
乳がんの約5~10%は、BRCA1やBRCA2という遺伝子の変異が原因で発症するといわれています。もし自分や家族がこの変異を持っていたら、どのようなリスクがあり、何ができるのか。不安を感じるのは当然のことです。
この記事では、BRCA遺伝子検査の方法や陽性だった場合の対策、家族への遺伝の仕組みまでを、医学的根拠にもとづいてわかりやすく解説します。正しい知識が、あなたと大切な家族を守る力になるでしょう。
不安を抱えたままではなく、具体的な行動につなげるための情報をお届けします。
BRCA遺伝子の変異があると乳がんリスクは一般女性の何倍になるのか
BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異がある女性は、生涯で乳がんを発症する確率が60~85%に達し、一般女性の約13%と比較すると5倍以上のリスクを抱えています。遺伝子の種類によってリスクの高さや関連するがんの種類にも違いがあるため、正確に把握しておくことが大切です。
BRCA1とBRCA2では乳がん・卵巣がんのリスクに差がある
BRCA1遺伝子に変異がある場合、生涯の乳がん発症率はおよそ72%と報告されています。一方、BRCA2変異保有者の場合は約69%です。数値上は大きな差がないように見えるかもしれません。
ただし、卵巣がんのリスクにははっきりとした違いがあります。BRCA1変異では卵巣がんの生涯発症率が約44%であるのに対し、BRCA2変異では約17%とされています。どちらの遺伝子に変異があるかによって、注意すべきがんの種類が変わってきます。
一般女性との比較で見るBRCA変異保有者の発症リスク
一般的な日本人女性が生涯で乳がんにかかる確率は約11人に1人、つまりおよそ9%です。BRCA変異を持つ女性の発症率は60%を超えるため、約6~7倍のリスク差があるといえます。
卵巣がんについても、一般女性の生涯リスクが約1%であるのに対し、BRCA1変異保有者は40倍以上の開きがあります。この数字は決して脅すためのものではなく、適切な対策を講じるための出発点になるものです。
BRCA変異保有者と一般女性の生涯がん発症リスク比較
| がんの種類 | 一般女性 | BRCA変異保有者 |
|---|---|---|
| 乳がん | 約9~13% | 約60~85% |
| 卵巣がん | 約1% | 約17~44% |
| 対側乳がん(20年以内) | 約8% | 約26~40% |
家族に乳がん経験者がいるなら遺伝性を疑う根拠がある
親やきょうだいなど血縁者に乳がんや卵巣がんの経験者がいる場合、遺伝性乳がんの可能性を考える必要があります。とくに50歳未満での発症や、両側乳がん、男性の乳がんは遺伝性を強く示唆する特徴です。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)は常染色体優性遺伝の形式をとるため、親が変異を持っていれば子どもに50%の確率で受け継がれます。家族歴がある方は、一度専門医に相談してみることをおすすめします。
BRCA遺伝子検査の方法・費用・対象者を正しく把握しよう
BRCA検査は血液を採取して遺伝子の変異を調べるもので、検査自体は比較的簡単に受けられます。ただし、検査を受ける前に遺伝カウンセリングを受け、結果がもたらす意味を正しく理解しておくことが大切です。
BRCA検査は採血だけで完了する
BRCA検査では、腕から少量の血液を採取するだけで済みます。採取した血液からDNAを抽出し、BRCA1およびBRCA2遺伝子の塩基配列を解析します。結果が出るまでにはおおむね3~4週間かかるのが一般的です。
検査は全国の大学病院やがん診療連携拠点病院などで受けることができます。検査結果の解釈には専門的な知識が求められるため、遺伝専門の外来を備えた医療機関を選ぶと安心でしょう。
BRCA検査を受けたほうがよい人の条件
