
CT検査を受けることが決まったとき、多くの方が「当日はどんな流れで進むのだろう」「食事はいつから止めればいいのか」と不安を感じるのではないでしょうか。
実際の検査時間は撮影だけなら5分から30分程度で、準備や着替えを含めても1時間ほどで終わるケースがほとんどです。
この記事では、CT検査の予約から検査後の過ごし方まで一連の流れをわかりやすくまとめます。造影剤を使う場合・使わない場合の違いや、食事制限の具体的なタイミング、服装や持ち物の注意点など、知っておくと安心できる情報を丁寧にお伝えします。
CT検査の流れは受付から撮影終了まで約1時間で完了する
CT検査は「大がかりな検査」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際にはスムーズに進むことがほとんどです。受付から撮影を終え、着替えが済むまでの所要時間は、造影剤を使わない単純CT検査であれば30分から1時間程度です。
造影剤を使用する場合でも、検査全体で1時間から1時間半あれば完了するのが一般的です。大まかな流れを事前に把握しておくと、当日の緊張がぐっと和らぎます。
受付・問診票の記入が検査当日の出発点になる
検査当日はまず受付で保険証や紹介状を提示し、問診票を記入します。問診票では、アレルギーの有無や現在服用中の薬、過去に造影剤で体調を崩した経験がないかなどを確認されます
とくに喘息の持病がある方や、腎臓の機能に不安がある方は、この段階で必ず申告してください。正確に伝えることが安全な検査の土台になります。
着替えと検査室への移動は思ったよりスピーディ
問診が終わると、検査着に着替えるよう案内されます。金属類のアクセサリーやベルト、ブラジャーのワイヤーなどは画像に影響するため、事前に外しておくと時間の短縮になります。
着替えが済んだら検査室へ移動し、技師からポジショニング(体の向きや位置合わせ)についての説明を受けます。この時点で不安なことがあれば遠慮なく伝えて構いません。
CT検査当日の一般的なタイムライン
| 段階 | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 受付 | 保険証提示・問診票記入 | 10〜15分 |
| 着替え | 検査着へ着替え・貴金属の取り外し | 5〜10分 |
| 撮影 | CT装置での撮影(単純CTの場合) | 5〜15分 |
| 造影剤使用時 | 点滴ルート確保+撮影 | 15〜30分 |
| 検査後 | 着替え・安静・会計 | 10〜20分 |
撮影はベッドに横たわるだけで痛みを感じない
CT装置は大きなドーナツのような形をしており、その中央の空洞部分にベッドがスライドしていく仕組みです。MRI検査と比べてトンネルが短く開放感があるため、閉所恐怖症が心配な方にとっても比較的楽に受けられるでしょう。
撮影中は技師の指示に合わせて息を止める場面がありますが、1回あたり10秒から20秒程度と短いものです。動かずじっとしていることが鮮明な画像を得るポイントになります。
検査後の流れと結果説明までの待ち時間
撮影が終わったら検査着を脱いで私服に着替え、会計を済ませます。造影剤を使ったときは15分から30分ほど院内で安静にするよう指示される場合が多いです。
検査結果は当日すぐに説明される場合と、後日の外来で伝えられる場合があります。結果が出るまでの期間は医療機関によって異なるため、受付時や検査後に確認しておくと安心です。
CT検査前の食事制限はいつから始めるべきか
CT検査を控えた方が気にかける点として、食事制限のタイミングが挙げられます。造影剤を使用するかどうかで制限内容が大きく異なるため、自分が受ける検査の種類を確認したうえで準備することが大切です。
造影CT検査では検査4時間前から絶食になる
造影剤を注射して行うCT検査では、一般的に検査の4時間から6時間前には食事を終えておくよう指示されます。これは造影剤による吐き気や嘔吐のリスクを減らすための措置です。
たとえば午後2時に検査の予約が入っている場合、午前8時から10時までには朝食を済ませ、それ以降は固形物を口にしないのが基本になります。水やお茶など透明な飲み物は、検査の2時間前まで摂取可能とする医療機関が多いです。
