MRI検査ができない人の条件とは?体内の金属や閉所恐怖症の注意点を解説

MRI検査ができない人の条件とは?体内の金属や閉所恐怖症の注意点を解説

MRI検査は磁気を用いて体内を詳細に描写しますが、強力な磁力を利用するため、体内金属を持つ方や重度の閉所恐怖症の方は制限を受ける場合があります。

心臓ペースメーカー等の電子機器だけでなく、過去の手術や美容整形の素材も安全上の影響を及ぼす可能性があるため、事前の把握が重要です。

本記事では、検査の可否を分ける具体的な条件、安全性を確保するための注意点、不安を解消する代替案を網羅して詳しく解説します。

MRI検査を受けられない主な条件と事前確認の重要性

MRI検査は強力な磁場を利用するため、体内に磁性体となる金属が存在する場合や、磁力で誤作動を起こす電子デバイスを装着している方は受診できません。

体内金属の有無が検査の可否を左右する理由

MRI装置は、病院内の他の設備とは比較にならないほど強力な磁力を常に発生させています。この磁力は、鉄などの磁性体を引き寄せる力が非常に強く、体内に金属がある場合は大きなリスクを伴います。

もし体内に金属が残っていると、強い磁力によってその物体が体内で移動したり、装置に吸い寄せられたりする危険があります。こうした事態は重篤な内出血や組織損傷を招く恐れがあります。

また、磁場を乱すことで撮影した画像に歪みが生じ、本来見つけるべき癌などの小さな病変を見落とす原因にもなります。診断の精度を守るため、事前の正確な申告が求められます。

ペースメーカーなどの能動電子デバイス装着者のリスク

心臓ペースメーカーや除細動器などの電子機器は、磁場の影響を直接受ける性質を持っています。強力な磁界内にこれらのデバイスを持ち込むと、内部のプログラムが書き換わる危険があります。

プログラムの変更だけでなく、機器そのものが誤作動を起こしたり、機能を停止したりすると、生命維持に深刻な影響を及ぼします。以前は、これらの装着者は一律で検査禁止とされていました。

現在は条件付きでMRIに対応している機種も登場していますが、専門の技術者が立ち会い、検査前後に機器の設定を確認する必要があります。医療機関側との入念な調整が欠かせません。

閉所恐怖症などの心理的要因と検査体制

MRI検査は狭い筒状の装置の中で、20分から40分ほど安静を保つ必要があります。この特殊な環境は、狭い場所が苦手な方にとって大きな精神的ストレスとなり、体調悪化を招くことがあります。

特に検査中には非常に大きな打撃音が連続して鳴り響くため、重度の閉所恐怖症の方はパニック状態に陥る可能性があります。こうした状況では、安全な検査の続行が困難と判断されます。

医療機関では、アイマスクの使用や、広めの開口部を持つ装置の導入、あるいは鎮静剤の投与といった対策を講じています。自身の心理的な不安については、事前に医師へ相談することが大切です。

妊娠中やアレルギー反応の可能性に関する注意

妊娠初期の方については、胎児への磁場の影響が完全に解明されていないという理由から、緊急性が極めて高い場合を除いて検査を控えるのが医学界の一般的な判断です。

また、造影剤を使用する検査の場合、過去に喘息の既往があったり、他の薬剤で重いアレルギーを起こしたりした経験がある方は、造影MRIを受けられない可能性があります。

アレルギー反応は重症化すると呼吸困難などを引き起こすため、些細な経験であっても必ず医師に伝える必要があります。こうした情報を共有することで、安全な検査方法を選択できます。

MRI検査が制限される理由のまとめ

制限の主な理由具体的な内容主なリスク
強磁場による物理作用体内金属の移動・吸引組織損傷、画像ノイズ
電磁誘導の影響電子機器の誤作動生命維持装置の停止
心理的圧迫感閉所恐怖症のパニック検査の中断、精神的苦痛