米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、乳がんや卵巣がんの家族歴がある女性、またはアシュケナージ系ユダヤ人などの特定の民族的背景を持つ方に対し、リスク評価と遺伝カウンセリングを推奨しています。日本でもNCCNガイドラインを参考にした基準が広まりつつあります。
具体的には、若年で乳がんを発症した方、血縁者に複数のがん患者がいる方、男性で乳がんにかかった方などが検査対象の目安です。自分が該当するかどうか判断に迷ったら、まずはかかりつけ医に家族歴を伝えてください。
遺伝カウンセリングは検査前に受けておくと心構えができる
遺伝カウンセリングとは、遺伝専門の医師やカウンセラーが検査の目的やメリット、デメリット、結果がもたらす心理的影響について丁寧に説明してくれる場です。検査前に受けておくことで、結果をどう受け止めるべきかの準備ができます。
陽性だった場合の対処法だけでなく、陰性でもリスクがゼロになるわけではないことや、結果を家族にどう伝えるかなど、さまざまな問題を事前に整理できるのが大きなメリットです。
BRCA検査の流れ
| 段階 | 内容 | 所要期間 |
|---|---|---|
| 事前相談 | 遺伝カウンセリング | 約60分 |
| 検体採取 | 採血(数mL) | 数分 |
| 結果説明 | 遺伝カウンセラーが解説 | 3~4週間後 |
BRCA検査で陽性と判明したときに直面する乳がん・卵巣がんリスク
BRCA検査で「陽性」、つまり遺伝子変異が見つかったとしても、すぐにがんが発症するわけではありません。陽性はあくまで「がんになりやすい体質を持っている」ことを意味し、適切な対策を取ることでリスクを大幅に下げることが可能です。
BRCA1陽性の女性が生涯で乳がんになる確率は約72%
大規模な前向きコホート研究によると、BRCA1変異保有者が80歳までに乳がんを発症する累積リスクは約72%と報告されています。この数値は一般女性の5倍以上にあたり、決して軽視できません。
ただし裏を返せば、BRCA1変異を持っていても約28%の方は乳がんを発症しないということでもあります。リスクの高さに圧倒されず、冷静に対策を考えることが何より大切です。
BRCA2陽性なら卵巣がんへの備えも欠かせない
BRCA2変異保有者の乳がんリスクは約69%で、BRCA1とほぼ同等です。卵巣がんのリスクはBRCA1よりは低いものの、一般女性の約17倍に達します。乳がんだけでなく卵巣がんの検診体制も同時に整えたいところです。
BRCA2変異は男性の乳がんリスクとも関連しており、一般男性の約0.1%に対して最大7%まで上昇するとされています。女性だけの問題ではないことを、家族全体で認識しておきましょう。
BRCA1とBRCA2のリスク比較
| 項目 | BRCA1変異 | BRCA2変異 |
|---|---|---|
| 乳がん(生涯) | 約72% | 約69% |
| 卵巣がん(生涯) | 約44% | 約17% |
| 男性乳がん(70歳まで) | 約1% | 約7% |
対側乳がんのリスクも見落とさないでほしい
BRCA変異保有者が片側の乳がんを経験したあと、反対側の乳房にも新たにがんが発生するリスクは20年間で26~40%に及びます。一般の乳がん経験者では約8%であるため、対側乳がんへの警戒は通常よりもはるかに高い水準で求められます。
このため、片側の乳がん治療後に予防的な対側乳房切除を選ぶ方もいます。対側乳がんの発症リスクを考慮して、担当医としっかり相談しながら方針を決めていきましょう。
BRCA陽性と判明したあとに選べる予防的手術とリスク低減策
BRCA変異が陽性と分かった場合、予防的手術(リスク低減手術)を含むさまざまな対策でがんの発症リスクを大幅に減らせます。選択肢をしっかり理解したうえで、自分に合った方法を主治医と一緒に決めることが大切です。
予防的乳房切除術で乳がんリスクを90%以上低減できる
予防的両側乳房切除術(リスク低減乳房切除術)は、BRCA変異保有者の乳がん発症リスクを90~95%低下させるとの報告があります。2001年にオランダで行われた前向き研究でも、予防的乳房切除を受けた76名の変異保有者からは乳がんの発症が認められませんでした。