単純CT検査なら食事制限が不要なケースもある
造影剤を使わない「単純CT検査」では、原則として食事の制限がかからないことがほとんどです。
ただし、腹部のCT検査に関しては、消化管内のガスや食物残渣(しょくもつざんさ:消化しきれず腸内に残った食べ物のかす)が画像に映り込み、診断に影響を与えるおそれがあります。
そのため、腹部を撮影する場合に限っては単純CTであっても食事制限を求められるときもあります。主治医や検査予約時の案内に従って準備を進めてください。
水分補給と常用薬の扱いで迷ったら早めに確認を
食事制限がある検査日でも、脱水を防ぐために水分はある程度摂れるのが一般的です。ただし牛乳やジュースなど糖分・脂肪分を含む飲み物は制限対象になります。
糖尿病の薬(とくにメトホルミン)を服用している方は、造影剤との相互作用に注意が必要です。自己判断で服薬を中止するのは危険なので、事前に主治医へ相談しておくようにしましょう。
検査前日に控えたい食べ物と飲み物の具体例
腹部CT検査の前日は、消化に時間がかかる食べ物を避けるのが望ましいとされています。脂っこい料理や食物繊維の多い生野菜、海藻類などは腸内に残りやすいため、白米やうどん、豆腐など消化の良いメニューを選ぶと無難です。
アルコールも前日は控えたほうがよいです。体内の水分バランスを崩しやすく、造影剤の排出に悪影響を与える可能性があります。
| 区分 | 前日にOKな例 | 前日に控えたい例 |
|---|---|---|
| 主食 | 白米・おかゆ・うどん | 玄米・全粒粉パン |
| おかず | 豆腐・白身魚・卵 | 脂身の多い肉・天ぷら |
| 飲み物 | 水・お茶・スポーツドリンク | アルコール・炭酸飲料 |
| その他 | ゼリー・ヨーグルト(少量) | 生野菜サラダ・海藻類 |
造影剤を使うCT検査と使わないCT検査の違いを整理する
CT検査には大きく分けて「単純CT」と「造影CT」の2種類があります。どちらを受けるかは検査の目的や疑われる病変の種類によって主治医が判断します。
単純CT検査は造影剤なしで短時間で終わる
単純CT検査は造影剤を使わず、X線のみで体の断面画像を撮影する方法です。骨折の有無を確認したり、肺の状態を大まかに調べたりする場面で多く用いられています。
造影剤に伴うアレルギーリスクがなく検査前の食事制限も基本的に不要なため、患者さんの負担が軽い点がメリットで、撮影時間も5分から10分と短く、体への負担が少ない検査方法です。
造影CT検査は血管や臓器の状態を鮮明に映し出す
造影CT検査では、ヨード造影剤と呼ばれる薬剤を腕の静脈から注射してから撮影を行います。造影剤が血管を通じて全身に行きわたることで、臓器の血流状態や腫瘍(しゅよう)の存在がくっきり描出されるのが特徴です。
がんの検査や精密検査として行われる際は、造影CTが選ばれるケースが多くなります。注射の際に体がカッと熱くなる感覚を覚える場合がありますが、数十秒で落ち着くのが一般的です。
単純CTと造影CTの比較
| 項目 | 単純CT | 造影CT |
|---|---|---|
| 造影剤の使用 | なし | あり(ヨード系) |
| 食事制限 | 原則なし | 4〜6時間前から絶食 |
| 撮影時間 | 約5〜10分 | 約15〜30分 |
| 向いている検査 | 骨・肺の観察 | 臓器・血管・腫瘍の精査 |
| アレルギーリスク | なし | まれにあり |
造影剤の副作用には軽度のものから重度のものまである
造影剤の副作用として多いのは、注射時の熱感や軽い吐き気、じんましんといった軽度の症状です。これらは一過性のもので、多くの場合は特別な治療を行わなくても自然に治まります。
ただし、まれに血圧低下や呼吸困難、アナフィラキシーといった重い反応が起きる可能性もゼロではありません。
過去にアレルギー歴のある方や喘息を持っている方は、事前に必ず主治医へ伝えてください。検査中も医療スタッフが常にモニタリングしているため、異変があればすぐに対応してもらえます。
どちらの検査になるかは主治医と相談して決まる
CT検査の種類は患者さんが自由に選べるものではなく、症状や検査目的に応じて主治医が判断します。