金属製品やインプラントがMRIに与える物理的影響

MRIの磁場は目に見えませんが、金属に対して「引き寄せる」「熱を出す」「画像を歪ませる」という3つの大きな物理的干渉を引き起こします。

強力な磁場が金属を引き寄せる吸引作用の危険性

磁性体と呼ばれる、磁石にくっつく性質のある金属が体内にある場合、磁場はその金属を装置の中心部へ強く引き寄せようとします。この物理現象を吸引作用と呼びます。

体内に固定されている手術用クリップなどがこの力を受けると、周囲の組織を傷つけたり、血管から外れたりする恐れがあります。非常に小さな破片であっても、その影響は無視できません。

病院内では、ハサミや酸素ボンベが装置に吸い寄せられて衝突する事故も報告されており、体内の微小な金属であっても、位置や材質によっては深刻な内出血を招く可能性があります。

金属が発熱して火傷を引き起こす仕組みへの対策

MRI検査ではラジオ波という電波を使用しますが、これが金属に当たると電流が発生し、ジュール熱による発熱が生じます。この仕組みによって、金属の温度が急上昇することがあります。

ループ状になったワイヤーや、皮膚に近い場所にある金属などは、急速に加熱されて周囲の組織に火傷を負わせるリスクがあります。特に心臓手術後の固定用ワイヤーには注意が必要です。

こうしたトラブルを防ぐために、不必要なアクセサリーの除去はもちろん、貼り薬の成分に含まれる目に見えない金属なども徹底して確認します。安全を確保するための重要な準備です。

磁場の乱れによる画像ノイズの発生

金属は均一であるべき磁場の分布を乱す性質を持っています。この磁場の乱れによって、撮影画像の一部が黒く抜け落ちたり、歪んだりする現象をアーチファクトと呼びます。

例えば、脊椎の手術でボルトを使用している場合、その周辺の神経の状態がアーチファクトによって全く見えなくなることがあります。診断に必要な情報を得られない結果となります。

癌の検査においては、病変部位の近辺に金属があると正確な評価が不可能になるため、医師は金属の材質を確認した上で、CTなど他の検査方法との組み合わせを慎重に検討します。

MRIにおける物理的影響と対策

  • 吸引・移動への対策:手術記録から金属の磁性を特定する
  • 発熱への対策:ループ状の金属配置を避け、皮膚との接触を確認する
  • 画像歪みへの対策:撮影条件を調整し、ノイズの低減を図る

医療用体内金属の種類とMRI検査の可否基準

医療目的で体内に埋め込まれた金属は、その材質や装着された年代、現在の固定状態によって、検査の可否が個別に、かつ厳格に判断されます。

心臓ペースメーカーや除細動器の条件付き対応

心臓のリズムを整えるペースメーカーは、以前はMRI絶対禁忌の代表格でした。しかし現在は「MRI対応モデル」が普及し、特定の条件下であれば検査が可能になっています。

この運用には、検査直前に機器を「MRIモード」に切り替える特殊な操作や、検査中の心電図モニタリングが必要です。患者様自身が装着カードを提示することが、手続きの第一歩となります。

手帳に記載された型番を医療機関に伝えることで、検査が可能な施設を紹介してもらえる場合もあります。最新の医療技術によって、以前は不可能だった検査も選択肢に入っています。

人工関節や骨固定用プレートの材質による違い

骨折の治療で使用されるプレートや、変形性関節症で導入される人工関節の多くは、現在チタンやセラミックといった素材で作られています。これらの素材は、磁場に強く反応しません。

特にチタンは非磁性体であり、MRIの強磁場でも引き寄せられることはほとんどありません。手術から数週間が経過し、周囲の組織としっかり固定されていれば、検査は問題なく行えます。

こうした背景から、多くの整形外科的手術後でも検査は受けられます。ただし、古い年代に使用された一部の素材には磁性を持つものがあるため、執刀医への確認が大切になります。

ステントや脳動脈瘤クリップの安全性確認

心臓の血管を広げるステントや、脳動脈瘤の破裂を防ぐクリップについても、材質が重要です。近年の製品はMRI対応の素材であるコバルトクロム合金やチタンが主流となっています。

