PET検査の結果は当日わかる?検査から診断確定までの期間と当日の流れを紹介

PET検査の結果は当日わかる?検査から診断確定までの期間と当日の流れを紹介

PET検査を受けると決まったとき、多くの方が真っ先に気になるのは「結果はいつわかるのか」という点でしょう。検査当日に結果が出るケースもあれば、1〜2週間ほど待つ必要がある場合もあり、施設や検査目的によって大きく異なります。

この記事では、PET検査の結果が出るまでの一般的な期間や、当日の検査の流れ、結果を待つ間の過ごし方まで、がん診療に携わってきた経験をもとに丁寧に解説します。

PET検査の結果は当日にわかるのか、それとも後日になるのか

PET検査の結果が当日に伝えられるかどうかは、検査を受ける医療機関の体制や、検査の種類によって変わります。

速報的な結果を当日中に口頭で伝える施設もあれば、正式な読影レポートが完成するまで数日〜2週間かかる施設もあるというのが実情です。

検診センターと病院では結果報告のタイミングが違う

がん検診を専門に扱う検診センターでは、当日中に医師から簡単な所見を説明してもらえることがあります。受診者の不安を考慮して、速報として画像の概要を伝える方針を取っている施設が少なくありません。

一方、総合病院や大学病院では、主治医が画像診断の専門医に読影を依頼し、正式な報告書が作成されてから結果を説明するのが一般的です。そのため、結果が出るまでに1週間から2週間程度かかるケースも珍しくありません。

PET-CTとPET単独検査で結果報告にかかる時間は異なる

検査の種類結果報告の目安特徴
PET単独検査3日〜1週間代謝情報のみで判定
PET-CT検査1〜2週間CTとの重ね合わせで精度向上
検診目的PET当日〜1週間施設により速報あり

「当日わかる」と案内されても正式な結果ではない場合がある

当日に結果を伝えてもらえたとしても、それは速報にすぎない場合があります。画像診断の専門医が時間をかけて詳細に読み解いた正式なレポートとは、内容の精度が異なることを覚えておきましょう。

速報で「異常なし」と言われても、後日の正式結果で再検査を勧められるケースもゼロではありません。逆に、速報段階では気になる所見があっても、正式な読影で問題なしと判断される場合もあります。

結果報告が遅くても必ずしも悪い結果とは限らない

「結果が遅い=悪い知らせ」と考えてしまう方は多いかもしれません。しかし実際には、単に医療機関の業務スケジュールや読影医の繁忙状況によって遅れているだけのことがほとんどです。

不安が強い場合は、検査時に「結果はいつ頃届きますか」と確認しておくと、待っている間の気持ちが少し楽になるでしょう。

PET検査当日の流れはどう進むのか|到着から帰宅まで時間ごとに整理

PET検査は、薬剤の注射から撮影終了まで概ね2〜3時間を要します。事前に当日の流れを知っておくと、時間配分のイメージがつかみやすく、緊張も和らぎやすいです。

検査前の食事制限と血糖値の確認

PET検査で使用するFDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤は、ブドウ糖に似た性質を持っています。血糖値が高い状態だとFDGの集まり方に影響が出るため、検査前の4〜6時間は絶食する必要があります。

水やお茶など糖分を含まない飲み物は摂取可能ですが、清涼飲料水やスポーツドリンクは避けてください。検査当日には血糖値を測定し、基準値を超えている場合は検査が延期になるときもあります。

FDG注射から安静待機までの過ごし方

受付と問診が終わると、FDGを静脈注射します。注射自体は通常の採血と同じ程度の痛みで、数分で終わります。

注射後は、FDGが全身に行き渡るまで約1時間の安静が求められます。この間は読書やスマートフォンの操作も避け、リクライニングチェアなどで静かに過ごすのが一般的です。

筋肉を動かすとその部位にFDGが集まり、正確な画像が得られなくなるためです。

撮影にかかる時間と検査中の注意点

撮影時間は20〜30分ほどです。検査台に横になり、PET装置の中をゆっくりと移動しながら全身を撮影していきます。MRI検査のような大きな音は出ないため、比較的リラックスして受けられるでしょう。

