キイトルーダの薬価と費用目安|保険適用での治療費とサポート制度の活用法

キイトルーダの薬価と費用目安|保険適用での治療費とサポート制度の活用法

キイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)の薬価は100mg1瓶あたり199,462円で、1回200mgを使うと薬剤費だけで約40万円に達します。高額な薬ですが、公的医療保険と高額療養費制度を組み合わせれば、実際の自己負担はぐっと小さくなります。

この記事では、現在の薬価と投与スケジュール別の費用目安、保険適用での治療費の下がり方を具体的な数字で示します。

あわせて、限度額適用認定証や医療費控除、傷病手当金といったサポート制度の使い方まで整理しました。費用の見通しが立てば、お金の心配を抱えたまま治療を続ける負担は和らぐでしょう。

キイトルーダの薬価はいくら?100mgの価格と引き下げの流れ

キイトルーダの薬価は、現在100mg1瓶あたり199,462円です。2017年の登場時は41万円台でしたが、たび重なる引き下げで半額以下まで下がってきました。

改定の時期100mg1瓶の薬価
2017年2月(薬価収載時)410,541円
2021年8月(改定後)214,498円
2025年11月(市場拡大再算定)199,462円

100mg1瓶あたりの価格と1回投与の薬剤費

キイトルーダの薬価は、100mg4mL1瓶あたり199,462円です。多くのがんでは1回200mgを30分かけて点滴するため、1回に2瓶分、およそ39万8千円の薬剤費がかかります。

これは薬剤そのものの値段で、ここに点滴の手技料や検査費が上乗せされます。1回の通院でかかる総額は、もう少し大きくなると考えておくと安心でしょう。

薬剤費は同じでも、入院で受けるか外来で受けるかによって請求のされ方は変わります。キイトルーダの多くは外来の点滴で行うため、通院のたびに費用がかかると考えておくとよいでしょう。

2017年の登場から続いた薬価引き下げの流れ

キイトルーダは2017年2月に登場し、当時の薬価は100mgで41万円を超えていました。その後、使われる場面が広がるたびに価格を見直す仕組みが働き、薬価はくり返し引き下げられてきました。

2021年には21万円台、2025年には19万円台まで下がっています。同じ薬でも、いつ治療を受けるかで薬剤費が変わってきたといえます。

薬価の見直しは年に複数回行われることもあり、価格は今後も動く可能性があります。治療を始める時期の薬価がいくらかは、通院先の薬剤師や会計窓口で確かめておくと安心です。

体重や投与間隔で変わる1か月・1年の薬剤費の目安

投与の間隔は、3週間ごとに1回200mg、または6週間ごとに1回400mgのどちらかが選ばれます。1回400mgなら4瓶分を使うため、1回の薬剤費は約79万8千円です。

3週間ごとの場合、1か月に1〜2回ほど投与します。1年では17回前後となり、薬剤費だけでおよそ650万〜700万円に達する計算です。

数字の大きさに、思わず息をのむかもしれません。

高い薬剤費に気持ちが沈むかもしれませんが、これらの金額はあくまで保険を使う前の総額です。実際に支払う自己負担は、このあと説明する制度で大きく変わってきます。

キイトルーダの費用目安を投与スケジュールから試算する

「結局いくらかかるのか」が見えないと不安は消えません。投与スケジュールごとに薬剤費を並べると、3週ごとでも6週ごとでも、1か月の薬剤費はおおむね40万〜80万円の範囲に収まります。

3週間ごと200mg投与でかかる費用のシミュレーション

3週間ごとに200mgを投与する場合、1回の薬剤費は約39万8千円です。月によって投与が1回の月と2回の月があり、1か月の薬剤費は約40万円から約80万円のあいだで動きます。

これに通院ごとの点滴手技料や血液検査、画像検査の費用が加わります。実際の総額は、薬剤費に数万円ほど上乗せされると見ておくとよいでしょう。

たとえば月に2回投与した月は、薬剤費だけで約80万円になります。3割負担なら窓口での支払いは約24万円ですが、あとで触れる制度を使えば実際の負担はさらに下がります。

6週間ごと400mg投与を選んだ場合の費用感

通院の回数を減らしたい人には、6週間ごとに400mgを投与する方法もあります。1回で4瓶を使うため薬剤費は約79万8千円と高く見えますが、6週間ぶんをまとめた金額です。