手術から一定期間(通常は6週間程度)が経過して安定していれば、検査は可能です。しかし、過去に脳外科手術を受けた際の非常に古いクリップは、磁力で外れるリスクが否定できません。

製品の証明ができない場合や、当時の詳細な記録が残っていない場合は、命を守るために検査を断念する判断が必要となります。他の画像診断への切り替えが、賢明な選択となるでしょう。

医療デバイス別の対応状況一覧

デバイスの種類検査可否の目安必要な情報
最新のペースメーカー条件付きで可能機器手帳、製造メーカー
チタン製人工関節原則として可能手術部位、経過期間
脳動脈瘤クリップ材質により要判断手術証明書、材質名

美容・日常生活における注意が必要な金属や色素

医療用ではない身近なものの中にも、MRI検査に深刻な支障をきたす金属成分が含まれている場合があります。これらは見落としやすいため、入念な自己確認が大切です。

タトゥーやアートメイクに含まれる酸化鉄の影響

タトゥーやアートメイクに使用されるインクには、色を出すための成分として酸化鉄などの金属粒子が含まれていることがあります。こうした成分が、磁場の影響を強く受けます。

これらの粒子がMRIの電磁波に反応すると、急激に熱を帯びて皮膚に火傷を負わせる原因になります。また、画像が乱れて診断の妨げになることもあり、正確な結果が得られません。

完全に除去することは難しいため、部位や施術時期を医師に伝え、承諾書に同意した上で検査を行うか検討します。場合によっては、検査自体を避ける勇気ある判断も必要になります。

カラーコンタクトレンズや化粧品の金属成分

意外な盲点となるのが、カラーコンタクトレンズやアイシャドウなどの化粧品です。一部の製品には金属粉が着色剤として使われており、装着したままでは非常に危険です。

そのまま検査を受けると、眼球への火傷やレンズの変形を招く恐れがあります。また、ラメ入りのマスカラも画像の歪みを引き起こし、微粒子が目に吸い込まれるリスクさえ存在します。

検査当日はノーメイクでの来院、あるいは事前の徹底した洗顔が必要です。こうした些細な準備が、あなたの大切な目を守り、診断の正確性を担保することに繋がります。

入れ歯や磁石式インプラントの取り扱い

歯科治療で使われる磁石式の入れ歯は、MRIの強磁場によって磁石の力が弱まってしまい、検査後に入れ歯が固定できなくなるトラブルが起こり得ます。再調整が必要になる場合もあります。

インプラント自体はチタン製であれば問題ありませんが、上部構造に金属が含まれる場合は画像に大きな影を作ります。取り外しが可能な義歯については、必ず事前に外す必要があります。

こうした影響で診断範囲が限定されることもあるため、撮影部位との距離を考慮し、検査の有用性を医師が判断します。歯科治療の内容も、重要な事前情報の一つとして数えられます。

注意が必要な身の回り品

  • カラーコンタクト:着色剤に金属が含まれる
  • ラメ入り化粧品:画像の歪みと火傷の原因になる
  • 磁気治療器:磁場を乱し、機器が故障する

閉所恐怖症や安静保持が困難な方への対応策

物理的な金属の問題だけでなく、心理的な障壁もMRI検査の完遂を阻む要因となります。近年の医療現場では、精神的な負担を軽減するための工夫が導入されています。

開放型MRI装置の活用とメリット

従来の筒状の装置とは異なり、左右が大きく開いた「開放型MRI」を導入している施設があります。圧迫感が大幅に軽減されるため、狭い場所が苦手な方でも安心して受診できます。

磁場強度が従来の装置より低くなる傾向にあり、撮影に少し時間がかかる場合もありますが、検査が全くできないという最悪の状況を回避するための、非常に有力な手段となります。

こうした仕組みによって、閉所恐怖症の方でも必要な癌検査を受けられるようになっています。まずは、自分の住んでいる地域に開放型を設置している病院があるか、確認してみましょう。

鎮静剤の使用や音楽によるリラックス効果

どうしても恐怖心が拭えない場合、軽い鎮静剤を服用して、リラックスした状態で検査を受ける選択肢があります。うとうとと眠っている間に終わるため、精神的な苦痛は最小限です。

