光免疫療法の副作用と安全性|治療後に注意すべき症状と体調管理

光免疫療法の副作用と安全性|治療後に注意すべき症状と体調管理

光免疫療法の副作用は、照射した場所の痛みや腫れ、出血だけではありません。のど周辺を治療した後は、息苦しさや飲み込みにくさの変化を早く捉える必要があります。

症状が出る時期は点滴中、光を当てた直後、退院後で異なるため、治療前に「どの症状を、どこへ連絡するか」を決めておくと、本人も家族も落ち着いて対応しやすくなります。

この記事では、副作用の見分け方と緊急受診の目安、痛みや食事への備えを扱います。体温や呼吸、出血を記録する方法も確認し、診察で具体的に伝えられる状態を目指せる内容です。

光免疫療法の副作用は時期で現れ方が変わる

副作用は治療当日だけを見ればよいわけではなく、点滴中から退院後まで続けて観察し、現れる時期と症状を組み合わせると医療者へ伝える内容が明確になります。

時期注意する変化主な対応
点滴中から直後発疹、寒気、息苦しさ、気分不良その場で医療者へ伝える
光照射後痛み、腫れ、出血、飲み込みにくさ程度と変化を観察する
退院後腫れの増加、発熱、せき、呼吸の変化連絡基準に沿って相談する

時刻が分かるだけでも判断材料になります。あなたが感じた変化を、始まった時間と一緒にメモへ残すと、診察時の説明が具体的になるでしょう。

点滴中は皮膚症状や呼吸の変化をすぐ伝える

光免疫療法では、がん細胞の目印に結びつく薬を点滴し、その後に近赤外光を当てます。点滴中は、発疹やかゆみ、寒気、息苦しさ、気分不良などがないかを医療者が確認します。

胸が詰まる感じや声の出しにくさを覚えたら、軽くてもその場で知らせてください。点滴を続けるか、速度を変えるか、薬を使うかは医療者が状態を見て判断します。

我慢して終わるのを待つ必要はありません。付き添う家族は、顔色や返事の速さが普段と違うと感じた時点で、近くのスタッフへ声をかけられます。

光照射後は痛みと腫れが変化しやすい時期

光を当てた場所では、治療した組織の反応として痛みや腫れが生じます。口やのどに近い部位では、飲み込む動きや声の出しやすさにも影響が及ぶため、見た目だけで判断しません。

痛みはゼロかどうかより、処方された鎮痛薬で休めるか、水分を飲めるかを確認し、腫れは写真のほか首周りの圧迫感や唾液の飲み込み方も記録の対象です。

変化は数字と動作で残せます。「痛みが強い」だけでなく、薬を飲んだ時刻、眠れた時間、飲めた量を添えると、追加の対応を相談しやすくなります。

退院後は遅れて強まる症状まで観察する

帰宅した後に腫れや痛みが強くなる場合もあるため、退院時の状態を基準として残します。鏡で見る範囲に加え、呼吸、声、飲水、体温を同じ時間帯に確かめると比較しやすいです。

症状が予定された範囲かどうかは、治療部位や照射方法によって変わります。退院前に渡された説明書へ、夜間の連絡先と救急車を呼ぶ条件を書き足しておきます。

判断の基準は退院時です。昨日より悪化している変化があれば、痛みの点数や体温だけに頼らず、できなくなった動作も医療者へ伝えましょう。

治療直後の痛み・腫れ・出血はどう備える?

治療直後の局所症状には、痛み止めの使い方や呼吸の観察、出血時の連絡方法を先に決め、日常動作への影響を早く共有するほうが安全です。

痛みは強さだけでなく食事と睡眠への影響を見る

痛みは照射部位や範囲で現れ方が異なり、安静時より飲み込むときに強く感じる人もいます。数字で評価するなら、痛みなしを0、想像できる最も強い痛みを10とするのが共通の基準です。

確認する場面記録する内容相談につながる変化
安静時痛みの点数と続く時間薬を使っても休めない
食事・飲水時飲めた量とむせ水分が取れない
就寝時眠れた時間と姿勢横になると息苦しい

鎮痛薬は決められた量と間隔で使い、効いた時間も書きます。追加してよい薬が分からないときは自己判断で重ねず、処方元へ薬の名前と最後に飲んだ時刻を伝えます。

食べられないほど痛むと、体力の低下や脱水につながります。飲水量が急に減った、尿が少ない、鎮痛薬で休めない場合は、次の予約日を待たず治療施設へ連絡する目安です。

腫れは見た目より呼吸と飲み込みへの影響を優先

顔や首の腫れは鏡で分かりますが、のどの内側は外から見えにくい場所です。声がかすれる、唾液を飲み込みにくい、横になると苦しいといった変化が、気道の狭まりを疑う手掛かりになります。

