
がんと診断されたとき、多くの方が手術・抗がん剤・放射線以外の選択肢を探し求めるのではないでしょうか。
ANK免疫細胞療法は、私たちの体にもともと備わっているNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を体外で増殖・活性化し、点滴で体内に戻すことでがん細胞を攻撃する免疫治療です。がんの種類や部位を問わず治療対象となり、標準治療との併用も可能であることから、第4のがん治療として注目を集めています。
この記事では、ANK免疫細胞療法の基本的な仕組みから治療の流れ、費用、副反応まで、気になるポイントをわかりやすく解説します。「自分や家族のがん治療に免疫療法を取り入れたい」とお考えの方に向けて、判断材料となる情報を丁寧にお届けします。
ANK免疫細胞療法はNK細胞の力を活かしたがん免疫治療である
ANK免疫細胞療法とは、患者さん自身の血液から採取したNK細胞を体外で増殖・活性化し、点滴で体内に戻すことでがん細胞を攻撃する治療法です。ANKは「Amplified Natural Killer」の略で、「増強されたナチュラルキラー細胞」を意味しています。
ANKの名前に込められた「増強」という意味とは
NK細胞は「Natural Killer(生まれながらの殺し屋)」と呼ばれる免疫細胞です。ANK免疫細胞療法では、このNK細胞を単に増やすだけでなく、がんへの攻撃力を飛躍的に高めた状態で体内に戻します。
1990年代初頭、京都大学の研究者が困難とされていたNK細胞の本格培養に成功しました。増殖と活性化の両方を達成したことから「Amplified(増強)」の頭文字を冠し、ANK免疫細胞療法と命名されたのです。
他の免疫細胞療法とANK療法の違いが気になる方へ
免疫細胞療法と呼ばれる治療にはいくつかの種類があります。代表的なものにLAK療法やT-LAK療法がありますが、これらは少量の血液からリンパ球を培養するもので、がんへの攻撃力は限定的と考えられてきました。
一方、ANK免疫細胞療法では5~8リットル相当の血液を体外循環させ、大量のリンパ球を採取します。そこからNK細胞だけを選択的に活性化・増殖させる点が大きな特徴です。一般的なNK療法と比べて、培養に使う細胞数が桁違いに多いといえるでしょう。
ANK免疫細胞療法と一般的なNK療法の比較
| 項目 | ANK免疫細胞療法 | 一般的なNK療法 |
|---|---|---|
| 採血量 | 5~8リットル相当(体外循環) | 10~100cc程度 |
| 培養期間 | 約2~4週間 | 約2週間前後 |
| 点滴後の免疫副反応 | 発熱・悪寒あり(一過性) | ほとんどなし |
| 治療回数(1クール) | 12回 | 6~12回程度 |
再生医療等安全性確保法のもとで実施される治療
ANK免疫細胞療法は、再生医療等安全性確保法に定められた第3種再生医療に該当します。治療を提供する医療機関は、各地方厚生局に提供計画の届け出を行い、受理された施設でのみ実施が許可されています。
つまり、どの医療機関でも自由に行える治療ではなく、法律に基づく審査を経た施設だけが治療に携わっている点は覚えておきたいポイントです。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)ががん細胞を見つけて攻撃する仕組み
NK細胞は、体内に発生した異常な細胞をいち早く発見し、直接攻撃して排除する免疫細胞です。がん細胞に対しても事前の学習を必要とせず、自然免疫として働くため「生まれながらの殺し屋」と呼ばれています。
NK細胞はがん細胞を見つけたら即座に攻撃する
免疫システムにはT細胞のように標的を「学習」してから攻撃する獲得免疫と、NK細胞のように相手を選ばず即座に攻撃する自然免疫の2つがあります。NK細胞は後者に該当し、がん細胞を発見すると素早く殺傷できる力を持っています。
健康な人の血液中では、リンパ球全体の約15~20%をNK細胞が占めるとされています。ところが、がん患者の場合はこの割合が数%にまで低下してしまうことも珍しくありません。
がんが進行するとNK細胞の力が弱まってしまう