1回あたりの負担は大きくても、通院や点滴の手間は半分になります。仕事や生活との両立を考えると、こちらが向く人もいるかもしれません。

6週間ごとの投与に変えられるかどうかは、がんの種類や治療の段階によります。通院の負担を減らしたい希望があれば、主治医に相談して選べる方法を確かめてみてください。

併用する抗がん剤や検査でふくらむ周辺の費用

キイトルーダは、がんの種類によっては抗がん剤と組み合わせて使います。併用する薬の薬剤費が別にかかるため、治療全体の費用はキイトルーダ単独より高くなります。

さらに、効果や副作用を確かめるためのCTや血液検査も定期的に行います。費用を見積もるときは、薬代だけでなくこうした検査費も合わせて考えることが大切です。

治療の前に、こうした費用の全体像を主治医や会計の窓口で確認しておくと安心です。おおよその見積もりがあれば、家計の計画も立てやすくなるでしょう。

投与方法1回の薬剤費の目安1か月の薬剤費の目安
3週間ごと 1回200mg約398,000円約398,000〜796,000円
6週間ごと 1回400mg約797,000円約797,000円

保険適用でキイトルーダの治療費はどこまで下がるのか

キイトルーダは公的医療保険の対象です。窓口での自己負担は原則1〜3割で済むため、年700万円近い薬剤費がそのまま請求されるわけではありません。

公的医療保険でキイトルーダはどんな扱いになるのか

国に承認されたがんに対してキイトルーダを使う場合、治療は公的医療保険でカバーされます。年齢や所得に応じて、窓口で支払うのは医療費の1割から3割です。

たとえば3割負担の人で1回の薬剤費が約39万8千円なら、窓口負担は約12万円ほどになります。それでも家計には重い金額だと感じる人が多いでしょう。

自己負担の割合は、69歳までが原則3割、70〜74歳は所得に応じて2割か3割です。75歳以上の後期高齢者は、多くが1割か2割の負担で済みます。

保険でカバーされる主ながん種と適用の範囲

キイトルーダは、肺がんや悪性黒色腫から胃がん、子宮頸がん、頭頸部がんまで幅広いがんで承認されています。承認された使い方に沿っていれば、いずれも保険の対象です。

保険で承認されている主ながん種(一例)

がんの種類主な位置づけ
非小細胞肺がん一次治療や術前・術後補助療法など
悪性黒色腫切除できない・再発したもの
胃がん・食道がん進行・再発したもの
子宮頸がん・子宮体がん進行・再発したもの
頭頸部がん・腎細胞がん ほか条件を満たせば保険適用

同じキイトルーダでも、がんの種類や治療の段階によって使える条件は決められています。自分のがんが対象かどうかは、主治医に確かめるのが確実です。

一方で、承認されていない使い方や一部の検査は、保険の対象外になることもあります。気になる費用があれば、事前に病院へ確認しておくと請求時の食い違いを防げます。

自己負担が一気に重く感じる理由

保険がきいても、高額な薬を何度もくり返し使うため、毎月の窓口負担はまとまった額になります。治療が長く続くほど、その積み重ねが家計に効いてきます。

「保険があるから大丈夫」と思っていたのに、請求額を見て驚く人は少なくありません。だからこそ、次に説明する高額療養費制度の出番といえます。

毎月の負担を一人で見積もるのは難しく、不安だけがふくらみがちです。だからこそ、上限を設けてくれる高額療養費制度の存在が大きな支えになります。

高額療養費制度でキイトルーダの自己負担をどこまで抑えられる?

高額療養費制度を使えば、1か月の自己負担に上限が設けられます。年収約370万〜770万円の人なら、医療費がどれだけ高くても、ひと月の負担はおおむね8万〜9万円台で頭打ちになります。

高額療養費制度の自己負担上限額の決まり方

高額療養費制度は、同じ月の医療費の自己負担が一定額を超えたとき、超えた分が後から払い戻される仕組みです。上限額は年齢と所得の区分で変わります。

70歳未満の自己負担上限額の目安

所得区分(年収の目安)ひと月の上限額の目安
約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000円)×1%
約770〜1,160万円167,400円+(医療費−558,000円)×1%
約370〜770万円80,100円+(医療費−267,000円)×1%
〜約370万円57,600円
住民税非課税35,400円