ただし、撮影中に体を動かすと画像にブレが生じます。咳やくしゃみが出そうな場合は、事前にスタッフに伝えておくと安心です。

検査終了後から帰宅まで気をつけたいこと

撮影終了後は、しばらく院内で待機する施設もあります。体内に残ったFDGの放射線は時間とともに減衰していくため、帰宅後に特別な処置は不要です。

ただし、検査当日は小さなお子さんや妊婦の方との長時間の密接な接触を避けるよう案内されるときがあります。水分を多めに摂取すると、FDGの体外への排出が早まります。

時間帯内容所要時間の目安
受付・問診体調確認・血糖値測定15〜30分
FDG注射薬剤の静脈注射5分程度
安静待機FDGの全身分布を待つ約60分
撮影PET(またはPET-CT)撮影20〜30分
検査後待機追加撮影の有無を確認15〜30分

PET検査の読影から診断確定までにかかる期間はどれくらいか

読影とは、撮影された画像を専門医が分析し、所見をまとめることです。PET検査の場合、読影レポートが完成するまでに通常3日〜2週間程度かかり、さらに追加検査が必要になると診断確定までの期間はもう少し延びます。

画像診断専門医による読影の手順

PET画像の読影では、FDGの集まり具合(集積度)を全身にわたってチェックします。がん細胞はブドウ糖を多く消費する性質があるため、FDGが強く集まる部位はがんの疑いがあると判断されます。

ただし、炎症を起こしている組織にもFDGは集まりやすいため、がんと炎症を慎重に見分ける作業が欠かせません。読影医はCTやMRIなど他の画像データとも照らし合わせながら、総合的に判断していきます。

SUV値から読み取れるがんの活動性

SUV値評価の目安考えられる状態
2.5未満良性寄り正常組織・軽度炎症
2.5〜5.0要精査がんの疑い・慢性炎症
5.0以上悪性の疑い強い悪性腫瘍の可能性が高い

PET検査だけでは診断が確定しないケースもある

SUV値(Standardized Uptake Value)は、FDGの集積度を数値化したもので、がんの活動性を推測するための指標として広く使われています。しかし、SUV値だけでがんかどうかを断定できません。

PET検査はあくまでも「がんの疑いがある部位を見つけ出す」ための検査であり、確定診断には組織を採取して顕微鏡で調べる病理検査(生検)が必要になるケースがほとんどです。

追加検査が指示された場合の一般的なスケジュール

PET検査で気になる所見が見つかった場合、CT、MRI、超音波検査、内視鏡検査、あるいは生検といった追加検査が行われます。これらの追加検査まで含めると、最終的な診断が確定するまでに2〜4週間程度かかることも珍しくありません。

追加検査の日程は、主治医や医療機関のスケジュールによっても前後します。待ち時間が長いと不安が募りますが、正確な診断のために必要な手順であると考えてください。

PET検査の結果を正しく受け取るために準備しておきたいこと

検査結果の説明を受ける際に、事前の準備があるかないかで、理解度は大きく変わります。主治医の話をしっかり受け止めるために、いくつかのポイントを押さえておくと安心です。

結果説明の日に聞いておくべき質問リスト

医師から結果を聞くとき、緊張のあまり頭が真っ白になってしまうことは珍しくありません。聞きたいことをあらかじめメモにまとめておくと、大切な情報を聞き逃さずに済みます。

たとえば「FDGが集まっている部位はどこか」「悪性の可能性はどの程度か」「追加検査は必要か」「治療を始める場合のスケジュール感」といった項目をメモしておくとよいでしょう。

家族や信頼できる人と一緒に結果を聞くメリット

一人で結果を聞くのが不安な方は、家族やパートナーに同席してもらうのも選択肢の一つです。説明内容を複数の耳で聞くと、後から情報を整理しやすくなります。

同席者がいれば、患者本人が動揺してしまった場合でも、代わりに質問を続けてもらえるという安心感があります。

セカンドオピニオンを検討するタイミング

PET検査の結果に納得がいかない場合や、治療方針に迷いが生じた場合は、セカンドオピニオンの活用も視野に入れてください。別の医師の見解を聞くと、自分自身が納得して治療に臨めるようになります。