ただし、リスクをゼロにすることは難しく、わずかな乳腺組織が残る可能性があるため完全な予防にはなりません。手術を受けるかどうかは、身体的な負担だけでなく心理的な影響も含めて慎重に判断してください。
予防的卵巣卵管摘出術は卵巣がんと乳がんの両方に効果がある
リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)は、卵巣がんの発症リスクを約80%低減させるだけでなく、閉経前に実施した場合は乳がんリスクの低減にもつながるとされています。卵巣を摘出するとエストロゲンの分泌が減少し、ホルモン依存性の乳がん発症を抑える効果が期待できるためです。
RRSOは一般的に35~40歳以降、出産の希望がなくなった時点で検討されます。閉経前の卵巣摘出は更年期症状を引き起こす場合もあるため、メリットとデメリットを十分に理解したうえで判断することが求められます。
薬物療法でリスクを下げる方法もある
タモキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、BRCA2変異保有者の乳がんリスク低減に一定の効果を示す報告があります。ただし、BRCA1変異保有者に対する効果は限定的とされているため、変異の種類によって薬の選択が変わってきます。
薬物療法を選ぶ場合は、副作用のリスクや服用期間なども含めて主治医と綿密に話し合うことが大切です。手術に踏み切れない方にとって、薬による予防は有力な選択肢のひとつになるでしょう。
BRCA変異保有者の主なリスク低減策
| 対策 | 対象がん | リスク低減率 |
|---|---|---|
| 予防的乳房切除術 | 乳がん | 約90~95% |
| 予防的卵管卵巣摘出術 | 卵巣がん・乳がん | 卵巣がん約80% |
| 薬物療法(SERM) | 乳がん | 限定的 |
BRCA変異保有者のサーベイランス(定期検診)は25歳から始めたい
予防的手術を選択しない場合、あるいは手術までの間にも、定期的ながん検診(サーベイランス)を受けることでがんの早期発見につなげることができます。BRCA変異保有者に対しては、一般のがん検診よりも早い年齢から、より精密な検査を組み合わせたスケジュールが推奨されています。
乳房MRIとマンモグラフィを併用した検診が効果的
NCCNガイドラインでは、BRCA変異保有者に対して25歳から年1回の乳房MRI検査を開始し、30歳からはマンモグラフィとMRIの両方を年1回ずつ受けることを推奨しています。MRI検査はマンモグラフィ単独よりも感度が高く、とくに若年の乳腺密度が高い女性で有用です。
マンモグラフィだけでは発見が困難な乳がんもあるため、両方の検査を組み合わせることで検出率が約80%まで向上するとの報告もあります。定期的な検診を継続し、変化があれば早めに主治医へ伝えましょう。
卵巣がん検診には現時点で明確な有効策が確立していない
卵巣がんの早期発見は医学的にも大きな課題です。経腟超音波検査やCA-125(腫瘍マーカー)の測定が行われることがありますが、これらの検査では早期の卵巣がんを確実に発見できるわけではありません。
そのため、卵巣がんのリスクが高い方に対しては、検診よりも予防的な卵管卵巣摘出術が第一選択として検討されることが多いのが現状です。検診と手術のどちらを選ぶかは、年齢や出産計画、心理的な準備状況によって異なります。
BRCA変異保有者に推奨される主な検診項目
- 25歳から年1回の乳房MRI
- 30歳から年1回のマンモグラフィ
- 月1回のセルフチェック(乳房の自己触診)
- 卵巣がんについては経腟超音波やCA-125測定を担当医と相談
男性のBRCA変異保有者も検診の対象になる
BRCA変異は女性だけの問題ではなく、男性も変異を持つ可能性があります。とくにBRCA2変異を持つ男性は乳がんや前立腺がんのリスクが上昇するため、35歳からの臨床乳房検査や、40歳からの前立腺がん検診が推奨されています。