表は70歳未満の目安で、70歳以上では別の基準が使われます。金額や区分は改定されることがあるため、加入する公的医療保険の窓口で現在の内容を確かめてください。

上限額は「総医療費」をもとに計算するため、窓口で払った金額そのものとは異なります。計算の仕組みは少し複雑なので、実際の額は窓口に確かめるのが確実です。

限度額適用認定証を事前に用意するメリット

高額療養費は後から払い戻すのが基本で、いったんは窓口で高い金額を立て替える必要があります。先に限度額適用認定証を用意しておけば、窓口での支払いを上限額までに抑えられます。

認定証は、加入している健康保険組合や市区町村の窓口で申請できます。マイナ保険証を使えば、認定証がなくても上限額までの支払いで済む場合もあります。

申請から認定証が届くまでには数日から数週間かかることもあります。治療の予定が決まったら早めに動いておくと、初回の支払いから上限額で済ませやすくなります。

多数回該当と世帯合算でさらに負担を軽くする

直近1年で3回以上、高額療養費の上限に達すると、4回目からは上限額がさらに下がります。これを多数回該当と呼び、長く治療を続ける人ほど負担が軽くなる仕組みです。

同じ世帯で複数の人が医療を受けた場合は、自己負担を合算できることもあります。家族の医療費もまとめて見直すと、戻ってくるお金が増えるかもしれません。

こうした仕組みは自動では適用されないものもあり、自分で申請して初めて使えます。知っているかどうかで、戻ってくる金額に大きな差が出てくるといえます。

キイトルーダの費用負担を支えるサポート制度の活用法

頼れる仕組みは高額療養費制度だけではありません。医療費控除や傷病手当金、民間のがん保険などを重ねて使えば、手元に残るお金はさらに増やせます。

  • 高額療養費制度(ひと月の自己負担に上限)
  • 限度額適用認定証(窓口負担を上限までに)
  • 医療費控除(確定申告で税が戻る)
  • 傷病手当金(休職中の収入を補う)
  • 民間のがん保険(給付金で自己負担を軽く)
  • 高額療養費貸付制度(払い戻しまでの立て替え)

医療費控除で取り戻せるお金

1年間に支払った医療費が一定額を超えたら、確定申告で医療費控除を受けられます。所得税の一部が戻り、翌年の住民税も軽くなることが多いです。

高額療養費で払い戻された分は差し引きますが、通院の交通費なども対象に含められます。領収書をまとめて保管しておくと、申告のときに困りません。

医療費控除は、本人だけでなく生計を同じくする家族の医療費もまとめて申告できます。家族全体の領収書を集めておくと、控除できる額が増えやすくなります。

傷病手当金など働けない間の収入を補う仕組み

会社員などが病気で働けず給料が出ないとき、健康保険から傷病手当金が支給されます。連続して休んだ場合、給料のおおよそ3分の2が一定期間受け取れる仕組みです。

自営業の人など対象外のケースもあるため、自分が使えるかは事前の確認が要ります。収入が途切れる不安は、こうした制度で和らげられるでしょう。

申請には会社や健康保険組合での手続きが必要で、医師の証明が要る場合もあります。休む前に勤務先の担当者へ相談しておくと、流れをつかみやすいでしょう。

民間のがん保険や貸付制度も頼れる味方に

すでに民間のがん保険に入っているなら、診断給付金や通院給付金で自己負担をまかなえることがあります。契約内容を読み返し、請求できるものがないか確かめてみてください。

払い戻しまでの立て替えがつらいときは、高額療養費貸付制度という手もあります。無利子で費用の一部を借りられるため、当面の出費をしのぎやすくなります。

どの制度が自分に合うかは、加入している保険や働き方によって変わります。迷ったら、次に挙げる相談窓口で一緒に整理してもらうのがおすすめです。

キイトルーダの治療費を相談できる窓口と費用を抑える工夫

お金の不安は、一人で抱え込まなくて大丈夫です。病院のがん相談支援センターや医療ソーシャルワーカーに相談すれば、使える制度や手続きを一緒に整理してもらえます。

がん相談支援センターやソーシャルワーカーへの相談

全国のがん診療連携拠点病院には、がん相談支援センターが置かれています。治療を受けていない病院での相談でも、無料で利用できるのが特徴です。

医療ソーシャルワーカーは、費用や生活、仕事の悩みをまとめて受け止めてくれます。何から手をつければよいか分からないときの、心強い入り口になるはずです。

相談は電話でも対面でも受け付けており、家族だけでの相談も歓迎されています。早い段階で話しておくほど、選べる手立ても多くなるでしょう。

併用薬の見直しなどで抑えられる部分

キイトルーダ自体は先発品しかありませんが、いっしょに使う薬にはジェネリックがある場合もあります。併用する制吐剤や支持療法の薬を見直すと、費用を少し抑えられることがあります。