たとえば、健診で肺に影が見つかった場合はまず単純CTで詳しく調べ、さらに精密な評価が必要であれば造影CTに進むという段階的なアプローチが一般的です。
「造影剤は怖いから使いたくない」という希望があるときも、まずは主治医に率直に伝えてみましょう。代替の検査手段を検討してもらえる場合があります。
CT検査当日の服装・持ち物で気をつけたいポイント
検査当日に忘れ物をすると焦りの原因になりますし、服装を間違えると着替えに余計な時間がかかる場合もあります。ちょっとした準備ひとつで当日の快適さが変わるため、前日のうちに確認を済ませておくと安心です。
金属のない楽な服装がベストな選択
CT検査ではX線を使用するため、金属が画像にアーチファクト(画像上のノイズや乱れ)を生じさせることがあります。ファスナーやボタン、ブラジャーのワイヤー、ベルトのバックルなどが代表的な原因です。
当日はスウェットやTシャツなど、金属パーツのない上下を選ぶとスムーズに検査へ進めます。ワイヤーなしのブラジャーやスポーツブラを着用するのもおすすめです。
保険証・紹介状・お薬手帳は必ず持参する
受付で必要になるのは、保険証(またはマイナンバーカード)と、他院から紹介を受けた場合の紹介状です。忘れると受付手続きが遅れたり、場合によっては検査を受けられなかったりする可能性があります。
あわせてお薬手帳を持参しておくと、問診時に常用薬の情報を正確に伝えられます。造影剤との相互作用を確認するために薬の種類は正確に把握しておく必要があるためです。
アクセサリーや貴重品はロッカーに預ける
ネックレスやピアス、時計、ヘアピンなどの金属製アクセサリーは、検査前にすべて外すよう指示されます。外しにくいアクセサリーはあらかじめ自宅で外してから来院するほうが手間を省けます。
多くの医療機関にはロッカーが設置されていますが、貴重品の管理は自己責任です。高価なものはできるだけ持参しないようにすると気持ちが楽になります。
検査後にスムーズに帰れるよう交通手段も確認しておく
造影CT検査のあとは、まれに体調の変化が出ることがあります。自分で車を運転して帰る予定の方は、造影剤の使用後に気分が悪くなる可能性を考慮し、付き添いの方に運転を依頼するか公共交通機関の利用も選択肢に入れておきましょう。
単純CTであれば特に移動の制限はありません。検査後にそのまま仕事に向かう方も少なくないです。
当日の持ち物チェック
| 持ち物 | 必須度 | 備考 |
|---|---|---|
| 保険証 | 必須 | マイナンバーカードでも可 |
| 紹介状 | 該当者のみ | 他院からの紹介時に必要 |
| お薬手帳 | 持参推奨 | 常用薬の正確な把握に役立つ |
| 検査案内書 | 持参推奨 | 事前に送付されている場合 |
| 飲み物(水・お茶) | 任意 | 造影CT後の水分補給に便利 |
CT検査を受ける際に不安を軽くする準備と心構え
「痛くないだろうか」「閉じ込められるのではないか」と心配される方は少なくありません。
結論として、CT検査で強い痛みを感じることはほぼなく、撮影時間も短いため過度に構える必要はないといえます。ただし、不安が大きい方ほど事前の準備が助けになるでしょう。
閉所恐怖症の方でもCT検査は受けやすい
CT装置のトンネル部分は奥行きが短く、MRI装置のように長いトンネルの中に全身が入るわけではありません。そのため、閉所恐怖症の方でも比較的リラックスして検査を受けられる場合が多いです。
それでも不安が強いときは、事前に主治医や検査担当の技師にその旨を伝えてください。声かけのタイミングを増やしてもらえたり、必要に応じて軽い鎮静剤を処方されたりすることがあります。
息止めのコツを事前に練習しておくと安心できる
CT撮影では、画像のブレを防ぐために「息を吸って止めてください」と指示される場面があります。1回の息止めは10秒から20秒程度と短いものですが、緊張すると呼吸が浅くなりうまく止められないときがあるかもしれません。
- 大きく息を吸い、そのまま10秒間静かに止める
- 鼻から吸って口をゆるく閉じた状態でキープする
- 合図があるまで体を動かさない
リラックスするために検査の流れを頭に入れておく