がんが進行すると、がん細胞は「免疫逃避」と呼ばれる巧妙な仕組みを使い、NK細胞の攻撃を回避しようとします。体内のNK細胞は数が減るだけでなく、活性そのものが低下してしまうのです。
その結果、NK細胞は体内にいるにもかかわらず「眠った状態」に陥り、がん細胞を十分に攻撃できなくなります。ANK免疫細胞療法は、この眠ってしまったNK細胞を体外で目覚めさせ、戦闘力を取り戻した状態で体に戻す治療といえるでしょう。
体外で活性化されたNK細胞が全身のがんを追い詰める
ANK免疫細胞療法で培養されたNK細胞は、点滴によって血流に乗り全身を巡ります。活性化されたNK細胞は体内に残っている免疫細胞にも刺激を与え、全身の免疫監視機構を再建する手助けをします。
繰り返し点滴を行うことで体内の免疫力が段階的に回復し、がん細胞への攻撃力が高まっていくと考えられています。免疫刺激物質であるインターフェロンやインターロイキンなどのサイトカインが放出され、免疫系全体が活性化するのです。
| NK細胞の状態 | がんへの攻撃力 | 体内での割合 |
|---|---|---|
| 健常な人のNK細胞 | 正常に機能 | リンパ球の約15~20% |
| がん患者のNK細胞 | 活性が低下 | リンパ球の数%程度 |
| ANK培養後のNK細胞 | 大幅に増強 | 1クールで100億個以上を目標 |
ANK免疫細胞療法の治療はどのような流れで進むのか
ANK免疫細胞療法は、医師との面談から始まり、リンパ球の採取、培養、そして点滴による投与という一連の流れで進みます。通院で治療を受けられるため、日常生活への影響を抑えながら取り組めるのが特徴です。
まずは医師との面談で治療設計を立てる
治療を希望する方は、まずANK免疫細胞療法を実施している医療機関で医師との面談を受けます。面談では、がんの種類や進行度、現在受けている治療内容、患者さんの体力や体調などを総合的に確認します。
面談の結果をもとに、標準治療とどのように組み合わせるか、何回の点滴が必要かといった治療計画が立てられます。がん告知後できるだけ早い段階で相談するほど、選択肢が広がるとされています。
5~8リットルの血液からリンパ球を分離採取する
治療開始が決まると、まず患者さんの血液からNK細胞を含む大量のリンパ球を採取します。採取には人工透析に似た専用装置を使い、5~8リットル相当の血液を体外循環させてリンパ球だけを分離します。
採取にかかる時間はおよそ2~3時間です。一般的な免疫細胞療法が数十ccの採血で済むのに対し、ANK免疫細胞療法では圧倒的に多くの細胞を集める点が大きく異なります。
- 専用装置で血液を体外循環させ、リンパ球のみを分離する
- 採取にかかる時間はおよそ2~3時間
- 採取後のリンパ球は即日、細胞培養センターへ搬送される
- 抗がん剤治療で免疫が弱る前に採取するのが望ましい
2~4週間の培養を経て活性化NK細胞が完成する
採取されたリンパ球は、細胞培養センターで約2~4週間かけて培養されます。この培養では、NK細胞だけを選択的に活性化しながら増殖させるという高度な技術が用いられています。
1クールあたり100億個を超えるレベルの活性の高いNK細胞集団を培養することを目標としています。培養が完了したNK細胞は、点滴投与に適した状態に調整されます。
週2回の点滴を繰り返して免疫力を段階的に高める
培養されたNK細胞は、点滴で患者さんの体内に戻されます。標準的な治療は週2回の点滴を合計12回行い、これが1クールとなります。1回の点滴にかかる時間は約1時間です。
一度にすべてのNK細胞を投与すると腫瘍が壊死するリスクがあるため、1回あたりの細胞数を制限しながら段階的に投与する設計になっています。点滴を重ねるにつれて体内のNK細胞が活性化し、がんへの攻撃力が徐々に回復していくと考えられています。
ANK免疫細胞療法はがんの種類を問わず治療対象になる
ANK免疫細胞療法は、固形がんから血液がんまで、ほぼすべてのがんを治療対象としています。がんの部位や種類に関係なくNK細胞が攻撃できる点は、他の治療にはない大きな特徴です。
臓器の固形がんだけでなく血液のがんにも対応する
胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、食道がん、膵がん、肝がんなどの固形がんはもちろんのこと、悪性リンパ腫やATL(成人T細胞白血病)といった血液のがんにも対応できます。NK細胞はがんの種類を選ばず異常細胞を攻撃する性質を持っているためです。
抗がん剤や放射線治療によって変異した特殊ながん細胞であっても、活性の高いNK細胞であれば発見して攻撃できるとされています。この幅広い適応範囲は、ANK免疫細胞療法ならではの強みといえるでしょう。
ステージを問わず治療を受けられるが早期ほど有利
ANK免疫細胞療法は、がんのステージに関係なく受けることが可能です。ただし、がんが大きく進行している場合には、NK細胞だけでがん細胞の増殖に追いつくのが難しくなることもあります。
手術後の再発防止を目的とする場合であれば、体内に残るがん細胞の数が少ないと考えられるため、NK細胞単独でも十分に対応できる可能性が高まります。早い段階で治療に取り組むほど有利な条件が整いやすいのです。
再発・転移がんへの治療にも活用されている
ANK免疫細胞療法は、手術や放射線では対応しきれない微小な分散がんに対しても、NK細胞が全身をめぐって攻撃する力を発揮します。再発や遠隔転移が見つかったケースでも、治療の選択肢に入れることができます。
特に、標準治療を一通り終えた後に残るがん細胞の「芽」を摘むことが再発防止のカギとなります。目に見えない微小ながんも攻撃できるNK細胞の特性は、再発・転移の不安を抱える患者さんにとって心強い存在です。
| がんの状態 | ANK免疫細胞療法の活用法 |
|---|---|
| 早期がん(手術後) | 再発・転移防止を目的に単独でも治療可能 |
| 進行がん | 標準治療との併用でがんの勢いを削ぎながら免疫力を回復 |
| 再発・転移がん | 全身に散らばった微小がんをNK細胞で追い詰める |
| 血液がん | 悪性リンパ腫やATLなども治療対象 |
ANK免疫細胞療法の副反応と安全性|発熱は免疫が活性化している証拠
ANK免疫細胞療法では、点滴のたびに発熱や悪寒などの免疫副反応が現れます。これは培養されたNK細胞が体内で免疫刺激物質を大量に放出するために起こる反応であり、免疫系が活性化しているサインです。
点滴後に38~40度の発熱が起きるのはなぜか
ANK免疫細胞療法の点滴後、ほぼ例外なく発熱が起こります。これは、活性化されたNK細胞がインターフェロンやインターロイキンなどのサイトカインを大量に放出するためです。風邪のような高熱が出ますが、体がダメージを受けているわけではありません。
初回の点滴時には発熱が何度か波のように繰り返すこともあり、2~3日は安静にして様子を見る場合もあります。2回目以降は体も慣れてきて、発熱の持続時間は短くなっていく傾向があります。
免疫副反応は一過性であり後遺症は残らない
発熱や悪寒といった免疫副反応は一過性のもので、時間が経てば自然に治まります。抗がん剤や放射線治療のように長期にわたって体にダメージが蓄積するタイプの副作用ではないため、治療後に後遺症が残る心配は基本的にありません。
- 発熱(38~40度程度、一過性で自然に解熱する)
- 悪寒・震え(免疫反応に伴う一時的な症状)
- 倦怠感(点滴当日は安静が推奨される)
体力が低下している場合は投与量を調整できる
抗がん剤治療の副作用が蓄積して体力が落ちている患者さんの場合、発熱がより激しく出る傾向があります。そうした場合には、初回や2回目の投与時に点滴するNK細胞の数を減らすことで発熱を和らげる工夫がなされています。
免疫力が徐々に回復していくにつれて発熱も穏やかになるのが一般的です。体力に不安のある方でも、担当医と相談しながら投与量を調整することで、無理なく治療を続けることが可能です。
標準治療と組み合わせてがんの攻撃力を高めるANK免疫細胞療法
ANK免疫細胞療法は、手術・放射線・抗がん剤といった標準治療と併用することで、それぞれの長所を活かした効果的ながん治療を組み立てられます。単独での使用よりも、組み合わせによる相乗効果が期待されています。
手術で大きながんを取り除き、ANK療法で残りを叩く
外科手術は大きな腫瘍を一度に取り除くことに優れていますが、目に見えない微小ながんまでは取りきれないことがあります。ANK免疫細胞療法は、手術後に体内に残った分散がんを全身をめぐるNK細胞で追い詰めることを目指します。