首回りがきついと感じても治療部位を強く押したりもんだりせず、楽に呼吸できる姿勢を取り、腫れの写真は同じ明るさと角度で撮影時刻を残すと増減を比較できます。

息苦しさは待たない症状です。会話を続けにくい、呼吸時に音がする、急に腫れが広がる場合は、通常の相談ではなく緊急時の連絡先を使います。

出血したら量・持続時間・血の出方を伝える

照射した腫瘍の周辺では出血が起こりうるため、退院前に対応を確認します。唾液へ少量混じる状態と、口から流れ続ける状態では緊急性が異なり、量だけでなく止まるかどうかが判断材料です。

血が出た時刻を見て、ティッシュや容器に付いた量を医療者へ説明できる形で残します。大量に吐く、せきと一緒に出続ける、ふらつきや冷汗を伴う場合は救急要請が必要です。

止血方法は治療部位によって違います。退院時に指示された範囲を超えて傷へ触れず、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人は、その薬名も連絡時に伝えてください。

息苦しさや止まらない出血はすぐ連絡するサイン

呼吸の悪化や止まらない出血、意識の変化は時間帯を問わず緊急対応を優先し、自宅で様子を見る範囲を超えたら治療施設への連絡か救急要請へ切り替える症状です。

緊急性症状の例行動
救急要請会話困難、呼吸音、意識低下、大量出血救急車を呼ぶ
直ちに連絡腫れの急増、声の変化、出血が続く緊急連絡先へ電話する
当日中に相談発熱、乾いたせき、痛みの悪化、飲水低下治療施設へ経過を伝える

迷う時間を短くする準備が役立ちます。家族も連絡先を共有し、住所、治療日、治療部位、薬の一覧を救急隊へ渡せる場所に置いておきます。

呼吸音や会話の途切れは気道を急いで確保する合図

のど周辺が腫れると、空気の通り道である気道が狭くなるおそれがあります。息を吸うと高い音がする、短い言葉しか話せない、横になれない状態は、酸素不足へ進む前に対応する合図です。

治療後に緊急気管切開を要した症例報告があり、頻度は症例報告だけでは判断できません。起こりうる重大な事象として、呼吸の変化を救急要請の基準に含めます。

顔色が青白い、反応が鈍い、唾液も飲み込めない状態では、本人が電話を続けるのは困難です。家族が救急車を呼び、光免疫療法を受けた日と治療部位を伝えます。

止まらない出血や急なふらつきは救急要請へ切り替える

口やのどから血が流れ続ける、血を繰り返し吐く、せき込むたびに血が出る状態は救急対応の対象です。ふらつき、冷汗、意識がぼんやりする変化が加われば、出血量を測る作業より要請を優先します。

救急車を待つ間は呼吸しやすい姿勢を保って口にたまった血でむせないよう注意し、飲食は控えてお薬手帳と退院書類を持てるようにします。

出血は見過ごせません。いったん止まっても繰り返すなら、治療施設へ発生時刻と回数を伝え、当日中に診察が必要か確認します。

発熱と乾いたせきが重なれば肺の炎症も確認する

発熱、乾いたせき、動いたときの息切れが重なる場合は、感染症だけでなく肺の炎症も含めて評価します。間質性肺炎の症例報告はありますが、その報告から発生割合を示すことはできません。

普段より歩ける距離が短い、階段で休む、深呼吸で苦しいといった変化も連絡材料です。体温と症状の開始日を伝えたうえで、医療者が指定する受診方法に従います。

肺の症状は外見だけでは分かりません。自宅に酸素飽和度計があり、治療チームから測定を指示された人は、数値と測った時刻も記録の対象です。

退院後の体調管理は記録と光対策から始めます

退院後は呼吸や出血に加えて、痛みや体温、食事や水分、尿量を同じ形式で記録し、医療者から示された期間と方法で強い光を避けます。

朝夕の記録で昨日との差を見つける

記録は項目を増やしすぎず、朝と夕方など続けられる時間にそろえます。体温や痛み、飲水量と食事量、出血の有無や息苦しさを1枚に書けば、変化の順序が見える記録です。

記録項目書き方注目する変化
痛み・腫れ点数、写真、薬の時刻薬が効かない、急に広がる
食事・水分食べた量、飲んだ量、尿飲めない、尿が減る
呼吸・体温息切れ、せき、測定値会話困難、発熱、悪化