人間は「何が起こるかわからない」状態に強い不安を感じる傾向があります。検査の一連の流れをあらかじめ頭に入れておくだけで、「次は何が起きるか」がわかるため気持ちに余裕が生まれます。
この記事で紹介している流れを一度通して読んでおくだけでも、検査室に入ったときの安心感が違ってきます。わからないことは検査前に遠慮なく質問して構いません。
検査中に体調が悪くなったら遠慮なく知らせてほしい
造影剤の注射後に気分が悪くなったり、強いかゆみやじんましんが出たりした場合は、すぐにスタッフへ伝えてください。検査室には緊急対応のための薬剤や設備が用意されており、迅速な処置を受けられます。
我慢してしまう方がときどきいらっしゃいますが、早期に申告すると軽い段階のうちに対応できます。自分の体を守るためにも、小さな違和感であっても口に出すことを心がけてください。
CT検査後の食事や日常生活で注意したいこと
検査が無事に終わったあとも、とくに造影剤を使用した場合にはいくつか気をつけておきたいポイントがあります。造影剤をスムーズに体外へ排出するための過ごし方や、食事を再開するタイミングを押さえておきましょう。
造影剤は水分をしっかり摂ることで体外に排出される
ヨード造影剤は主に腎臓を通じて尿とともに排出されます。検査後は意識的に水分を多めに摂取すると、造影剤の排出がスムーズに進みます。目安として、検査当日は普段より500mlから1L程度多く水分を摂るよう勧められるケースが多いです。
腎臓に持病がある方は水分摂取量について主治医の指示を仰いでください。過剰な水分摂取がかえって体に負担をかける場合もあります。
食事は検査終了後1時間程度で再開できる
造影CT検査後であっても、体調に問題がなければ1時間ほどで食事を再開して構いません。はじめは消化の良いものから食べ始めると胃腸への負担が軽く済みます。
単純CT検査の場合は食事制限自体がないケースがほとんどなので、検査後すぐに食事を摂っても差し支えないです。ただし腹部の検査でバリウムなどを併用した場合は、別途指示があることもあります。
検査翌日までに注意したい体の変化
造影剤の副作用は検査直後だけでなく、数時間から翌日にかけて遅れて現れる場合があります。とくにじんましんや発疹、軽い発熱、吐き気などの「遅発性副作用」は、検査後1時間から48時間以内に出る可能性があるため注意が必要です。
こうした症状が現れたときは、検査を受けた医療機関へ電話で連絡し、指示を仰いでください。ほとんどは軽い症状で自然に治まりますが、放置せずに確認をとると安心につながります。
入浴や運動は検査当日でも基本的に問題ない
CT検査後の入浴や軽い運動は、基本的に制限されません。造影剤を使った場合でも、点滴の針を抜いた部位をこすらないように気をつければ、当日中にシャワーや入浴ができます。
ただし激しい運動や長時間のサウナは、体に余計な負担をかける可能性があるため、検査翌日以降に持ち越すほうが無難です。点滴部位にテープが貼られている場合は、医療機関の指示に従って適切なタイミングではがしてください。
| 行動 | 検査当日 | 注意点 |
|---|---|---|
| シャワー・入浴 | 問題なし | 穿刺部をこすらない |
| 軽い運動 | 問題なし | 体調に合わせて無理しない |
| 激しい運動 | 控えるのが望ましい | 翌日以降に再開 |
| 飲酒 | 控えるのが望ましい | 造影剤排出を優先する |
| 車の運転 | 基本的に可 | 体調不良時は見合わせる |
がんの早期発見とCT検査が果たす役割を知っておこう
CT検査は、がんをはじめとするさまざまな病気を早い段階で見つけるために広く活用されている画像診断の手法です。とくに肺がんや肝臓がん、膵臓(すいぞう)がんなど、自覚症状が出にくいがんの発見にCT検査は大きく貢献しています。
肺がんCT検診で小さな病変を見つけられる
胸部X線検査(レントゲン)では見落とされやすい小さな肺の結節(けっせつ:肺にできた小さなかたまり)も、CT検査であれば数ミリ単位で発見できます。
とくに低線量CT(ていせんりょうCT:被ばく量を通常より抑えた撮影方法)による肺がん検診は、早期肺がんの死亡率を下げるというエビデンスが国際的な研究で示されています。
CT検査で発見されやすい主ながん
