肺がんの免疫療法ガイド|免疫チェックポイント阻害薬の効果と対象となる方

肺がんの免疫療法ガイド|免疫チェックポイント阻害薬の効果と対象となる方

肺がんと診断されたとき、多くの方が「自分に合う治療法はあるのだろうか」と不安を抱えるでしょう。近年、免疫チェックポイント阻害薬の登場によって、肺がん治療の選択肢は大きく広がりました。

この薬は、体が本来持っている免疫の力を取り戻すことで、がん細胞への攻撃を促す治療法です。従来の抗がん剤とは仕組みが異なり、一部の患者さんでは長期にわたる効果も報告されています。

本記事では、免疫療法の基本的な仕組みから、対象となる方の条件、副作用への備えまで、肺がん治療に向き合うあなたに寄り添いながら丁寧に解説します。

免疫療法の登場で肺がん治療は大きく変わった

肺がんの薬物治療は、免疫チェックポイント阻害薬が加わったことで選択肢が飛躍的に増えました。従来の治療では難しかった長期生存が、一部の患者さんで実現するようになっています。

従来の抗がん剤治療が抱えていた限界とは

1990年代まで、肺がんの薬物治療は殺細胞性抗がん剤が中心でした。この薬はがん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与えるため、吐き気や脱毛、免疫力の低下といった副作用が大きな負担となっていたのです。

進行期の非小細胞肺がんでは、抗がん剤による治療を行っても生存期間は1年から2年程度と短く、患者さんやご家族にとっては厳しい現実がありました。

分子標的薬という次の一手が切り開いた道

2000年代に入り、がんの発生に関わる特定の遺伝子変異を狙い撃ちにする分子標的薬が登場しました。EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子を持つ患者さんには高い効果を示し、治療成績が大幅に改善されたのです。

肺がん治療の変遷

時代主な治療薬特徴
1990年代まで殺細胞性抗がん剤がん細胞と正常細胞の両方に作用
2000年代分子標的薬特定の遺伝子変異を持つ方に有効
2015年以降免疫チェックポイント阻害薬自身の免疫力を活用してがんを攻撃

免疫チェックポイント阻害薬が第三の柱になった

2015年にニボルマブ、2016年にペムブロリズマブが日本で承認され、肺がん治療に免疫療法という新たな柱が加わりました。分子標的薬の恩恵を受けられない患者さんにも、効果が期待できる治療法として注目を集めています。

特筆すべきは、一部の患者さんで5年以上の長期生存が確認されている点でしょう。がんの一時的な縮小ではなく「元気に長く生きる」という希望を、多くの方にもたらしています。

免疫チェックポイント阻害薬が肺がん細胞を攻撃する仕組み

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫にかけている「ブレーキ」を外すことで、体が本来持つ防御力を回復させる薬です。従来の抗がん剤とはまったく異なる仕組みで効果を発揮します。

免疫の「ブレーキ」をがん細胞が悪用するからくり

私たちの体にはT細胞と呼ばれる免疫細胞が備わっており、がん細胞などの異物を見つけると攻撃する働きを持っています。一方で、T細胞には免疫が過剰になるのを防ぐためのブレーキ機能も存在します。

T細胞の表面にはPD-1というたんぱく質があり、正常な細胞の表面にあるPD-L1と結合するとT細胞の働きが弱まります。がん細胞はこの仕組みを巧みに利用し、自身の表面にPD-L1を大量に出すことで、免疫からの攻撃を逃れているのです。

薬がブレーキを解除して免疫の力を取り戻す

PD-1阻害薬はT細胞側のPD-1に、PD-L1阻害薬はがん細胞側のPD-L1に結合します。どちらの場合も、PD-1とPD-L1の結合を妨げることでブレーキを解除し、T細胞が再びがん細胞を攻撃できる状態へ導きます。

さらにCTLA-4阻害薬は、T細胞の活性化そのものを促進する働きを持っており、PD-1阻害薬やPD-L1阻害薬とは異なる経路で免疫の力を高めてくれます。

従来の抗がん剤との違いを正しく押さえておこう

殺細胞性抗がん剤は薬の力でがん細胞を直接破壊するのに対し、免疫チェックポイント阻害薬は患者さん自身の免疫系を介して間接的にがんを攻撃します。そのため、副作用の種類も大きく異なり、治療中の体の変化にも独自の注意点があるでしょう。