数値が同じでも、できる動作が変われば状態は変化しています。前日は飲めた薬が飲み込めない、洗面所まで歩くと息切れするなど、生活上の違いを1行添えます。

記録は診察を助ける道具です。予定外の症状が出たときは記入だけで済ませず、退院時に決めた連絡基準へ当てはめてください。

食事と水分は飲み込みやすさを基準に調整する

口やのどの痛みがある間は、一度に多く食べるより、少量を分けるほうが取りやすい場合があります。温度や硬さで痛みが変わる人は、刺激の少ない形へ調整します。

  • 飲み込みやすい温度と硬さ
  • 1回に無理なく取れる量
  • むせや声の変化の有無
  • 飲水後の息苦しさ

水分でむせる、飲み込んだ後に声が濁る、食事中に息苦しくなる場合は誤嚥も含めた確認が要るため、食形態を自己判断で戻さず治療施設へ安全な飲み方を相談します。

体重だけを頼りにするのは避けたほうが安全です。口の乾き、尿の回数、立ち上がったときのふらつきも脱水を疑う手掛かりとなり、飲めない状態が続けば点滴などの対応を検討します。

強い光を避ける期間は退院時の指示を基準にする

治療薬が体内に残る間は、皮膚や目が強い光へ敏感になるおそれがあります。遮光が必要な期間や室内照明の調整は治療日程で決まるため、退院時の説明書は家族との共有事項です。

外出時は肌の露出を抑える衣服や帽子を使い、医療者が示した方法で目も守ります。日光だけでなく、治療施設から注意された強い照明や医療機器の光にも配慮します。

赤み、ひりつき、水ぶくれなどが出ていませんか。症状を覆い隠す化粧品や外用薬を自己判断で重ねず、光を受けた時刻と皮膚の写真を添えて相談すると伝わりやすいです。

光免疫療法を受ける前に確認したい安全項目

安全性を高める準備は、腫瘍の位置や気道・血管との関係、持病や服用薬、過去の治療を医療者と共有し、普段の呼吸と食事を比較基準にするところから始まります。

画像で腫瘍と気道・太い血管の距離を確かめる

治療前の画像では、光を当てる範囲だけでなく、腫瘍が気道や太い血管へどの程度近いかを医師が確認します。腫れや出血が起きたときの影響を予測し、観察場所や緊急時の備えを決める材料です。

内視鏡では口や鼻から細いカメラを入れ、外から見えないのどの状態を見ます。声がかすれている、食事でむせる、横になると苦しいなど、普段からある症状も診察前にメモへまとめます。

治療前の状態を残す意味は明確です。もともとの症状と治療後の変化を分けられるため、新たな腫れや呼吸の悪化を早く捉えやすくなります。

持病と服用薬は薬名まで書き出す

肺の病気やアレルギー歴、出血しやすさ、腎臓や肝臓の病気などは、治療中の観察や薬の選択に関わります。お薬手帳に加え、市販薬やサプリメントも実物か写真で名称と量を示します。

  • 処方薬と最後に飲んだ時刻
  • 薬や食べ物のアレルギー歴
  • 肺・心臓・腎臓・肝臓の持病
  • 過去の手術と放射線治療
  • 家族の連絡先と帰宅後の支援

