT検査はどうなるのか
妊娠中は、胎児への放射線の影響を避けるために原則としてCT検査を控えます。ただし、母体に命に関わる緊急性がある場合は、リスクと利益を天秤にかけて医師が判断します。腹部への直接的な照射を避ける工夫がなされることもあります。
授乳中に関しては、CT検査そのものや造影剤が母乳を通じて赤ちゃんに大きな影響を与える可能性は低いと考えられています。米国放射線学会のガイドラインでも、造影CT後に授乳を中断する必要はないとされています。心配な方は主治医に相談してみてください。
| 検査部位 | 被ばく線量の目安 | 参考比較 |
|---|---|---|
| 頭部CT | 約2~3mSv | 自然放射線の約1年分 |
| 胸部CT | 約5~7mSv | 自然放射線の約2.5~3年分 |
| 腹部・骨盤CT | 約8~10mSv | 自然放射線の約4~5年分 |
| 胸部レントゲン | 約0.06mSv | 自然放射線の約11日分 |
CT検査を受けるタイミングと準備|がん検診で後悔しないために
CT検査はどんなタイミングで受けるべきなのか、実際に検査当日はどう準備すればよいのか、気になる方は多いでしょう。がんの早期発見を目指すうえでは、適切な時期に検査を受けることが何よりも大切です。
がん検診や人間ドックでCT検査が勧められる人の特徴
肺がん検診では、長年の喫煙歴がある50歳以上の方に低線量CTが推奨される場合があります。米国では年間20箱年以上の喫煙歴がある方を対象に、年1回の低線量CTスクリーニングが実施されています。
また、慢性B型肝炎やC型肝炎を持つ方、肝硬変の診断を受けている方は、半年から1年ごとの腹部造影CTまたはエコーでの肝臓チェックが推奨されています。
家族にがんの既往がある方や、原因不明の体重減少・持続する痛みがある方も、早めに医師へ相談すると良いでしょう。
CT検査が特に推奨される方
- 50歳以上で喫煙歴が20箱年以上ある方(肺がんリスク)
- 慢性肝炎・肝硬変を抱えている方(肝臓がんリスク)
- 糖尿病が急に悪化した方(膵臓がんの可能性)
- 原因不明の体重減少や持続する腹痛がある方
CT検査当日の食事制限や服装の注意点
造影CTを受ける場合は、検査前4~6時間の絶食が求められることが一般的です。水やお茶は通常飲んでも構いませんが、医療機関ごとに指示が異なるため、予約時の案内に従ってください。
服装は金属のないものが望ましく、検査着に着替える施設がほとんどです。ネックレスやベルト、ブラジャーのワイヤーなど金属類は外す必要があります。飲んでいる薬がある場合は、事前に一覧表を持参すると検査がスムーズに進みます。
検査結果を受け取ったら確認したい3つのポイント
CT検査の結果は通常、数日から1週間ほどで担当医から説明を受けられます。結果説明の際に確認しておきたいのは、「異常の有無」「異常が見つかった場合のその性質」「今後の追加検査や経過観察の必要性」の3つです。
「異常なし」と言われた場合でも、今後の検診スケジュールや生活上の注意点を尋ねておくと安心です。
もし異常が指摘された場合は、すぐに悲観するのではなく、まずは精密検査で正確な診断を得ることに集中してください。不明点があれば遠慮なく主治医に質問しましょう。
よくある質問
CT検査ではどの程度の大きさのがんまで発見できるのか?
CT検査で検出できる腫瘍の大きさは、検査部位や装置の性能によって異なります。一般的には、肺では直径数mm程度の結節まで描出できるとされています。
ただし、臓器によって得意・不得意があり、膵臓や大腸の小さな病変はCT単独では見逃す可能性があります。腫瘍の大きさだけでなく、位置や造影パターンなど複合的な要素をもとに総合判断されるため、検出力は一概に「何mm」とは言い切れません。
CT検査で「異常なし」と言われたら、がんの心配は本当にないのか?
CT検査で異常が見つからなかった場合、撮影範囲内に明らかな病変がなかったことを意味します。ただし、CTにも限界があり、ごく初期のがんや粘膜表面にとどまる病変は映らない場合があります。
そのため、CT検査が正常だったとしても、気になる症状が続く場合は内視鏡検査など別の方法で確認することをおすすめします。定期的な検診を続けることが、がんの見落としを防ぐうえで大切です。
CT検査の造影剤で重い副作用が出る確率はどのくらいか?
ヨード系造影剤による軽度の副作用(吐き気、じんましん、軽い発疹など)は、報告によって差がありますが全体の1~3%程度とされています。重篤なアナフィラキシー反応は0.01~0.04%と極めてまれです。
副作用を完全にゼロにするのは難しいものの、検査室では緊急時に対応できる薬剤や機器が常備されています。過去にアレルギー反応を起こした方は造影剤の変更や予防的な薬剤投与で対処することが可能です。不安がある場合は、検査前に担当医へ遠慮なく伝えてください。
CT検査を何度も受けると被ばくの影響は蓄積されるのか?
放射線の影響はある程度蓄積すると考えられていますが、医療目的のCT検査による被ばくが健康被害をもたらすリスクは非常に低いとされています。がんの診断や経過観察のために必要なCT検査を避けた場合、病気の発見が遅れることのほうがはるかに大きなリスクです。
医師は撮影のたびに「検査の利益が被ばくのリスクを上回るか」を判断しています。不安な方は、これまでの撮影回数や累積線量について担当医に尋ねてみてください。必要性の低い検査を省くなど、被ばく量を管理する対応をとってもらえます。
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この記事を書いた人 Wrote this article
前田 祐助 医学博士 / 医師
慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医