免疫チェックポイントの種類と対応する薬剤

チェックポイント薬の種類作用する場所
PD-1PD-1阻害薬T細胞の表面
PD-L1PD-L1阻害薬がん細胞の表面
CTLA-4CTLA-4阻害薬T細胞の表面

肺がんの免疫療法で使われる代表的な治療薬と特徴

肺がんの治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬は複数あり、それぞれ対象となるがんの種類や投与スケジュールが異なります。主治医と相談する際の参考として、代表的な薬剤の特徴を整理しました。

ニボルマブ(オプジーボ)は二次治療から幅広く使える

ニボルマブは2015年に日本で承認されたPD-1阻害薬です。非小細胞肺がんの二次治療(初回治療の後に行う治療)では、がんの組織型を問わず使用できる点が特徴といえます。

投与間隔は2週間に1回で、1回あたり30分から1時間程度の点滴で治療を行います。副作用の管理が必要なため、治療初期は定期的な通院が求められるでしょう。

ペムブロリズマブ(キイトルーダ)は一次治療にも対応

ペムブロリズマブは2016年に承認されたPD-1阻害薬で、がん細胞のPD-L1発現率が50%以上の患者さんには初回治療から単独で使えます。投与間隔は3週間に1回で、通院の負担がやや軽い点もメリットの一つです。

主な免疫チェックポイント阻害薬の比較

薬剤名分類投与間隔
ニボルマブPD-1阻害薬2週間ごと
ペムブロリズマブPD-1阻害薬3週間ごと
アテゾリズマブPD-L1阻害薬3週間ごと
デュルバルマブPD-L1阻害薬2〜4週間ごと
イピリムマブCTLA-4阻害薬6週間ごと

アテゾリズマブやデュルバルマブも治療の選択肢に入る

アテゾリズマブはPD-L1阻害薬の一つで、抗がん剤との併用療法として初回治療にも使用されています。進展型小細胞肺がんでは、抗がん剤と組み合わせた治療法も承認されました。

デュルバルマブは手術が難しいステージ3の非小細胞肺がんに対し、放射線化学療法後の維持療法として用いられます。再発リスクを抑える目的で、治療後に一定期間投与を続ける薬です。

CTLA-4阻害薬イピリムマブは併用で効果を発揮する

イピリムマブは、CTLA-4と呼ばれるT細胞上のたんぱく質に作用するCTLA-4阻害薬です。現在、肺がんでは単独での使用は行わず、ニボルマブとの併用療法として活用されています。

2種類の免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせることで、PD-L1の発現率が低い患者さんでも効果が得られる場合があり、2020年11月に非小細胞肺がんへの併用療法として承認されました。

免疫チェックポイント阻害薬の対象となる方の条件を整理した

免疫チェックポイント阻害薬はすべての肺がん患者さんに使えるわけではありません。がんの種類やステージ、PD-L1発現率、体の状態など、いくつかの条件を満たす方が対象になります。

非小細胞肺がんと小細胞肺がんで適応が異なる

非小細胞肺がんでは、PD-1阻害薬・PD-L1阻害薬・CTLA-4阻害薬のいずれも治療の選択肢に入ります。一方、小細胞肺がんではPD-L1阻害薬が抗がん剤との併用療法として用いられるのが一般的です。

がんの組織型(腺がん・扁平上皮がんなど)によっても、推奨される治療の組み合わせが変わるため、病理検査の結果を主治医と一緒に確認しましょう。

PD-L1発現率が治療選択の大きな指標になる

がん細胞の表面にどれだけPD-L1たんぱく質が発現しているかを調べる検査が、治療方針を決めるうえで重要な判断材料になります。PD-L1発現率が50%以上の方は、ペムブロリズマブ単独での初回治療が選択肢に入ります。

発現率が1%以上50%未満の方には、抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療法が検討されるケースが多いでしょう。発現率が1%未満でも、併用療法が適応になる場合があります。

ドライバー遺伝子変異が陽性の場合は注意が必要

EGFRやALKなどのドライバー遺伝子変異が見つかった場合、まず分子標的薬による治療が優先されます。遺伝子変異が陽性の方では免疫チェックポイント阻害薬の効果が限定的であるとの報告があるためです。

