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がん保険の免責期間とは?90日ルールと加入前に知るべき条件

がん保険には契約から90日の免責期間があり、その間にがんと診断されても給付金は受け取れません。責任開始日は、申し込み・告知・初回保険料の払い込みがすべて済んだ日から数えて91日目です。

免責期間のうちに診断が確定すると契約は無効となり、払い込んだ保険料は全額戻ってきます。加入には年齢と健康状態の審査があり、告知を誤れば契約そのものを失います。

90日の数え方、加入条件、告知の落とし穴、給付が止まる場面までを順に見ていきます。

がん保険の免責期間とは契約後90日を待つ決まり

免責期間は、契約したあとも保障が始まらない90日間を指します。

90日を置くのは加入の公平さを保つため

体調に不安が出てからの駆け込みの契約と、健康なうちから備えた契約を同じに扱うと、保険料を出し合う仕組みが成り立ちません。告知だけでは見つけきれない段階のがんを避けるため、各社が90日の観察の期間を置いています。

医療保険には無い期間

医療保険には原則として免責期間がなく、契約したその日から保障が動きます。がんの保障を特約で足した場合は、その特約の部分にだけ90日が付く形です。

がん保険の免責期間(90日)と、契約直後にがんが発覚したときの扱いを押さえておくと、いつから守られるのかがはっきりします。

責任開始日から90日を数え、その間にがんが見つかったら

申し込みと告知と初回保険料がそろった日から90日を数えて91日目に保障が始まる流れを表した図解イラスト

数え始めるのは契約日ではなく、申し込み・告知・初回保険料の払い込みがすべてそろった日です。

91日目から保障が動き出す

3つの手続きのうち最も遅いものが済んだ日を起点に90日を数え、その翌日にあたる91日目が責任開始日です。クレジットカード払いにすると初回の払い込みが早く終わるぶん、起点も前へ動きます。

複数の会社へ同時に申し込んでも90日が短くなることはなく、乗り換えのときは前の契約を残したまま新しい契約の免責が明けるのを待つと、保障の切れ目を作らずに済みます。

期間中に診断が確定すると契約は無効

90日のあいだに確定診断を受けた場合、契約はさかのぼって無効となり、払い込んだ保険料は全額戻ります。返還までは2〜4週間ほどで、振込手数料は保険会社が持つのが通例です。

検査を受けること自体は契約に響きません。気になる症状があれば先延ばしにしないでください。

待機期間中にがんが発覚したときの契約の効力と保険料の行方、そしてがん保険を乗り換える際に空白期間(免責)を作らない手順は、申し込みの前に見ておくと迷いません。

がん保険の加入条件は年齢と健康状態と告知で決まる

がん保険の審査で見られる年齢と健康状態と過去の病歴の3つを濃淡の違うカードで並べた図解イラスト

引き受けの可否は、年齢・現在の健康状態・過去の病歴の3つで判断します。

0歳から80歳前後までが対象

多くの商品が0歳から80歳前後までを引き受けの範囲にしており、20代や30代のうちに入れば保険料は割安に収まります。高血圧や糖尿病があっても、管理の状態が良ければ通ることは珍しくありません。

「要精密検査」は告知が要る

健康診断で要精密検査と書かれた項目があれば、その時点で告知の対象です。経過観察の途中やがんの既往がある場合は、引受基準緩和型や無選択型という別の入口を探すことになります。

がん保険の加入条件と持病や年齢、健康状態の審査基準、それに引受基準緩和型保険のメリットとデメリットを先に確かめておけば、申し込んでから断られる回り道を避けられます。

がん保険の告知を誤ると契約が解除・無効になる

告知は保険法が定めた義務で、書き漏らしは契約そのものを失う結果につながります。

聞かれるのは過去5年と直近3か月

過去5年以内の入院・手術歴、直近3か月以内の医師の診察や投薬、健康診断で指摘された事柄が主な質問です。健康診断の結果通知や退院時の書類、お薬手帳を手元に置いて書くと漏れが減ります。

解除と無効は別のもの

告知義務違反による解除は、成立した契約を保険会社が終わらせる措置です。本人の署名がない場合や保険料が一度も払われていない場合は、契約が初めから無かったことになる無効にあたります。