理想的な流れとしては、標準治療の開始前にリンパ球を採取しておき、手術や放射線治療の後にANK免疫細胞療法で仕上げるという治療設計です。標準治療の後にANK免疫細胞療法が控えていることが、患者さんの精神的な安心感にもつながります。
抗がん剤でがんの勢いを削いでからNK細胞で追い討ちをかける
増殖が活発な大きながんに対しては、抗がん剤で勢いを弱めてからNK細胞で攻撃するという順序が効果的です。抗がん剤はがん細胞を大量に殺傷できますが、全滅させるのは困難であり、繰り返すうちに耐性が出てくる場合もあります。
ANK免疫細胞療法は、抗がん剤の休薬期間に点滴を行うことが多く、互いの治療スケジュールを調整しながら進めます。NK細胞はがんの種類を選ばず、抗がん剤に耐性を持ったがん細胞も攻撃できる点が心強いでしょう。
分子標的薬との併用でNK細胞の殺傷効率を上げる
分子標的薬は従来の抗がん剤とは異なり、がんの増殖にブレーキをかけたり、NK細胞の働きを助けたりする作用を持つ薬です。ANK免疫細胞療法と同時に使うことで、NK細胞ががん細胞を攻撃する効率を高めることが期待されています。
ホルモン治療など免疫と相性のよい治療法も、ANK免疫細胞療法と併用されるケースがあります。担当医と相談しながら、自分に合った治療の組み合わせを検討することが大切です。
| 標準治療の種類 | ANK免疫細胞療法との併用効果 |
|---|---|
| 外科手術 | 手術後の微小ながんをNK細胞で攻撃し再発防止を目指す |
| 放射線治療 | 腫瘍を縮小させた後、残存するがん細胞をNK細胞で追い詰める |
| 抗がん剤治療 | 休薬期間にANK点滴を行い、がんへの攻撃を休みなく継続する |
| 分子標的薬 | NK細胞の殺傷効率を高める相乗作用が期待される |
ANK免疫細胞療法を受ける前に確認したい費用と医療機関の選び方
ANK免疫細胞療法の治療費は、1クール(12回の点滴)で約400~450万円前後が目安です。治療を検討するにあたり、費用の内訳と医療機関の選び方を把握しておくことが大切です。
治療費の内訳は面談費用・培養費用・点滴費用などで構成される
ANK免疫細胞療法の費用は、大きく分けて面談費用、治療設計・細胞培養費用、リンパ球採取・搬送費用、点滴費用で構成されています。金額は医療機関ごとに異なりますが、標準的な1クール12回の治療で400~450万円前後が一般的な目安です。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 面談費用 | 医師との治療相談にかかる費用 |
| 治療設計・細胞培養費用 | 治療計画の作成とNK細胞の培養にかかる費用 |
| リンパ球採取・搬送費用 | 血液からの採取と培養センターへの搬送費用 |
| 点滴費用 | 培養したNK細胞を体内に戻すための費用 |
厚生局に届け出が受理された医療機関だけが治療を実施できる
ANK免疫細胞療法は第3種再生医療に分類されており、各地方厚生局に提供計画の届け出を行い、受理された医療機関でのみ治療が許可されています。全国にANK療法を実施できる施設は限られているため、事前の確認が必要です。
面談からリンパ球採取、点滴投与までを一貫して行える医療機関を選ぶと、通院の負担や費用を抑えやすくなります。治療を検討し始めたら、まずは実施医療機関に問い合わせて面談の予約を取ることが第一歩です。
がん告知後はできるだけ早く相談を始めたい
ANK免疫細胞療法を効果的に活用するためには、治療の計画を早めに立てることが重要です。抗がん剤や放射線治療が始まるとNK細胞が傷つき、活性化や増殖に時間がかかることがあるためです。
標準治療を始める前にリンパ球を採取しておけば、元気な状態のNK細胞を確保できます。がん告知を受けた直後はショックで冷静に判断しにくいものですが、早く相談するほど選択肢は広がります。まずは情報を集めることから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
ANK免疫細胞療法はどのような種類のがんに対応できるのか?