どの薬を切り替えられるかは、主治医や薬剤師に相談して決めます。効果を保ちながら、無理のない範囲で工夫していくのが続けやすい方法です。

切り替えで浮く金額は小さく見えても、長く続く治療では積み重なって効いてきます。気になる費用は遠慮なく薬剤師に質問し、納得しながら治療を続けてください。

治療を続けるための家計とお金の準備

治療は数か月から年単位に及ぶこともあり、毎月の自己負担を見通しておくと安心です。高額療養費の上限額をもとに、1年でかかるおおよその金額を計算してみてください。

預貯金や保険、使える制度を早めに棚卸ししておけば、いざというときに慌てずに済みます。お金の準備が整うほど、治療そのものに気持ちを向けやすくなります。

治療と仕事を両立したい人は、勤務先の休職の扱いや支援制度も早めに調べておくと安心です。お金と働き方の両面から備えておけば、心の余裕にもつながります。

  • がん相談支援センター(拠点病院の無料相談)
  • 医療ソーシャルワーカー(費用・生活・仕事の相談)
  • 加入する公的医療保険の窓口(高額療養費・認定証)
  • お住まいの市区町村の窓口(各種給付・減免)
  • 通院先の薬剤師(薬や併用薬の費用相談)

よくある質問

キイトルーダの薬価は1瓶あたりいくらですか?

現在のキイトルーダの薬価は、100mg4mL1瓶あたり199,462円です。2017年の登場時は41万円台でしたが、くり返しの引き下げで半額以下まで下がりました。

多くのがんでは1回200mgを使うため、2瓶分でおよそ39万8千円の薬剤費になります。

キイトルーダの治療費は1年でどのくらいかかりますか?

キイトルーダを3週間ごとに200mg使う場合、1年で17回前後の投与となります。薬剤費だけで、年間およそ650万〜700万円に達する計算です。

ただし高額療養費制度などを使えば、実際に支払う自己負担はこれよりかなり小さくなります。併用する抗がん剤や検査の費用も別にかかる点には注意してください。

キイトルーダの薬価はなぜこれほど高いのですか?

キイトルーダは、免疫の力でがんを攻撃するよう促す新しいタイプの抗体医薬です。開発に多くの費用と時間がかかり、製造も複雑なため、薬価が高く設定されています。

一方で、使われる場面が広がるたびに価格を見直す仕組みが働き、薬価は段階的に下げられてきました。今後もこうした見直しは続くと考えられます。

キイトルーダの費用が払えるか不安なときは、どこに相談できますか?

まずは、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに相談するのがおすすめです。費用や生活、仕事の悩みを、医療ソーシャルワーカーが一緒に整理してくれます。

加入している公的医療保険や市区町村の窓口でも、使える制度を案内してもらえます。一人で抱え込まず、早めに声をかけてみてください。

キイトルーダの自己負担を軽くする制度にはどんなものがありますか?

代表的なのは高額療養費制度で、1か月の自己負担に所得に応じた上限を設けられます。限度額適用認定証を先に用意しておけば、窓口での立て替えも抑えられます。

ほかにも医療費控除や傷病手当金、民間のがん保険などを組み合わせられます。複数の仕組みを重ねるほど、手元に残るお金は増えていきます。

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この記事を書いた人 Wrote this article

前田 祐助

前田 祐助 医学博士 / 医師

慶應義塾大学医学部大学院にて、がんの発生メカニズム(発癌機構)や、慢性炎症と腫瘍の関係性に関する基礎研究に従事し、医学博士号を取得。 特に、胃がんにおける炎症微小環境の解析や、細胞シグナル伝達(COX-2/PGE2経路など)による腫瘍形成の研究において実績を持つ。 現在は、大学病院や研究機関で培った「根拠(エビデンス)に基づく医療」の視点を活かし、疾患の早期発見や予防医療の啓発活動を行っている。 【保有資格・所属】 医学博士(慶應義塾大学)/ 医師免許 / 日本内科学会 / 日本医師会認定産業医