分子標的薬による治療後にがんが進行した場合は、免疫チェックポイント阻害薬が二次治療の候補になることもあります。主治医と治療の順序について十分に話し合うことが大切です。

免疫チェックポイント阻害薬が検討される主な条件

  • 非小細胞肺がんのステージ3(手術不能)またはステージ4と診断された方
  • PD-L1発現率の検査結果が判明している方
  • ドライバー遺伝子変異(EGFR・ALKなど)が陰性である方
  • 全身状態(PS)が良好で、日常生活に大きな支障がない方

肺がんの免疫療法で注意すべき副作用とその対処法

免疫チェックポイント阻害薬の副作用は、従来の抗がん剤とは種類が異なります。免疫が過剰に働くことで自分自身の臓器を攻撃してしまう「免疫関連副作用」が起こりうるため、正しい知識を身につけておきましょう。

免疫関連副作用は全身のどの臓器にも出る可能性がある

免疫チェックポイント阻害薬は免疫の「ブレーキ」を外す薬であるため、免疫が過剰に活性化すると正常な臓器まで攻撃してしまうことがあります。皮膚、肺、肝臓、腸、甲状腺など、発症する部位は全身に及びます。

殺細胞性抗がん剤と比べると全体的な副作用の頻度は低い傾向にありますが、まれに重篤な症状を引き起こす場合もあるため、体調の小さな変化にも注意を払いたいところです。

間質性肺炎と内分泌障害には特に気をつけたい

間質性肺炎は、空咳や息切れ、発熱といった症状で気づくことが多い副作用です。放置すると呼吸機能が低下するおそれがあるため、治療中にこれらの症状が出た場合は速やかに医師へ報告してください。

甲状腺機能障害や1型糖尿病といった内分泌系の副作用も報告されています。だるさや体重の急な変動、口の渇き、尿量の増加などがサインになることがあるでしょう。

免疫関連副作用と主な初期症状

副作用の種類影響を受ける臓器主な初期症状
間質性肺炎空咳、息切れ、発熱
大腸炎消化管下痢、腹痛、血便
甲状腺機能障害甲状腺だるさ、体重変動、むくみ
肝機能障害肝臓黄疸、全身倦怠感
1型糖尿病膵臓口渇、多尿、体重減少
皮膚障害皮膚発疹、かゆみ、水疱

副作用が出たときの対処は「早めの相談」が鉄則

免疫関連副作用は治療開始後2か月以内に多く見られますが、投与を終えた後に数週間から数か月遅れて発症することもあります。「治療が終わったから安心」と油断しないことが大切です。

副作用の程度によっては、免疫チェックポイント阻害薬の投与を中止し、ステロイド剤で免疫を抑える治療を行う場合もあります。自己判断で我慢せず、気になる症状を感じたら主治医や看護師、薬剤師に早めに相談してください。

家族と一緒に副作用の知識を共有しておこう

副作用の症状は患者さん自身では気づきにくい場合もあります。ご家族や身近な方にもあらかじめ起こりうる症状を伝えておくと、早い段階で体調の変化を察知してもらえるかもしれません。

治療を始める前に、主治医から副作用に関する説明を受ける機会があるはずです。そのとき疑問に思ったことは遠慮なく質問し、不安を一つずつ解消していきましょう。

免疫チェックポイント阻害薬と抗がん剤の併用療法が広がっている

近年、免疫チェックポイント阻害薬を抗がん剤や他の免疫薬と組み合わせる「併用療法」が急速に普及しています。単独療法よりも幅広い患者さんに治療効果が期待できるとして、臨床の現場で積極的に取り入れられるようになりました。

抗がん剤との併用で治療の適応範囲が広がった

2018年以降、ペムブロリズマブやアテゾリズマブとプラチナ製剤を組み合わせた併用化学療法が初回治療として承認されました。抗がん剤を併用することで、PD-L1の発現率が低い患者さんでも治療効果が得られる場合があります。

ただし、併用療法は単独投与よりも副作用が強く出る傾向にあります。体力や全身状態、合併症の有無を考慮したうえで、主治医と治療のメリットとリスクを天秤にかけて判断することが求められるでしょう。

2種類の免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせる複合免疫療法

ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、PD-1経路とCTLA-4経路の2つのブレーキを同時に解除することで、より強力な抗腫瘍免疫を引き出すことを狙った治療です。