ANK免疫細胞療法は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、膵がん、肝がんなどの固形がんに加え、悪性リンパ腫やATL(成人T細胞白血病)といった血液のがんにも対応しています。
NK細胞はがんの種類を選ばずに異常細胞を攻撃する性質を持っているため、ほぼすべてのがんが治療対象となります。
ステージについても制限はなく、早期がんから進行がんまで幅広く治療を受けることが可能です。ただし、がんの進行度や患者さんの体力によって治療設計が変わるため、医師との面談で個別に相談することが大切です。
ANK免疫細胞療法の1クールあたりの治療期間はどのくらいか?
ANK免疫細胞療法の標準的な1クールは、週2回の点滴を合計12回行う治療設計です。リンパ球の採取から培養に約2~4週間、その後の点滴期間が約6週間となり、全体でおよそ2~3か月が目安となります。
点滴は1回あたり約1時間で終わるため、入院の必要はなく通院で治療を進めることができます。仕事を続けながら治療を受ける方もいらっしゃいます。
ANK免疫細胞療法で起きる発熱などの副反応に危険性はあるのか?
ANK免疫細胞療法の点滴後には、ほぼ毎回38~40度程度の発熱や悪寒が現れます。これは活性化されたNK細胞が体内でサイトカインを大量に放出することで起こる免疫反応であり、体にダメージを与えるものではありません。
発熱は一過性のもので、時間が経てば自然に解熱します。抗がん剤や放射線治療のように後遺症が残るタイプの副作用とは性質が異なります。体力に不安がある場合は、投与するNK細胞の数を調整して発熱を和らげる対応も可能です。
ANK免疫細胞療法は抗がん剤や放射線治療と一緒に受けられるのか?
ANK免疫細胞療法は、手術・放射線治療・抗がん剤治療といった標準治療との併用が可能です。むしろ、ANK免疫細胞療法を手がける医師の多くは、標準治療との併用を前提として治療計画を立てています。
抗がん剤の休薬期間にANK免疫細胞療法の点滴を行うなど、スケジュールを調整しながら治療を進めます。
可能であれば標準治療の開始前にリンパ球を採取しておくと、NK細胞が傷つく前の良好な状態で培養に入れるため、より効果的な治療につながるとされています。
ANK免疫細胞療法を受けるにはどの医療機関に相談すればよいのか?
ANK免疫細胞療法は、再生医療等安全性確保法に基づいて各地方厚生局に提供計画の届け出が受理された医療機関でのみ実施が認められています。治療を検討される方は、まず届け出が受理された実施医療機関に問い合わせることが第一歩です。
面談からリンパ球の採取、点滴投与まで一貫して対応できる施設を選ぶと、通院負担を軽減しながら治療に集中できます。リンパ球バンク株式会社のウェブサイトなどで、全国の実施医療機関の情報を確認することも可能です。
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この記事を書いた人 Wrote this article
前田 祐助 医学博士 / 医師
慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医