ただし、鎮静剤の使用には医師による全身管理が必要であり、当日の車の運転が制限されるなどの注意点も伴います。これについては、ライフスタイルに合わせた事前の計画が大切です。

また、ヘッドフォンで音楽を聴きながら騒音を和らげる取り組みも一般的になっています。好きな音楽を流すことで注意を分散させ、検査時間の体感的な長さを短縮する効果があります。

検査時間の短縮とスタッフによる声掛けの徹底

検査技師や看護師とのコミュニケーションを密にすることも安心に繋がります。マイクを通じていつでもスタッフと会話ができる環境を確認するだけで、孤独感は大きく緩和されます。

緊急停止用のスイッチを手渡される際の説明をしっかり聞くことで、「いざとなったら止められる」という安心感を得られます。こうした心理的なバックアップが検査を支えます。

また、スタッフが「あと何分で終わります」とこまめに伝える配慮を行う病院も増えています。撮影範囲を絞るなどして拘束時間を短くする工夫を凝らし、負担軽減に努めています。

心理的不安を軽減する主な手段

対策名主なメリット留意点
開放型MRI圧倒的な開放感設置病院が限定的
鎮静剤の利用眠っている間に終了帰宅時の運転禁止
マイクでの通話孤独感の解消声を出さず意思表示可

検査前に必ず申告すべき既往歴と現在の体調

MRI検査を安全に遂行し、正しい診断結果を得るためには、過去の病歴や現在の体調の不安を医師に共有することが不可欠です。本人の自己判断による隠匿は非常に危険です。

造影剤アレルギーや喘息の経験に関するリスク管理

癌の広がりをより詳しく調べるために、造影剤という薬剤を注射することがあります。以前にこの薬剤でじんましんが出たことがある方は、再投与によって重い副作用が出る恐れがあります。

こうした背景から、現在治療中の喘息がある方も、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすリスクが高いため、原則として造影剤の使用を避ける方針が採られます。

造影剤を使わなくても一定の診断は可能ですが、より安全な代替検査を検討するための重要な判断材料となります。些細な体調変化の経験であっても、隠さず伝えることが大切です。

腎機能障害がある場合の造影MRIの制限

造影剤は主に腎臓から尿として排出されます。そのため、腎臓の働きが著しく低下している方が使用すると、体内に薬剤が長時間とどまり、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に、全身の皮膚が硬くなる重篤な合併症を引き起こすリスクが指摘されています。健康診断で腎機能の数値を注意されたことがある方や、透析を受けている方は必ず申告してください。

こうした情報を基に、最新の血液検査データを確認し、投与の可否を慎重に吟味します。安全を最優先に考え、必要に応じて造影剤を使用しない撮影プロトコルへと変更を行います。

妊娠初期や妊娠の可能性がある場合の判断基準

MRIは放射線を使用しないため、CTのような被曝の心配はありません。しかし、強力な磁場が胎児の細胞分裂にどのような影響を与えるかは、医学的に完全に解明されているわけではありません。

このため、国際的なガイドラインでは妊娠3ヶ月以内の検査は、生命に関わる緊急時を除いて推奨されていません。安全性が完全に証明されていない以上、慎重な対応が求められます。

こうした仕組みによって、胎児の健やかな成長を守るための配慮がなされています。妊娠の可能性がある場合は、検査を延期するか、超音波検査など他の方法を医師と相談しましょう。

医療機関への事前申告項目

  • アレルギー既往:薬剤によるじんましん等
  • 持病の有無:特に喘息や腎臓の病気
  • 妊娠の可能性:最終生理日の目安を把握する

検査当日をスムーズに迎えるための準備とマナー

病院に到着してから慌てないために、事前の準備を整えておくことが安全な検査への近道です。身の回りの品から服装に至るまで、徹底したチェックが必要です。

持ち込み厳禁な身の回りの品リスト

検査室に持ち込むと壊れてしまうもの、あるいはそれ自体が凶器となって飛んでいくものがあります。これらは検査室に入る前の更衣室ですべて取り外し、ロッカーに預けます。

時計やスマートフォンなどの電子機器は、強力な磁場によって一瞬で内部回路が破壊され、修復不能になります。また、キャッシュカードの磁気ストライプも読み取り不能になります。