男性は自分が乳がんになるとは思いにくいかもしれませんが、家族にBRCA変異が見つかった場合は男性も検査と検診の対象に含まれます。性別を問わず、家族全体でリスクを共有する姿勢が求められるでしょう。
BRCA変異は50%の確率で子どもに遺伝する|血縁者への伝え方
BRCA遺伝子の変異は常染色体優性遺伝の形式をとるため、変異を持つ親から子どもへ50%の確率で引き継がれます。自分の検査結果を家族にどう伝えるかは、多くの方が悩むところですが、情報を共有することが家族全体のがん予防につながります。
常染色体優性遺伝とは「親から子へ50%の確率で受け継がれる」こと
人間の遺伝子は父親と母親から1セットずつ、計2セットを受け継ぎます。BRCA変異は片方の遺伝子に変異があるだけで発症リスクが高まる「優性遺伝」の形式です。親がBRCA変異を持っている場合、子どもがその変異を受け継ぐ確率はちょうど50%になります。
変異を受け継がなかった子どもは、その変異によるリスク上昇の心配はありません。ただし、遺伝子検査を受けるまではどちらに該当するか分からないため、血縁者への検査の案内が重要になります。
親・きょうだい・子どもに検査を勧めるときは心の準備を
遺伝子検査の結果を家族に伝えるのは、心理的な負担が大きい行為です。とくに「あなたも変異を持っているかもしれない」という話は、相手に不安を与える可能性もあります。伝える際は、事前に遺伝カウンセラーに相談し、伝え方のアドバイスを受けておくのがよいでしょう。
研究によると、BRCA変異保有者が検査を受けた主な動機は「子どものため」であったと報告されています。家族の健康を守りたいという気持ちが、結果的に早期発見や予防的な対策につながるケースは少なくありません。
遺伝情報の共有が家族の命を守る第一歩になる
BRCA変異が家族内で判明した場合、血縁者がカスケード検査(家系内で見つかった変異を対象とした検査)を受けることで、リスクの高い方を早期に特定できます。早い段階でリスクが分かれば、検診の開始時期や予防策を前倒しで計画できるのです。
遺伝情報を共有することは、家族内で難しい会話を生むこともありますが、長い目で見れば大きな恩恵をもたらします。家族みんなで向き合い、それぞれに合った対策を取ることが、がんから身を守る確かな力になるはずです。
家族に遺伝情報を伝える際のポイント
- 遺伝カウンセラーに事前相談して伝え方を整理する
- 相手の気持ちに配慮しつつ、検査の選択権は本人に委ねる
- 陽性でも対策があることをセットで伝える
- 子どもへの伝達は年齢に応じたタイミングで行う
PARP阻害薬オラパリブはBRCA変異陽性の乳がん治療で成果を上げている
BRCA変異が陽性であることは、治療の選択肢を広げる手がかりにもなります。PARP阻害薬であるオラパリブは、BRCA変異陽性のHER2陰性乳がんに対して高い治療効果を示しており、転移性乳がんだけでなく術後補助療法としても承認されています。
PARP阻害薬が効く仕組み「合成致死」とは
PARP(ポリADPリボースポリメラーゼ)は、DNAの一本鎖切断を修復する酵素です。正常な細胞ではBRCA遺伝子が二本鎖切断の修復を担っていますが、BRCA変異がある細胞ではこの修復機能が失われています。
PARP阻害薬でPARPの働きも止めると、がん細胞はDNA修復の手段を両方とも失い、死滅に至ります。正常細胞にはBRCA機能が保たれているため、がん細胞だけを選択的に攻撃できるのが大きな特徴です。この仕組みは「合成致死」と呼ばれています。
PARP阻害薬の主な臨床試験結果
| 試験名 | 対象 | 主な結果 |
|---|---|---|
| OlympiAD | 転移性乳がん | 無増悪生存期間7.0か月 vs 4.2か月 |
| OlympiA | 早期乳がん(術後) | 3年無浸潤疾患生存率85.9% vs 77.1% |
OlympiAD試験・OlympiA試験で証明された治療効果