項目解除無効
きっかけ告知義務違反署名がない・保険料の未払い
契約の扱い成立後に終わらせる初めから無かったことに
戻るお金解約返戻金があれば払い込んだ保険料

解除の権利にも時効がある

解除の権利は契約から5年で消え、違反を知った日からは1か月で時効を迎えます。あとから漏れに気づいた場合、自分から追加で申告すれば受け付けてもらえます。

がん保険の告知書の正しい書き方と、告知義務違反のリスクと申告漏れの型を押さえておくと、質問の一つひとつに理由があると分かります。

90日を過ぎても給付されないケース

悪性新生物と上皮内新生物で給付の扱いが分かれることを塗り分けた棒の長さで比べた図解イラスト

免責期間が明けても、対象の範囲から外れていれば給付金は出ません。

上皮内新生物は減額か対象外

浸潤のない上皮内新生物は悪性新生物と分けて扱われ、給付が半額になる商品や、対象から外す商品があります。皮膚のがんや血液のがんも、約款ごとに書き方が違うところです。

治療の中身でも分かれる

入院給付金は治療を目的とした入院に限られ、通院給付金は入院のあとだけを対象にする商品もあります。先進医療や自由診療は、特約がなければ対象になりません。

請求の期限は3年

請求そのものにも期限があり、支払いの事由が起きてから3年を過ぎると受け取れなくなります。約款のどこを見ればよいかは、給付金の種類ごとに決まっています。

  • 診断給付金 … 1回限りか複数回か、受け取れる間隔はどれくらいか
  • 入院給付金 … 治療を目的とした入院にあたるか
  • 手術給付金 … 約款が指定した手術に含まれるか

がん保険の約款で確認すべき項目と「がん」の範囲を見ておけば、契約前に確かめる場所が絞れます。

がん保険の保険料を滞納すると保障が止まる

保険料の滞納で猶予から失効へ進み3年以内なら復活を申し込める流れを表した図解イラスト

払い込みが遅れても猶予の期間があり、そこを過ぎると契約は失効します。

猶予は月払いで翌月末まで

月払いなら翌月の末日、半年払いや年払いなら翌々月の末日までが猶予です。この間に払えば契約はそのまま続き、保障も切れません。

復活には再告知が要る

失効から3年以内なら復活を申し込めますが、未払いの保険料をまとめて納めたうえで、そのときの健康状態を改めて告知します。がんの既往があれば審査は厳しくなるでしょう。

がん保険の失効と復活の手続きと、保険料を滞納した時の保障の続け方を知っておくと、引き落としの失敗が致命傷になりません。

よくある質問

がん保険の免責期間はどのくらいですか?

契約から90日間が業界の標準で、免責期間のないがん保険は国内にありません。申し込み・告知・初回保険料の払い込みがそろった日から数え、91日目が責任開始日です。商品によっては60日という設定も見られます。

がん保険の免責期間中にがんが見つかったらどうなりますか?

確定診断を受けた場合は契約が無効となり、給付金は受け取れません。払い込んだ保険料は全額戻り、手続きには2〜4週間ほどかかります。検査そのものは契約に影響しないので、心配な症状を先送りにしないでください。

がん保険の加入条件は持病があると満たせませんか?

高血圧や糖尿病でも、管理の状態が良ければ引き受けてもらえることは珍しくありません。判断の材料は年齢・現在の健康状態・過去の病歴の3つで、がんの既往があると通常型は難しくなります。引受基準緩和型という道もあります。

がん保険の告知でうっかり書き漏らすとどうなりますか?

告知義務違反にあたると契約は解除され、給付金も受け取れません。あとから気づいたときは、自分から追加で申告すれば受け付けてもらえます。解除の権利は契約から5年、違反を知った日からは1か月で時効を迎えます。

がん保険の保険料を払い忘れると保障はすぐ切れますか?

すぐには切れません。月払いなら翌月末日、半年払いや年払いなら翌々月末日までの猶予があり、この間に払えば契約はそのまま続きます。過ぎると失効し、3年以内なら復活を申し込めますが、未払い分の納付と改めての告知が必要です。

この記事を書いた人Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。

【保有資格・所属】
医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医