セカンドオピニオンを受ける際は、PET画像のデータやレポートを持参する必要があります。検査を受けた医療機関に依頼すれば、画像データの貸し出しや紹介状の作成に対応してもらえます。

結果の見方について自分でも調べておくと医師の説明が理解しやすくなる

医師からの説明を受ける前に、PET検査の結果レポートに記載される基本的な項目(SUV値、集積部位、読影所見など)について軽く調べておくと、説明の理解がスムーズになります。

ただし、インターネット上の情報だけで自己判断するのは危険です。あくまでも「医師の説明を理解するための予習」として活用してください。

準備項目内容メリット
質問メモ聞きたいことを箇条書きに聞き漏らし防止
同席者の手配家族やパートナーに同行依頼情報の共有と精神的支え
基礎知識の予習SUV値や読影所見の概要を把握説明の理解度が向上

PET検査で偽陽性・偽陰性が生じるのはどんなときか

PET検査は非常に優れた画像診断ですが、100%正確というわけではありません。がんではないのに「がんの疑い」と判定される偽陽性や、がんがあるのに見逃される偽陰性が起こる場合があります。

炎症や感染症がPET検査で偽陽性を引き起こす

FDGはがん細胞だけでなく、炎症を起こしている細胞にも集まります。たとえば、肺炎や結核、リウマチ性疾患、手術後の治癒過程にある組織などがFDGの高集積として映し出されることがあるのです。

こうした偽陽性を避けるためにも、検査前に現在の体調や治療中の病気があれば医師にきちんと伝えておくことが大切です。

がんの種類によってはPET検査で見つけにくいものがある

  • 高分化型の胃がん(増殖が緩やかでFDG集積が低い)
  • 腎臓・膀胱周辺のがん(尿中のFDGと重なり判別しにくい)
  • 肝細胞がんの一部(正常肝組織との区別が難しい)
  • 前立腺がんの一部(低悪性度ではFDG集積が目立たない)

FDGの集積が弱いがんは、PET検査だけでは検出しにくいため、CT・MRI・超音波など他の画像検査と組み合わせて総合的に評価する必要があります。

検査精度を左右する要因と受ける側ができる対策

PET検査の精度は、血糖値のコントロール、検査前の安静度、撮影装置の性能など複数の要因に左右されます。受ける側としては、検査前の食事制限と安静を確実に守ることが、正確な結果につながる一番の対策です。

糖尿病をお持ちの方は、事前に主治医と相談し、血糖コントロールの方法を調整しておくとよいでしょう。インスリン注射の時間を調整するなど、検査に向けた準備が求められる場合があります。

偽陽性・偽陰性が出ても冷静に対処するための心構え

PET検査の結果は、あくまでも診断の手がかりの一つです。偽陽性であれば追加検査で問題なしと判明しますし、偽陰性であっても他の検査で発見できる可能性が残っています。

一つの検査結果だけに一喜一憂するのではなく、医師と一緒に複数の検査結果を総合的に判断していく姿勢が大切です。

PET検査の結果を待つ間に感じる不安とどう向き合うか

PET検査を受けてから結果が出るまでの数日〜2週間は、多くの方にとって精神的に辛い期間です。漠然とした不安を抱え続けるのではなく、意識的に気持ちの整理をつける方法を見つけておくと、待機期間を少し穏やかに過ごせます。

結果待ちの不安は誰もが経験する自然な感情

「悪い結果だったらどうしよう」と考えてしまうのは、ごく自然な反応です。がんかもしれないという不安を抱えている状況で冷静でいられる人のほうが少ないです。

大切なのは、その不安を否定せずに受け入れることです。「不安を感じるのは当たり前だ」と自分に言い聞かせるだけでも、気持ちが少し楽になるときがあります。

インターネットでの過度な情報収集は逆効果になりやすい

不安なときほど、スマートフォンで病気や検査結果について検索を繰り返してしまいがちです。しかし、ネット上の情報は玉石混交であり、根拠の薄い記事や極端な体験談に触れると、かえって不安が増幅される恐れがあります。