血液を固まりにくくする薬は出血への備えを決める重要な情報で、中止にも危険が伴うため、自分で休薬せず薬を出した医師と治療チームの指示に従うのが安全です。

伝え忘れが不安なら、紙を渡せば十分です。診察時に変更された薬があれば、帰宅後の一覧も直し、家族が見ても現在の服用状況が分かる形にします。

退院後の連絡先と付き添いの範囲を決める

治療前には、平日の日中、夜間、休日で連絡先が変わるかを確認します。電話番号だけでなく、救急外来へ向かう症状と救急車を呼ぶ症状を書き分けたメモが必要です。

退院直後は、本人が声を出しにくい場面も想定します。家族が治療日、照射部位、担当科、服用薬を説明できるよう、退院書類を1か所へまとめておくと対応が速まります。

自宅までの移動中も観察は続きます。息苦しさや出血が起きた際に立ち寄る場所を探すのではなく、移動経路と連絡方法を出発前に決めておきましょう。

繰り返し治療や薬の併用では副作用の変化を比べる

治療を繰り返す場合や別の薬を併用する場合は前回と同じ管理で足りると決めつけず、症状の種類と回復までの日数を毎回比べ、併用薬ごとの注意点も治療前に確認します。

前回の症状を基準に今回の違いを探す

前回の痛みや腫れが落ち着いた時期、使った鎮痛薬、食事を戻せた日を1枚にまとめます。今回の記録と並べた内容が、症状の強さや長引きを判断する材料です。

同じ照射部位でも体調や治療範囲が同一とは限らず、前回軽かった症状も改めて観察します。反対に、前回つらかった経験だけで今回も同じと決めず、当日の変化を記録します。

比べるのは痛みだけではありません。呼吸、出血、食事、体温、皮膚の変化を同じ項目で残し、治療前の診察へ持参します。

ペムブロリズマブなどの併用薬は別の症状も確認する

光免疫療法とペムブロリズマブを組み合わせた臨床試験では、安全性と有効性の評価が行われています。併用時は、照射部位の症状だけでなく、免疫に関わる薬で生じうる全身の変化も確認します。

治療法ごとの症状を自分で切り分ける必要はなく、発熱やせき、息切れや下痢、皮膚症状、強いだるさなど、普段と違う変化が共有すべき情報です。

併用の安全性は一人ずつ確認します。別の診療科から薬を受け取ったときも、処方内容を共有し、次の治療日まで続ける薬と休む薬を明確にします。

次の治療へ進む前に回復の程度を共有する

次回の治療日は、予定表だけで決めるのではなく、痛みや腫れ、出血、食事量、検査結果を医師が確認して判断するものです。症状が残る場合は、始まった日から現在までの変化を見せます。

「予定どおり進めたい」と考えるのは自然ですが、回復を正確に伝えるほうが安全な計画につながります。隠さず話せるよう、困った動作と薬を使った回数を短くまとめれば十分です。

確認項目は毎回更新します。治療の間に救急受診や別の医療機関での処方があった人は、診療内容が分かる書類も次回の診察へ持参します。

よくある質問

光免疫療法の副作用は症状の種類だけでなく治療部位と始まった時期で対応が変わるため、退院時の指示を基準に判断に迷いやすい点を確認します。

光免疫療法の副作用はいつまで続きますか?

光免疫療法の副作用が続く期間は、照射部位や範囲、症状の種類によって異なります。退院時の状態を基準に、痛み、腫れ、食事、呼吸が回復する経過も記録の対象です。

予定された経過より長いかを自己判断するより、昨日からの悪化の有無が判断基準です。新たな息苦しさ、出血、発熱、飲水低下があれば、次回診察を待たず治療施設へ連絡します。

光免疫療法の痛みは自宅でどのように管理しますか?

光免疫療法後の痛みは処方された鎮痛薬を指示どおりに使って効き始めた時刻と休めた時間を記録し、薬を自己判断で増やしたり市販薬を重ねたりしないようにします。

薬を使っても眠れない、水分が取れない、痛みが急に強くなる場合は、処方元へ当日中に相談します。痛みの点数、最後に薬を飲んだ時刻、飲水量が連絡に必要な情報です。

光免疫療法後の腫れは、どの症状なら救急受診が必要ですか?

光免疫療法後の腫れで会話が続かない、息を吸うと音がする、唾液も飲めない場合は救急要請が必要です。急に首が腫れ、横になると苦しいときも同じ対応を取ります。

救急隊へ治療日と照射部位を伝え、退院書類とお薬手帳を渡せるようにします。本人が話しにくい状態を想定し、家族も連絡内容を共有しておくと対応が速まります。

光免疫療法後に光を避けるとき、室内でも注意が要りますか?

光免疫療法後は、治療施設から室内照明の調整を指示された期間、その内容に従います。必要な遮光の程度は治療日程や薬の状態で変わり、説明書が基準です。

外出時の衣服や帽子、目の保護だけでなく注意を受けた強い照明にも配慮し、皮膚の赤みやひりつき、水ぶくれが出たら光を受けた時刻と写真を治療施設へ伝えます。

光免疫療法の副作用が軽ければ、予定どおり次の治療を受けられますか?

光免疫療法の次回日程は、症状が軽いという本人の感覚だけで決めず、診察と検査を受けて医師が判断します。前回からの痛みや腫れ、食事量、服用薬の変化が共有事項です。

別の医療機関で薬が増えた、救急受診した、せきや発熱が続く場合は、その記録も持参します。日程を優先して症状を隠さず、現在の状態を基に治療計画を確認します。

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この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医