PD-L1発現率が低い患者さんにも有効性が期待できる点や、長期的な生存に寄与する可能性がある点が、複合免疫療法の大きな利点といえます。

手術の前後に免疫チェックポイント阻害薬を使う周術期治療

手術が可能なステージの非小細胞肺がんでも、手術前に免疫チェックポイント阻害薬と抗がん剤を投与してがんを縮小させたり、手術後に投与して再発を防いだりする周術期治療が広がっています。

手術で取りきれないがん細胞を免疫の力で排除するという考え方に基づいており、今後さらに治療の幅が広がっていく分野です。

  • 抗がん剤+免疫チェックポイント阻害薬の併用化学療法
  • ニボルマブ+イピリムマブの複合免疫療法
  • 手術前後に免疫チェックポイント阻害薬を用いる周術期治療
  • 放射線化学療法後の維持療法としてのデュルバルマブ投与

主治医への相談前に押さえておきたい免疫療法の基礎知識

免疫チェックポイント阻害薬による治療を検討する際、主治医とスムーズに話し合うためには事前の知識が助けになります。治療の流れや確認すべきポイントを、あらかじめ整理しておきましょう。

治療を始める前に必要な検査の内容を知っておく

免疫チェックポイント阻害薬の適応を判断するためには、まずがん組織を用いたPD-L1免疫染色検査が行われます。がん細胞の表面にどの程度PD-L1たんぱく質が発現しているかを調べる検査です。

加えて、EGFR・ALK・ROS1・BRAFなどのドライバー遺伝子変異の有無も確認されます。遺伝子検査の結果が出るまでには一定の時間がかかることもあるため、焦らず待ちましょう。

  • PD-L1免疫染色検査(がん組織のPD-L1発現率を測定)
  • 遺伝子パネル検査(ドライバー遺伝子変異の有無を網羅的に確認)
  • 血液検査・画像検査(全身状態や臓器機能の評価)

治療中の通院頻度や生活上の注意点を確認しておこう

免疫チェックポイント阻害薬の投与は、薬剤によって2週間から6週間ごとに設定されており、1回の点滴時間は30分から1時間程度です。治療開始直後は副作用の観察のために、投与日以外の通院が必要になることもあります。

日常生活では、体調の変化を記録する習慣をつけると、受診時に医師へ正確に伝えやすくなります。発熱、咳、下痢、発疹などの症状が出たら、次の通院日を待たずに医療機関へ連絡することが望ましいでしょう。

科学的根拠のない「免疫療法」には注意してほしい

民間のクリニックや健康食品業界では「免疫力を高める」と謳った治療法や製品が数多く出回っています。しかし、臨床試験でがんへの有効性と安全性が確認されたものは、免疫チェックポイント阻害薬など限られた薬剤だけです。

科学的根拠のない治療に高額な費用を支払い、貴重な治療の機会を逃してしまうケースも報告されています。「免疫」という言葉に惑わされず、エビデンスに基づいた治療を選んでください。

主治医に聞いておきたい5つのポイント

治療方針の相談時には、自分のがんのタイプとステージ、PD-L1発現率の検査結果、推奨される治療法とその根拠、予想される副作用と対処法、そして治療にかかるおおよその期間について質問するとよいでしょう。

疑問をメモに書き出してから受診すれば、限られた診察時間を有効に活用できます。一度の診察で理解しきれなくても、次回の外来で改めて質問して構いません。納得のいくまで対話を重ねることが、安心して治療に臨む土台になるはずです。

よくある質問

肺がんの免疫チェックポイント阻害薬はどのような仕組みで効果を発揮する?

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを解除する働きを持っています。がん細胞の表面にあるPD-L1というたんぱく質が、T細胞のPD-1と結合すると免疫の攻撃が止まってしまいます。

この薬はPD-1やPD-L1に先回りして結合し、がん細胞による免疫抑制を防ぎます。その結果、患者さん自身のT細胞が再びがん細胞を認識し、攻撃できるようになるのです。

肺がんの免疫療法で使われるPD-L1検査とは何か?