信頼性の高い医療機関の公式サイトや、国立がん研究センターのがん情報サービスなど、エビデンスに基づいた情報源に限定して調べるのがよいでしょう。

結果を待つ期間に利用できる相談窓口

一人で抱え込まず、がん相談支援センターやかかりつけ医に気持ちを打ち明けるのも有効な手段です。がん相談支援センターは全国のがん診療連携拠点病院に設置されており、電話や対面で無料相談を受け付けています。

家族や友人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理される場合があります。一人で悩み続けないことが、精神的な健康を保つうえで大切なポイントです。

相談先特徴利用方法
がん相談支援センターがんに関する幅広い相談に対応電話・対面(無料)
かかりつけ医普段の健康状態を知っている受診時に相談
こころの健康相談統一ダイヤル精神的な不安全般に対応電話(0570-064-556)

PET検査を受ける前に知っておきたい費用と検査施設の選び方

PET検査は医療機関によって費用や対応範囲が異なるため、事前に確認しておくと安心です。自分に合った施設を選ぶためのポイントを押さえておきましょう。

PET検査にかかる費用の目安

  • 自費(がん検診など)の場合:8万〜12万円程度
  • 3割負担の場合:3万〜4万円程度

検査費用は施設や地域によって差があるため、予約時に確認しておくと安心です。

PET検査を受けられる施設を選ぶときの確認ポイント

PET検査は専用の装置が必要なため、対応できる施設は限られています。施設選びの際には、PET-CTに対応しているか、画像診断の専門医が常駐しているか、結果報告までの目安期間はどのくらいかといった点を事前に確認しましょう。

主治医からの紹介で検査施設が指定されることもありますが、検診目的であれば自分で施設を選べる場合もあります。口コミだけに頼らず、施設の公式サイトで設備や実績を確認するのが確実です。

予約から検査当日までに用意しておく持ち物

PET検査の予約が取れたら、当日までにいくつかの準備が必要です。保険証や紹介状(主治医から渡された場合)、過去の検査結果や画像データ、服用中の薬の一覧表などを忘れずに持参しましょう。

当日の服装は、金属のファスナーやボタンがない楽な服が望ましいです。検査着に着替える施設がほとんどですが、下着に金属パーツがあると着替えを求められることがあるため、スポーツブラなど金属を使用していない下着がおすすめです。

よくある質問

PET検査の結果報告は通常どのくらいの日数がかかるのか?

PET検査の結果報告にかかる日数は、検査施設や目的によって異なります。がん検診専門の施設では当日〜1週間程度で速報が伝えられるときもありますが、総合病院では読影レポートの作成に1〜2週間かかるのが一般的です。

正式な結果を急ぎたい場合は、検査予約の時点で結果報告のスケジュールを確認しておくとよいでしょう。施設によっては速報対応を行っている場合もあるため、事前に問い合わせるのがおすすめです。

PET検査で使用するFDGの放射線は体に害がないのか?

PET検査で用いるFDGに含まれる放射性物質の量はごく微量であり、通常は健康に影響を及ぼさないとされています。被ばく量は胸部CT検査1回分と同程度かそれ以下で、検査後は時間の経過とともに放射線は自然に減衰します。

体内に入ったFDGは主に尿として排出されるため、検査後に水分を多めに摂ると排出を促せます。妊娠中や授乳中の方は検査前に必ず医師に相談してください。

PET検査の前日や当日に薬を飲んでも問題ないのか?

PET検査の前日および当日の服薬については、薬の種類によって対応が異なります。降圧剤や心臓の薬など、日常的に服用している薬は少量の水で服用して構わないケースが多いです。

ただし、糖尿病治療薬(特にインスリン製剤)は血糖値に影響するため、検査の数時間前から調整が必要になる場合があります。自己判断で休薬するのは危険ですので、必ず事前に検査施設と主治医に確認してください。

PET検査を受けた後に仕事や運動をしても大丈夫か?

PET検査が終わった後のデスクワーク程度の仕事であれば、通常は問題ありません。検査自体に身体的な負担はほとんどなく、体調が安定していれば日常生活に戻ることが可能です。

ただし、激しい運動は検査当日は控えたほうが無難です。FDGの放射線が完全に減衰するまでには数時間かかるため、小さなお子さんや妊婦の方との密接な接触を一定時間避けるよう案内される場合があります。

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この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医