2017年に発表されたOlympiAD試験では、BRCA変異陽性でHER2陰性の転移性乳がん患者において、オラパリブ投与群は標準化学療法群と比較して無増悪生存期間が2.8か月長く、病勢進行または死亡のリスクを42%低減しました。
さらに2021年のOlympiA試験では、高リスクの早期乳がん患者に対する術後補助療法として、1年間のオラパリブ投与がプラセボと比較して浸潤性疾患の再発や死亡のリスクを42%低下させたと報告されています。BRCA検査の結果が、治療の進め方を左右する時代に入っているといえるでしょう。
BRCA検査結果が治療薬の選択を左右する時代になった
かつては乳がんの治療法を決める際、BRCA変異の有無はそれほど重視されていませんでした。しかしPARP阻害薬の登場により、BRCA検査の結果が治療方針に直結するようになりました。
乳がんと診断された段階でBRCA検査を受けておくことで、より効果的な治療薬の選択が可能になります。とくに若年発症やトリプルネガティブ乳がんの方は、BRCA検査を検討する価値が十分にあるでしょう。
よくある質問
BRCA遺伝子検査は何歳から受けられるのか?
BRCA遺伝子検査に法的な年齢制限はありませんが、一般的には18歳以上が対象とされています。未成年に対する検査は、結果がもたらす心理的影響への配慮から慎重に判断されます。
多くのガイドラインでは、検診開始の目安となる25歳より前に検査結果を把握しておくことが望ましいとしています。家族にBRCA変異保有者がいる場合は、成人したタイミングで遺伝カウンセリングを受け、検査の要否を相談するとよいでしょう。
BRCA検査の結果が陰性なら乳がんのリスクはなくなるのか?
BRCA検査が陰性であっても、乳がんのリスクがゼロになるわけではありません。乳がん全体の約90%はBRCA変異とは無関係に発症するため、一般的ながん検診は引き続き受ける必要があります。
また、BRCA以外にもATMやCHEK2、PALB2など乳がんリスクを高める遺伝子変異が存在します。BRCA陰性の結果だけで安心せず、家族歴やその他のリスク因子を含めて総合的に判断することが大切です。
BRCA変異は父親から遺伝することもあるのか?
BRCA変異は父親から遺伝する可能性が十分にあります。BRCA1およびBRCA2は常染色体上に存在するため、性別に関係なく親から子へ50%の確率で受け継がれます。
父親がBRCA変異の保有者であっても、男性は乳がんの発症率が低いため変異に気づかないまま過ごしているケースが少なくありません。母方だけでなく父方の家族歴にもがんの既往がないか確認しておくことが大切です。
BRCA変異陽性と診断されたあとの精神的な不安にはどう対処すればよいか?
BRCA変異陽性の結果を受け取ったあと、不安や動揺を感じるのは自然な反応です。研究では、変異保有者は非保有者と比べて一時的に心理的ストレスが高まる傾向が報告されています。
遺伝カウンセラーや心理士によるサポートを積極的に活用してください。同じ立場の方々が参加する患者会やオンラインコミュニティも、孤立感を和らげる助けになるでしょう。時間の経過とともに多くの方が前向きな対処法を見つけていることも分かっています。
BRCA変異保有者が出産を希望する場合、特別な配慮は必要か?
BRCA変異保有者が妊娠・出産を希望する場合、予防的卵巣卵管摘出術のタイミングを出産後に調整するなどの計画が必要になります。主治医や遺伝カウンセラーと早い段階で相談し、がん予防と出産計画の両立を図ることが大切です。
また、着床前遺伝学的検査(PGT)を利用して、BRCA変異を持たない胚を選択する方法も選択肢のひとつです。妊娠を希望する時期や個人の価値観によって判断は異なりますので、専門家と十分に話し合ったうえで方針を決めてください。
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前田 祐助 医学博士 / 医師
慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医