PD-L1検査は、がん細胞の表面にPD-L1というたんぱく質がどの程度発現しているかを調べる検査です。手術や生検で採取したがん組織を用いて、免疫染色という方法で測定します。

PD-L1の発現率が高いほど免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい傾向があり、50%以上であればペムブロリズマブ単独での初回治療が選択肢に入ります。治療方針を決める大切な検査ですので、結果について主治医から説明を受けてください。

肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の副作用にはどのようなものがある?

免疫チェックポイント阻害薬の副作用は「免疫関連副作用」と呼ばれ、免疫が過剰に活性化することで自分自身の臓器に炎症を起こすことがあります。間質性肺炎、甲状腺機能障害、大腸炎、肝機能障害、皮膚障害などが代表的です。

多くの場合、早期に発見して適切に対処すれば回復が見込めます。治療中は少しでもいつもと違う体調の変化を感じたら、自己判断で様子を見ず、速やかに医療スタッフへ連絡しましょう。

肺がんの免疫チェックポイント阻害薬はすべての患者に使えるのか?

すべての肺がん患者さんに使えるわけではありません。治療の対象になるかどうかは、がんの種類やステージ、PD-L1発現率、ドライバー遺伝子変異の有無、そして患者さんの全身状態によって総合的に判断されます。

EGFRやALKなどの遺伝子変異が陽性の場合は、まず分子標的薬が優先されるのが一般的です。また、自己免疫疾患を持つ方や全身状態が著しく低下している方は、投与が難しいと判断される場合もあります。

肺がんの免疫療法と抗がん剤の併用にはどのような利点がある?

免疫チェックポイント阻害薬と抗がん剤を併用することで、それぞれ単独では効果が限定的だった患者さんにも治療の恩恵が広がります。抗がん剤ががん細胞を直接攻撃しながら、免疫チェックポイント阻害薬が免疫の力を回復させるという二つの働きが同時に期待できるためです。

PD-L1の発現率が低い方でも、併用療法であれば初回治療から免疫チェックポイント阻害薬を使用できる場合があります。ただし併用により副作用の種類や頻度が増す可能性もあるため、主治医との十分な相談が大切です。

References

JEANSON, Arnaud, et al. Efficacy of immune checkpoint inhibitors in KRAS-mutant non-small cell lung cancer (NSCLC). Journal of Thoracic Oncology, 2019, 14.6: 1095-1101.

OCHI, Nobuaki, et al. The effects of antibiotics on the efficacy of immune checkpoint inhibitors in patients with non–small-cell lung cancer differ based on PD-L1 expression. European journal of cancer, 2021, 149: 73-81.

BODOR, J. Nicholas; BOUMBER, Yanis; BORGHAEI, Hossein. Biomarkers for immune checkpoint inhibition in non–small cell lung cancer (NSCLC). Cancer, 2020, 126.2: 260-270.

SHIEN, Kazuhiko; PAPADIMITRAKOPOULOU, Vassiliki A.; WISTUBA, Ignacio I. Predictive biomarkers of response to PD-1/PD-L1 immune checkpoint inhibitors in non–small cell lung cancer. Lung Cancer, 2016, 99: 79-87.

TANG, Shengjie, et al. Immune checkpoint inhibitors in non-small cell lung cancer: progress, challenges, and prospects. Cells, 2022, 11.3: 320.

HERZBERG, Benjamin; CAMPO, Meghan J.; GAINOR, Justin F. Immune checkpoint inhibitors in non‐small cell lung cancer. The oncologist, 2017, 22.1: 81-88.

ZHANG, Binbin, et al. Predictive effect of PD-L1 expression for immune checkpoint inhibitor (PD-1/PD-L1 inhibitors) treatment for non-small cell lung cancer: A meta-analysis. International immunopharmacology, 2020, 80: 106214.

ASSI, Hazem I., et al. Immune checkpoint inhibitors in advanced non–small cell lung cancer. Cancer, 2018, 124.2: 248-261.

ELLIS, Peter M.; VELLA, Emily T.; UNG, Yee C. Immune checkpoint inhibitors for patients with advanced non–small-cell lung cancer: a systematic review. Clinical lung cancer, 2017, 18.5: 444-459. e1.

TIAN, Panwen, et al. Assessing PD-L1 expression in non-small cell lung cancer and predicting responses to immune checkpoint inhibitors using deep learning on computed tomography images. Theranostics, 2021, 11.5: 2098.

この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医