| がんの種類 | CT検査での観察対象 |
|---|---|
| 肺がん | 肺野の結節・腫瘤 |
| 肝臓がん | 肝臓内の腫瘍・血流の変化 |
| 膵臓がん | 膵臓の形態異常・周囲への浸潤 |
| 大腸がん | 腸壁の肥厚・リンパ節腫大 |
| 腎臓がん | 腎実質内の腫瘤 |
定期的な検診とCT検査を組み合わせることで見逃しを減らせる
年に一度の健康診断だけでは、すべてのがんを見つけることは困難です。とくにリスクが高いとされる方(喫煙歴のある方、家族にがん患者がいる方など)は、主治医と相談のうえで定期的にCT検査を受けることが早期発見の確率を高めます。
ただし、CT検査にはX線による被ばくが伴うため、検査の頻度は医学的な必要性とのバランスで決めるべきです。
「念のため毎月受けたい」と思っても、被ばくのデメリットが上回る場合があります。主治医の判断をもとに適切な間隔を設定してもらってください。
CT検査だけに頼らず他の検査と組み合わせることが大切
CT検査は優れた画像診断ですが、すべてのがんを完璧に見つけられるわけではありません。たとえば、胃がんや食道がんの早期発見には内視鏡検査(胃カメラ)のほうが適していますし、乳がんのスクリーニングにはマンモグラフィが用いられます。
それぞれの検査には得意な分野と不得意な分野があるため、CT検査の結果だけで「異常なし=すべて安心」と考えるのは早計です。複数の検査を組み合わせると、がんの見逃しを防ぐ精度が上がります。
被ばく量への不安は主治医に率直に相談してよい
CT検査のたびに「放射線を浴びて大丈夫なのか」と心配になる方がいらっしゃいます。確かにCT検査にはX線を使用するため、少量の放射線被ばくは避けられません。
しかし、診断に必要な検査で受ける被ばく量は、そのリスクよりも検査で得られるメリット(病気の早期発見など)が上回ると考えられています。不安がある場合は主治医に被ばく量について質問してみてください。
納得したうえで検査を受けることが、何よりも安心材料になるでしょう。
よくある質問
CT検査の所要時間は造影剤の有無でどれくらい変わる?
造影剤を使わない単純CT検査の場合、撮影自体は5分から15分程度で終わります。受付や着替えの時間を含めても30分から1時間あれば完了します。
造影剤を使う場合は、点滴ルートの確保や造影剤の注入時間が加わるため、撮影に15分から30分ほどかかります。さらに検査後の安静時間を含めると、全体では1時間から1時間半程度を見込んでおくと安心です。
CT検査前の食事制限は何時間前から守ればよい?
造影CT検査の場合、一般的には検査の4時間から6時間前までに食事を終えるよう指示されます。水やお茶などの透明な飲み物は、検査2時間前まで摂取可能とされることが多いです。
単純CT検査では原則として食事制限はありませんが、腹部の撮影時には軽い制限がかかる場合もあります。検査予約時に渡される案内をよく確認しておくと迷わずに済みます。
CT検査で使用する造影剤の副作用にはどんな症状がある?
CT検査で使われるヨード造影剤の副作用として、軽いものでは注射時の熱感や吐き気、じんましんなどが知られています。これらは一時的な反応で、特別な処置をしなくても自然に治まる方がほとんどです。
まれに血圧低下や呼吸困難、アナフィラキシーショックといった重い症状が現れる場合もあります。アレルギー体質の方や喘息をお持ちの方はリスクがやや高まるため、検査前に必ず申告してください。
CT検査後に食事や入浴を再開できるタイミングはいつ?
造影CT検査後は、体調に異変がなければ1時間ほどで食事を再開できます。はじめはおかゆやうどんなど消化の良いものから始めると、胃腸への負担が軽く済みます。
入浴やシャワーも検査当日から可能です。ただし、点滴を刺した部位を強くこすらないよう注意してください。激しい運動や長時間のサウナは翌日まで控えることをおすすめします。
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この記事を書いた人 Wrote this article
前田 祐助 医学博士 / 医師
慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医