こうしたトラブルを防ぐために、ヘアピンや眼鏡といった小さな金属製品まで、一つ残らずチェックする習慣をつけましょう。こうした細かい配慮が、機器の故障や事故を防ぐ盾となります。

貼り薬やシップ剤に含まれる成分の確認

意外な盲点が、ニコチンパッチや禁煙補助剤、鎮痛消炎効果のある貼り薬です。これらの一部にはアルミ箔などの金属層が含まれており、装着したままでは非常に危険な状態となります。

この状態でMRIを受けると、金属層が電磁波を吸収して異常発熱し、皮膚に深刻な火傷を負う事故が発生しています。見た目には金属とわからなくても、成分表の確認が大切です。

こうした事態を避けるため、検査当日は何も貼らずに来院するか、検査直前に更衣室で剥がす必要があります。予備の薬を持参しておけば、検査終了後に清潔な状態で貼り直せます。

服装の選び方と病院での着替えの必要性

多くの病院では、検査の安全性を完璧に期すために専用の検査着への着替えを依頼されます。自前の服で検査を受ける場合でも、ファスナーやホック、ボタンに金属がないか確認します。

特に注意が必要なのが、吸湿発熱素材の肌着です。これらには極微細な金属繊維が含まれている場合があり、発熱による低温火傷のリスクが医療機関から指摘されています。

こうした背景から、当日はできるだけ綿100%の素材を選ぶか、病院の指示に従って速やかに着替えを行いましょう。安全に検査を終えることが、何より確実な診断への第一歩となります。

当日の服装・持ち物のチェック

カテゴリ避けるべきもの推奨される対応
衣類機能性下着、金属装飾綿素材、検査着へ着替え
装身具ピアス、ネックレスすべてロッカーに預ける
医療用具貼り薬、カイロ検査前に取り外す

よくある質問

歯科治療の被せ物があっても検査は可能ですか?

一般的な虫歯治療で使用される銀歯や金歯、セラミックなどは、磁石に反応しないため検査に支障はありません。

ただし、入れ歯の固定に磁石を使っているタイプは、検査の磁力で磁石の性能が低下する恐れがあるため、事前の取り外しが必要です。また、頭部の撮影を行う場合、金属の詰め物によって画像がわずかに歪むことがありますが、多くの場合は診断に支障のない範囲です。

検査中に動いてしまったらどうなりますか?

MRIは非常に繊細な撮影方法であり、数ミリの動きでも画像がブレてしまいます。

写真がピンボケしたような状態になると、病変の有無が判断できなくなり、最初から撮り直しをすることになります。その分、検査時間が長くなってしまうため、可能な限り安静を保つ必要があります。

どうしても身体が痛いなどの不安がある場合は、検査前にスタッフへ伝えておくことで、クッションでの固定や撮影時間の調整などの配慮を受けられます。

授乳中でもMRI検査を受けられますか?

造影剤を使わない通常のMRI検査であれば、授乳を中断する必要はありません。

一方、造影剤を使用する場合でも、母乳中へ排出される量は極めて微量であり、赤ちゃんへの健康影響は非常に低いと考えられています。

多くの学会指針では授乳の中断は不要とされていますが、心配な方は検査後24時間ほど授乳を控えることで、より心理的な安心感を高めることができます。

過去にMRIを受けて問題なかったら今回も大丈夫ですか?

過去に問題がなかったとしても、今回の検査が同様に安全とは限りません。

前回以降に新たな手術や歯科治療を受けて体内に金属が増えている可能性があるためです。また、病院によってMRI装置の磁場の強さが異なり、以前の装置では大丈夫だった金属が、より強力な最新の装置では危険と判断される場合もあります。

毎回、最新の体の状態を正しく申告することが、事故を防ぐために最も重要です。

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この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医